【お仕事インタビュー】電力会社の配電技術者(電気工事士)

【お仕事インタビュー】電力会社の配電技術者(電気工事士)

きずなネットでは、進路や職業選びの参考にしてもらえるよう、さまざまな仕事に携わる人の声を紹介しています。

今回は、読者アンケートでリクエストのあった電気工事士。中でも電気を家庭に届ける配電業務に携わる技術者です。各家庭を回り、電気を安定的に届けるだけでなく、非常災害時の緊急対応も行う中部電力パワーグリッドの技術者に話を聞きました。

西川さん

西川 聡馬さん

23歳/5年目
中部電力パワーグリッド

所属:岡崎支社 配電運営グループ

この仕事を選んだ理由は?

父が自動車関連の保全技術者をしていたことで、「将来は手に職をつけて働きたい」と思っていました。また、安定した職業に就きたかったため、高校受験の時に工業高校の電気科に進み、当時から中部電力に就職したいと考えていました。

高校時代は、電気工事士をはじめとしたさまざまな資格を取得。希望通り中部電力に就職できて、よかったです。

仕事内容は?

愛知県岡崎市の配電運営グループでお客さまの対応業務をしています。

愛知県岡崎市の配電運営グループでお客さまの対応業務をしています。引っ越し時の電気の開通・停止、契約アンペアの変更、太陽光発電の売電対応など、業務は多岐に渡ります。また、自然災害や事故などで停電が起きた時の緊急対応も行っています。

ある日のスケジュール

8時30分 出社
チームメンバー(最大9人)の1日のスケジュールを組んで共有

9時 現場へ出発

9時30分 現場に到着
現場に到着、6、7軒ほどの家庭を訪問。契約アンペアの変更、電力メーターの取り換え、各種調査などを実施。例えば、庭木が電線にかかっていて危険な場合には状況を確認し、必要に応じて対応。5分程度で終わる場合もあれば、工事を伴う場合は30~40分ほど時間がかかるケースも

12時 昼食

13時 業務再開
6、7軒ほどの家庭を訪問

15時30分 現場を出発

16時 帰社
伝票処理や引継ぎ資料などの作成

17時10分 退社

通常は昼間勤務ですが、停電などで緊急対応が必要な時は、24時間365日出動する形になります。もちろんプライベートを優先して問題ないので、遠方に出かけている時など、出動できないこともあります。ただ、台風が近づいて停電のリスクがある時などは、もしもの場合に備えています。

岡崎支社の対応エリアは、岡崎市や幸田町、蒲郡市ですが、緊急事態などで人が足りない時は、遠方に応援に行くことがあります。2025年3月に愛媛県今治市で起きた山林火災では、電力確保に向けた応援派遣として四国まで出向いていました。

この仕事のやりがいは?

日々お客さまと向き合う中で、不具合を調査し、原因を特定、対処して、お客さまから「ありがとう」と言ってもらえる時など、1つ1つの業務にやりがいを感じます。

日々お客さまと向き合う中で、不具合を調査し、原因を特定、対処して「ありがとう」と言ってもらえる時など、1つ1つの業務にやりがいを感じます。

また、緊急で呼び出しを受けて出動する際には、何千世帯に停電が及んでいる状況下での対応を行うこともあります。現場を検証し、地域に住むお客さまの安全を確保しながら状況を判断。必要な人・物を手配して、迅速な対応を心掛けています。

私たちが行うのは1次対応ですが、後の工程も考え、目の前のことだけでなく、さまざまなことに気を配りながら、動かなければいけません。

例えば、先月は倒木で電線が切れたと深夜0時に呼び出しがあり、現場に駆けつけて、復旧したのは昼の13時でした。他にも、火災で電線が燃えてしまったり、事故で電柱が折れたり、雷や台風など、1つとして同じ現場はありません。その都度、状況を見ながら対応しています。

すべての工事が終わり、開閉器(電路を遮断する装置)のスイッチをONにし、街に明かりがパッと灯る瞬間は、大きな達成感とやりがいを実感します。

この仕事の大変なところは?

2025年3月豊田支社の雪害応援派遣の様子

非常災害時の緊急対応ではいつ呼び出しがあるか分からず、現場に入ったら終わるまで、「やるしかない」ところです。特に深夜や悪天候の中での呼び出しは大変ですが、電気を早く届けたいという使命感から、これまでほとんどの現場に駆け付けてきました。

大変さもありますが、お客さまからお礼をいただいた時には、頑張ってよかったと感じます。また、さまざまな現場で経験を重ねる度、自分自身の対応力も上がっていることを感じています。

【西川さんの上司のコメント】

西川さんは、お客さま対応のグループに所属していますが、幅広い業務を任せられる頼もしい存在です。デジタルにも強いためDX関連の業務や、グループ全体の業務効率化など、リーダーとして活躍してくれています。

特に、先を読みながら仕事をする能力が高く、四国の山林火災の応援派遣は、対応力がある西川さんだからこそ任せられた現場です。

電力関係の仕事につきたい人へ

電力関係の仕事は幅広く、配電・変電・送電など、それぞれの業務で内容が全く異なります。そのため、「これをやりたい」とこだわり過ぎてしまうと、入社してからのギャップが出てくるかもしれません。

一方、私自身にとっては、個人の裁量で出来る仕事が多く、年々、「仕事を任せてもらえている」という実感もあり、働きやすい職場だと感じています。

他の仕事でも同じかもしれませんが、会社は入ってからしか分からない部分がほとんどです。そのため、「何をやりたいか」よりも「どのようにありたいか」を大切にすると、見えてくるものが違うのではないかなと思います。

文・聞き手:きずなネットよみものWeb編集部

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