【お仕事インタビュー】食品・飲料メーカー開発職

【お仕事インタビュー】食品・飲料メーカー開発職

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きずなネットでは、進路や職業選びの参考にしてもらえるよう、さまざまな仕事に携わる人の声を紹介しています。

今回は、食品・飲料メーカー「カゴメ」で開発職として働く社員です。中でも、トマトジュースの商品開発を行う方に話を聞きました。

山﨑 健雄さん

山﨑 健雄さん

30歳/8年目

カゴメ

所属:飲料・食品開発部 飲料開発2グループ

仕事内容は?

当社の看板商品、トマトジュースのブランド担当として、商品開発をしています

当社の看板商品、トマトジュースのブランド担当として、商品開発をしています。市場調査やマーケティングなどを行う企画担当者と「こんな商品を作ろう」というコンセプトワークからスタートし、それを商品化するための味づくりを行うのが仕事です。

トマトジュースの原料はシンプルで、トマトのみ。ですが、トマトは品種や産地によって味がさまざまで、さらに、ピューレやペーストなど、原料によっても味が違うんです。その配合を微妙に変えて、甘さや酸味を調整しながら試作品を作っています。「これだ!」という味にたどり着くまで、作っては味見を繰り返す、ある意味、気の遠くなるような作業です。

ある日の主な業務内容

9時 出社
東京・日本橋にある東京ラボに出社。その日の予定を確認し、業務をスタート

9時30分 試作室でトマトジュースの試作
さまざまな品種・産地のトマトを組み合わせ、味見をしながら、調合のバランスを決めていく

12時 昼休憩

13時  試作室でトマトジュースの試作
午後も引き続き試作を行う

15時 試作品の分析
甘みや酸味などの味だけでなく、色合いなども含めてチェック。他の開発担当者や企画担当者など、複数の人に味見してもらいながら、分析していく

16時 試作計画を検討
分析結果をもとに、「次はこうしてみよう」など、今後の試作計画を検討する

17時 打ち合わせ
企画担当者や工場の生産担当者などと開発スケジュールなどについて打ち合わせ

17時30分 退勤

商品開発期間は、試作が業務の中心になるため、試作室に1日中こもって作業する日も珍しくありません。

また、「午前中に集中して試作したい」という日は、朝早く出社して早めに退勤するなど、業務やプライベートの都合に合わせ、フレックス勤務で柔軟な働き方が出来ています。

この仕事の楽しいところは?

自分が携わった商品が世に出て、実際にお客さまの手に渡るというのは、やはりうれしいですね。

直近だと、通販限定の日本のトマトという商品の開発を担当しました。その名の通り、100%国産のトマトを使用しており、機能性表示食品でもある、こだわりが詰まった商品です。毎日習慣的に飲んでいただけるよう、スッキリとした、飽きのこない味を意識して開発しました。

新商品の開発は、コンセプトを決めてから商品化、販売まで、1、2年くらいの期間がかかります。その間、何度も試作を重ねるので、今ではトマト原料を口にすると「〇〇産の○○という品種だな」と、産地や品種を予想できるまでになりました。

この仕事の大変なところは?

当社のトマトジュースは、2023年で90周年を迎えた、とても歴史の長い商品です。カゴメトマトジュース 食塩無添加

当社のトマトジュースは、2023年で90周年を迎えた、とても歴史の長い商品です。一方で、お客さまの味覚は時代とともに変化しているため、今の時代に合わせた新商品の開発に取り組んでいます。

例えば、ここ数年、ものすごく夏が暑くなりましたよね。そうすると、ドロッとして濃厚なものより、さらっとした飲みやすい飲料の方が好まれるんです。そのように、今の時代に求められる商品を考え、開発していくのは大変ではありますが、やりがいも感じています。

また、開発の段階で、なかなか理想の味にたどり着かず、多いと100回くらい試作を重ねることも。宝探しのような、非常に根気のいる作業ですが、その分、「これだ!」という味に出合った時の喜びも大きいです。

この仕事を選んだ理由は?

もともと「健康に関わる仕事をしてみたい」と思っていて、大学では農学部の生命科学科に所属し、どちらかというと医療系の研究をしていました。周りは大学院に進む人も少なくありませんでしたが、自分はアカデミックな研究より、より実用的なものづくりに携わりたいと思い、学部卒での就職を選びました。

中でも、人々の生活に密着している食品系のメーカーを中心に就職活動をして、縁あって当社の生産系総合職として入社することにしました。

入社後は栃木県那須塩原市にある那須工場で5年半、生産に関わる仕事に従事。その後、「商品開発に携わりたい」という思いが強くなり、開発部門への異動希望を出し、現在の部署に配属されました。

仕事につくために努力したこと

特に資格取得や研究を行ったわけではありませんが、食べ物に対して興味を持つようにしていましたね。

例えば、スーパーで買い物をしていても、「この商品には何が使われているんだろう?」と、原材料名表示を見たり、普段の食事でも、「どんな材料を、どんな風に調理すると、この味になるんだろう?」と考えたり。日常の中で、なるべく食べ物について考えるよう意識していました。

今後の目標は?

90年以上続く「カゴメトマトジュース」の伝統とブランドを守りつつ、今の人々の味覚や生活に合わせた新しいトマトジュースを作っていくことが直近の目標です。

90年以上続く「カゴメトマトジュース」の伝統とブランドを守りつつ、今の人々の味覚や生活に合わせた新しいトマトジュースを作っていくことが直近の目標です。

そして、ゆくゆくはトマトジュースに並び、さらに、トマトジュースを超えるくらいの人気商品を開発してみたいと思っています。

この仕事をしてみたい人へ

私は今、飲料の開発をしていますが、学生時代は全く違う分野の研究をしてきました。だから、「この知識がなくては、開発の仕事が出来ない」ということはないと思います。ただ、分野は違っても、何かに夢中になって取り組んできた経験は、今の仕事に活きていると感じます。だから、みなさんも目の前にある、自分が夢中になれることに全力で取り組んでください。

今、具体的な将来の目標がないという人も、何でもいいので、自分がわくわくすることに全力でぶつかってみて欲しいです。それがいつか将来の仕事に役立つ日が来ると思いますよ。

文・聞き手:きずなネットよみものWeb編集部

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