きずなネットでは、進路や職業選びの参考にしてもらえるよう、さまざまな仕事に携わる人の声を紹介しています。
今回は、事前に実施した職業アンケートでも人気の高かった「音楽家」です。音楽を専門とする仕事は、作曲家・指揮者・演奏家などさまざまですが、今回はオーケストラに所属するコントラバス奏者の方にお話を伺いました。

子どもの頃の夢は?
小中学校の頃は教員や図書館司書になりたいと思っていました。高校は音楽科に進みましたが、その頃は将来の仕事にするというよりも「好きな音楽をもっと学びたい」という気持ちが強かったです。大学に進学してから、プロになることを意識し始めました。
仕事についたきっかけは?
4人兄弟の末っ子で、兄や姉が弦楽器を習っていました。5歳の頃に姉の習っていたバイオリンの先生に「僕も習いたい」と言ったのが音楽を始めたきっかけです。
5歳でバイオリンを始め、中学生の頃に吹奏楽部に入ってコントラバスを始め、ジュニアオーケストラでもコントラバスを演奏するように。中学生の頃は、コントラバスとバイオリンを両方続けていましたが、自分自身の体にコントラバスが合っていたこともあり、高校からはコントラバスを専門にしました。さらに音楽の学びを深めたい、学びたい先生のいる大学で学びたいと思い、音楽大学に進学。ここまで来たからにはと、大学時代に「音楽を仕事にして生きていく」ということを決めました。
仕事内容は?
名古屋フィルハーモニー交響楽団の楽員として演奏会に出演しています。これ以外にも演奏会に出演したり、高校の部活動の指導をしたりもしています。
1日の流れ(リハーサルの日)
11時
出勤
お昼ご飯を食べたのちに、ウォーミングアップ
13時~18時
リハーサル
指揮者の方の意向や方向性を聞き、音を感じながらすり合わせていきます。
リハーサル後は、そのまま帰ることもあれば、練習をして帰ることもあります。
1日の流れ(コンサートの日)
13時15分
出勤
お昼ご飯を食べたのちに、ウォーミングアップ
14時45分
ゲネプロ(本番前の最終リハーサル)
18時45分~20時45分
コンサート
※日によって予定は大きく異なります
リハーサルやコンサートのない日は、自分の演奏する曲の練習や、他の演奏会があれば、その準備などをおこなっています。
仕事につくために努力したこと
これまでは、音楽が好きで「できないと悔しい」から練習をしていたし、自分が「弾きたい」から弾けるようになりたいという思いでした。そのため、正直「努力してきた」という感覚がないです。
音楽に関わる仕事がしたいと思っていたので、大学在学中には教員の免許(音楽教諭)を取得しました。オーケストラにはオーディションを受けて合格して入団しましたが、実際に入ってから自分の足りないものが見つかっていき、それを埋めていかなければいけないことを感じています。
仕事についてからの方が、その責任を果たすために努力している感覚が強いです。
仕事の楽しいところ・やりがい
作品が変わる、指揮者が変わる、メンバーが変わるなど、毎回違っていて、いつも新鮮な気持ちで演奏できることが楽しいです。
仕事の大変なところ
楽しいところの反対になりますが、毎回状況が変わるので、いつも違うアンテナを立てていなければいけないことです。また、演奏会が重なってしまうと同時進行でいろいろな曲を準備しなければならないときもあります。
オーケストラは空きがあった楽器を随時オーディションで募集するため、同期のメンバーがいません。年齢も経験も楽器も異なるため、自分と同じ状況で相談できる人がいない時は大変だと思うこともあります。
将来の目標や夢は?
お世話になった先生と同じコンサートで演奏したいという目標があったのですが、学生時代にその夢は叶えることができました。
オーケストラのクラシック音楽に限らず、ジャズやタンゴなどさまざまなジャンルの音楽を経験してみたいです。趣味でヴィオラを弾けるようになってアンサンブルをしてみたいという気持ちもあります。さらに上手くなって、これからも楽しんで音楽を続けていきたいです。
将来この仕事につきたい人へ
「音楽が好き」という気持ちを忘れないでください。仕事にするとなったら「好き」だけではもちろんやっていけないですが、好きな気持ちがなければ続けられないです。
音楽を続けるには、お金も時間もかかります。効率だけ考えたら他の仕事の方が稼げるかもしれません。しかし、目に見えない報酬や感動をたくさん受け取ることができるのが、この仕事の魅力だと思っています。
この記事の感想や「こんな人の話を聞きたい!」「こんな仕事に興味がある!」自薦・他薦問わず「この人にインタビューしてほしい!」など。みなさんの声をお待ちしています。
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