きずなネットでは、進路や職業選びの参考にしてもらえるよう、さまざまな仕事に携わる人の声を紹介しています。
今回は華やかなイメージで、憧れる人も多い人気の職業「客室乗務員」。「CA」や「キャビンアテンダント」とも呼ばれますよね。飛行機の中でさまざまな機内サービスを行うだけでなく、急病人が発生した場合の救急処置や機内の安全確保といった保安管理も重要な仕事です。今回は静岡県に本社を構える「フジドリームエアラインズ」の客室乗務員の方に話を聞きました。

25歳/6年目
フジドリームエアラインズ
客室乗務員
仕事内容は?
基本的に、1日4便に乗務します。例えば、静岡から福岡に行き、また福岡から静岡に戻ってきて、その次に静岡から鹿児島、鹿児島から静岡というような感じで、2往復するなど、たくさんのパターンがあります。担当する便は毎日変わるため、出社や退社時間がバラバラで、行った先で宿泊し、翌日に戻って来るということも多いです。
ある日のスケジュール
6時30分
静岡空港に到着
制服に着替える
パイロット・他の客室乗務員と乗客人数や天候などの情報をチェック
6時50分ごろ
担当する便の飛行機へ移動
機内サービス品の確認
救命胴衣などの非常用装備品の確認
異常や不審物がないかを確認
7時20分ごろ
乗客の搭乗開始
7時30分ごろ
福岡空港に向けて離陸
飛行中は機内サービスの提供や安全確認
9時30分ごろ
福岡空港に到着
乗客が降りた後、機内を清掃し、次の出発に向けた準備
<この流れを乗務する便ごとに繰り返す>
17時ごろ
担当する最後の便が静岡空港に到着
清掃後、報告書などを作成して退勤
仕事の楽しいところ・やりがい
当社の飛行機の定員は84人、または76人です。1日4便に乗務すると、300人を超えるお客さまとお会いすることになります。1つの便を2人の客室乗務員で担当しますが、大型の飛行機と違ってお客さまとの距離が近いため、直接会話する機会も多いです。
安定して飛行している間は、「まもなく右手に瀬戸大橋が見えますよ」など、上空から見える景色をお伝えすることも。そうやってお客さまと会話し、「ありがとう」「いい思い出になりました」と言ってもらえると、うれしいですし、やりがいにもつながりますね。
仕事の大変なところ
体調管理がとても大切です。毎日勤務する時間も、場所も違い、宿泊を伴う勤務も多いため、なかなか生活のリズムが整わず、体調を崩しやすくなってしまいます。
また、客室乗務員というと、一見は華やかに思えますが、実際は重いものを動かしたり、揺れる中で作業したり、体力勝負な面も多くあります。なので、普段から栄養や睡眠をたっぷりとり、健康管理や体力づくりに気を使っています。
子どものころの夢は?
小学生のころに見たテレビ番組で、客室乗務員という職業を知りました。生まれて初めて飛行機に乗ったのは高校生の時です。そこで本物の客室乗務員の方を見て、テキパキとした動きや優しい笑顔、きれいな制服など、全てがキラキラして見えました。そこから、「私も客室乗務員になりたい!」と思い、進学先を具体的に考えるようになりました。
仕事に就くために努力したこと
高校卒業後、エアラインコースのある専門学校に入学し、客室乗務員になるための勉強をしました。航空や保安に関する知識、接客マナーだけでなく、より幅広い人たちにサービスを提供できるよう、外国語の勉強にも力を入れていました。2年間学んだ後、もともと静岡出身だったこともあり、地域に密着した航空会社であるフジドリームエアラインズに魅力を感じ、入社を決めました。
実際に仕事に就いてみての感想
客室乗務員と言うと、機内サービスを行っている印象が強いですが、実際そうした仕事は1割程度で、機内でお客さまの安全を守る「保安要員」としての役割が大きいです。
そのため、定期的に研修を受けて安全に関する知識をブラッシュアップし、飛行中は「具合の悪そうなお客さまはいないか」「危険なものはないか」など、常にあらゆるところに気を配っています。飛行機は1度扉が閉まると、目的地に着くまでは完全に密室です。その間、機内の安全を2人の客室乗務員で守ることになるため、日々、その責任の大きさを実感しています。
今後の目標は?
客室乗務員として働き始めて、6年目。後輩の指導なども任されるようになりました。新人のころと比べ、少しずつ余裕を持って働けるようになりましたが、現状に満足せず、どんどん新しいチャレンジをしていきたいです。
当社は、新しいことへの挑戦を後押ししてくれる社風なので、今は、「こんなサービスがあったら、もっとお客さまに喜んでもらえるのでは?」など、客室乗務員ならではの視点から新しい企画やサービスをつくってみたいと考えています。
この仕事を目指す人へ
子どものころに憧れた客室乗務員になることができ、日々、やりがいを持って働いています。私のように、幼いころから客室乗務員や飛行機に憧れていた人はもちろん、人と接するのが好きな人や、語学力をいかしたいという人には向いている職業だと思っています。
女性の多い職場ではありますが、最近は業界全体で男性の客室乗務員も増えています。もし客室乗務員に憧れている人がいたら、男性女性を問わず、ぜひ挑戦してもらいたいです。
文・聞き手:きずなネットよみものWeb編集部
この記事の感想や「こんな人の話を聞きたい!」「こんな仕事に興味がある!」自薦・他薦問わず「この人にインタビューしてほしい!」など。みなさんの声をお待ちしています。
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