【お仕事インタビュー】図書館司書

【お仕事インタビュー】図書館司書

きずなネットでは、進路や職業選びの参考にしてもらえるよう、さまざまな仕事に携わる人の声を紹介しています。

今回は、読者アンケートでもリクエストの多かった図書館司書です。図書館で資料収集や整理、本の貸し出し、利用者への案内などをする専門職で、本にまつわるイベントなどを企画することもあります。ここでは、名古屋市鶴舞中央図書館で働く司書の方に話を聞きました。

西村さん
西村 清宏さん

26歳/4年目
名古屋市鶴舞中央図書館
所属:奉仕課 奉仕第二係

仕事内容は?

主に、利用者さんからの質問や相談に対応する「レファレンス」を担当しています。

主に、利用者さんからの質問や相談に対応する「レファレンス」を担当しています。「こんなことが知りたいんだけど」という問い合わせに対して、図書館内外から参考になる本や資料を見つけ出し、調べもののサポートをするのが仕事です。

日々、さまざまな種類の相談が寄せられますが、度々聞かれるのが「地名の由来を知りたい」など地元の歴史に関するもの。簡単な質問にはその場でお答えしますが、通常は1週間から10日ほどかけて図書館に保管されている郷土資料や、国立国会図書館が運営するデータベースなどを参考にしながら情報を集め、回答しています。

小学生のお子さんから、「夏休みの自由研究に役立つ本はありますか?」と聞かれることもありますよ。

ある日のスケジュール

※早番の場合
8時45分
出勤
ミーティング、前日に返却された本の確認・整理、本棚の整理

9時30分
開館、カウンター業務(本の貸し出し、利用者への案内など)

11時
寄贈本の受け付け・整理、傷んだ本の修理など
レファレンス

12時30分
昼食

13時30分
午前中に返却された本の確認・整理

13時45分
カウンター業務

15時
イベント・展示の準備など
レファレンス

16時
カウンター業務

17時30分
終業

※勤務はシフト制で、遅番の場合は11時30分出勤、20時15分終業

仕事の楽しいところ・やりがい

利用者さんに対し、直接サービスできるところですね。司書は、「本と向き合う仕事」ですが、「人と向き合う仕事」でもあります。利用者さんごとに求めるレベルや知識量が違うので、毎回お話ししながら、「どんなことを、どれくらい知りたいのかな?」と探るようにしています。

それをもとにリサーチした結果をお伝えすると、「助かりました」とお礼の言葉をいただくことも多いです。とてもやりがいになりますし、子どもの頃から大好きだった本を通じ、「誰かの役に立っている」というのを実感できる瞬間でもありますね。

仕事の大変なところ

自然科学や地理、歴史、政治と、ありとあらゆるジャンルの相談が寄せられるので、中には当然知らないこともあります。そんな時は周りの先輩たちに聞いたり、他の図書館の回答事例を参考にしたりしながら、1から調べていくので時間がかかり、大変です。ただ、仕事を通じていろいろな知識が増えていくのは、この仕事ならではの面白みでもありますね。

この仕事についたきっかけは?

小さい頃から本好きで、よく地元の図書館に通っていたことが原点になっているかもしれません。

小さい頃から本好きで、よく地元の図書館に通っていたことが原点になっているかもしれません。大学は法学部政治学科に進み、そこで司書の資格に必要な単位を取得しました。「本が好き」という気軽な気持ちで目指しましたが、当時、有川浩さんの小説「図書館戦争」シリーズにはまっていたこともきっかけの1つです。

大学では司書を目指す学生たちのサークルに所属し、指導教授と一緒に全国の特徴ある図書館を訪ねて回りました。司書さんに直接話を聞く機会もあって、「司書って面白そうだな」という思いが強くなり、名古屋市の職員採用試験を受けて入職しました。

今後の目標は?

レファレンスは経験がものを言う世界。経験を重ねることで、「このあたりの資料を探せば、きっと答えが見つかるはず」という予測が立てられるようになります。私はまだ4年目と経験が浅いので、これから出来るだけ多くの経験を積んでいきたいですね。

今の時代、図書館に行かなくても、インターネットで簡単にいろいろな情報が手に入ります。それでも私たちのような司書が存在する意味というのは、「困ったら、〇〇さんに聞こう」と思ってもらえる信頼と人間性ではないでしょうか。私も、みなさんから「鶴舞図書館の西村さん」と名前で呼んでもらえるような、信頼される存在になっていきたいですね。

この仕事を目指す人へ

司書資格を取得するための勉強は重要ですが、時間を見つけて、ぜひさまざまな図書館を巡ってみてください。「この展示の仕方はユニークだな」「もっとこんなサービスがあったらいいのに」など、きっといろいろなことを感じるはずです。そこで感じた利用者としての視点は、きっと司書になった後からも大いに役立つと思っています。

文・聞き手:きずなネットよみものWeb編集部

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