きずなネットでは、進路や職業選びの参考にしてもらえるよう、さまざまな仕事に携わる人の声を紹介しています。
今回は、きずなネットのアンケートでもリクエストの多かった「パティシエ」です。活躍の場は、洋菓子店やレストラン、ホテルなど多様ですが、ここでは結婚式場で働くパティシエの方にお話を聞きました。

23歳/4年目
ブラス
結婚式場「アージェントパルム」勤務
パティシエ
子どもの頃の夢は?
子どもの頃の夢は「ケーキ屋さん」になることでした。甘い物が好きな父の影響で、幼い頃からケーキショップに訪れる機会が多く、そこでケーキやデザートを作る人たちに憧れを抱いていました。
また、自分が作ったチーズケーキを家族に振舞った時に、喜んでくれている姿を見て、自然とケーキ屋さんやパティシエを目指すようになりました。
仕事についたきっかけは?
パティシエになりたいと考えた私は、高校卒業後、調理の専門学校に進学しました。そこで、結婚式場で働く「ウエディング(ブライダル)パティシエ」という仕事を知り、現在勤務している結婚式場「アージェントパルム」のインターンシップに参加したことがきっかけです。
アージェントパルムでは、デザートを作る以外にも、披露宴でウエディングケーキを新郎新婦のもとに届けたり、デザートビュッフェの時にはお客様を直接おもてなしをする、というのもパティシエの仕事の一つでした。「パティシエではありながらも、お客様と関わる仕事がしたい」と思っていた私は、この仕事にとても魅力を感じました。
そして、会社の理念でもある「それぞれの新郎新婦にとって最高の結婚式を創る」という目標に向かって、とことんこだわる料理人・パティシエの方たちの姿を見たことも大きな決め手になりました。この人たちにもっと色々なことを教えてもらいたい、ここで自分も成長したいと考え、今の会社への就職を決めました。
仕事内容は?
ウエディングケーキや、結婚式の披露宴で提供するデザートなどを作ります。
主に、平日は仕込みを行い、結婚式当日はウエディングケーキやデザートを完成させます。
また、新郎新婦と直接お会いして、ウエディングケーキの打ち合わせも行います。
平日の仕事
●ウエディングケーキづくり
(スポンジ生地の焼成、フルーツのサンド)
●クッキープレ―トやネームプレート、マジパンづくり
●デザートビュッフェ用の仕込み・試作
(例:チーズケーキ、タルト、ガトーショコラ、モンブラン、パンナコッタ、プリンなど)
●新郎新婦とウエディングケーキの打ち合わせ
土日の仕事
●ウエディングケーキの仕上げ
●デザートや料理の盛り付け
●お客様へのデザートビュッフェ提供、取り分け
仕事につくために努力したこと
◎専門学校では、料理人・パティシエとしての技術を磨きました。授業の一つである「模擬披露宴」では、率先してリーダーを引き受け、お客様との打ち合わせやウエディングケーキ作りに取り組みました。
◎学生時代には、インターンシップの他にカフェのキッチンや結婚式場のサービススタッフのアルバイトも経験して知見を広げました。特にサービススタッフのアルバイトでは、「結婚式や披露宴でお客様がどんな表情をしているか」を意識して見ていました。
お客様が困っていること、求めていることに気付くこと。小さな心遣いを積み重ねることが大事なのだと、学ぶことができました。
◎プライベートでは、友人と一緒にカフェめぐりやスイーツショーに行くことが多く、より多くの情報をキャッチするようにしていました。
仕事の楽しいところ・やりがい
ウェディングケーキを0(ゼロ)から作れることです。直接、新郎新婦と打ち合わせをしながら、おふたりのことを知り、個性や要望を活かしたケーキを作り上げていきます。おふたりの顔を思い浮かべながらケーキを作る時間は、充実していてとても楽しいです。
また、結婚式当日には、披露宴会場にいる新郎新婦のもとへ、ウエディングケーキを運ぶこともできます。私の届けたケーキを見た時の新郎新婦の嬉しそうな表情や、ゲストの歓声を聞くことができると、心から幸せを感じます。
仕事の大変なところ・やりがい
アージェントパルムのデザートは一つひとつがすべて手作り。一つのデザートが完成するまでに、メニュー考案、試作、制作を含めると、時間も手間もかかります。
もちろん、幅広いデザートの知識や技術が必要な時もありますが、やりたいこと、作りたいものを追求できるこの環境は、自分自身のこれからの成長に繋がっていくと考えています。
将来の目標や夢は?
新郎新婦の想いをウエディングケーキとして形にできるように、パティシエとしての知識を増やし、さらに技術を磨いていきたいです。またいつか、自分自身の友人や、大切な人たちのウエディングケーキを任せてもらえるようになるのが、今の夢です。
将来この仕事につきたい人へ
「デザートやお菓子が好き」という想いをぜひ大切にしてください。また、私がいつも心掛けているのは「作業」になってしまわないようにすることです。
単にケーキやデザートを作るだけではなく「人と関わる」ことも、この仕事の魅力。お客様や仲間と積極的に話すことで見える景色や、生まれるアイデアがあります。「その人のために作る」という気持ちはやりがいにも繋がりますし、パティシエの仕事がもっともっと楽しくなるはずです。
文・聞き手:きずなネットよみものWeb編集部
この記事の感想や「こんな人の話を聞きたい!」「こんな仕事に興味がある!」自薦・他薦問わず「この人にインタビューしてほしい!」など。みなさんの声をお待ちしています。
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