【お仕事インタビュー】理学療法士(治療院経営者)

【お仕事インタビュー】理学療法士(治療院経営者)

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きずなネットでは、進路や職業選びの参考にしてもらえるよう、さまざまな仕事に携わる人の声を紹介しています。

今回は「理学療法士」、運動機能回復のスペシャリストです。理学療法士は、スポーツ選手、ケガ・病気の方などの身体の基本的な機能回復をサポートする国家資格で、免許がなければ名乗ることはできません。今回は、理学療法士であり治療院などを運営する経営者の方にお話を聞きました。

子どもの頃の夢は?

幼少期はスポーツ選手になりたいと思っていました。思春期にはスポーツに関わりたくて、体育教師になることを夢見ていました。

この仕事についたきっかけは?

高校時代までサッカーをしており、インターハイに出場した経験もあります。自分自身がスポーツに打ち込む中でケガをした際、スポーツトレーナーの先生に出会ったことがきっかけです。ケガを治し、メンタルケアをしてもらい、その時に理学療法士という仕事を知りました。

元々スポーツに関わることが夢。教師という立場ではなく、医療の面から関われる道を知り、理学療法士を目指しました。

理学療法士と作業療法士の違いは?
どちらもリハビリテーションに携わる仕事です。理学療法士は、基本動作や運動機能回復のリハビリを提供。作業療法士は、日常生活を送るための応用的動作の回復を図るリハビリを提供します。理学療法士が体の大きな動きのリハビリを行うのに対して、作業療法士は手の動作や指の細かい動作などのリハビリを行う場合が多いです。

仕事内容は?

理学療法士は病院やクリニックでリハビリの仕事をする方がほとんどです。

理学療法士は病院やクリニックでリハビリの仕事をする方がほとんどです。私は理学療法士の中でも珍しい、スポーツ理学療法士として活動をしています。

具体的には、中日ドラゴンズの選手やフットサルの日本代表選手のコンディショニング。また、ハンドボールチームHC名古屋のチーフトレーナーとしてスポーツチームのトレーナーをしています。

ケガの治療だけでなく予防にも取り組んでいます。ハンドボール雑誌に連載を書いたり、企業で腰痛予防のセミナーを開きアドバイザーとしての業務をおこなったり。さまざまな活動をしています。

名古屋市内と愛知県春日井市内に治療院、リハビリ特化型デイサービスを運営。理学療法士という技術や知識を用いて新しい取り組みをしています。

ある1日の流れ

8時10分
朝礼(オンラインにて各部署全員で参加し、1日の目標や課題を整理)

9時~12時
患者さんの治療

12時15分
昼食を食べながらメールチェックやミーティング

13時30分
企業の健康アドバイザー業務

17時
データ解析と実験ノートの記入

18時~20時
患者さんの治療

20時~22時
トップアスリートの治療

独立した理由は?

理学療法士として病院に勤めていると、医療保険の範囲内でのリハビリとなります。医療法に基づき行わなければならず「もっとこうすれば良くなるのに」「もっと時間をかければ良くなるのに」など、悔しい思いをすることも。そんな、治しきれない患者さんをみて独立しようと決めました。

また「理学療法士×○」、理学療法士×スポーツ・ヨガ・美容・企業・動物など、理学療法士の資格を取得してから、ダブルライセンスで活躍したい仲間と出会ったことも大きいです。

仕事につくために努力したこと

理学療法士になるために専門学校に3年間通い、臨床実習という医療現場で学ぶ期間があります。その勉強や国家試験の勉強は大変でした。しかし、もっと大変なのは国家資格を取得して、実際に働き始めてからです。

幸いにも希望していたスポーツ医療の職場に就職ができましたが、スポーツの現場はさらに厳しいです。なかなか治すことができず、思うような結果を出せないことに悩み、とにかく毎日勉強をしました。

理学療法士の資格を取得してすぐに、ラグビーのトレーナーをやらせてもらいましたが、ラグビーでなぜケガをするのか、どう予防するのかを研究。現在はその競技がハンドボールになり、ハンドボールのケガの特徴やパフォーマンスアップの方法などを研究し、書籍を読んだり、選手やコーチと話したりし、日々勉強しています。

医学的なリハビリの知識や技術の情報を、スポーツ医学に応用していますが、医学の情報は常に新しい情報、新しい治療法が出ます。勉強は一生続けなければなりません。

仕事の楽しいところ・やりがい

痛みで困っている方、歩けない、走れないなど、悔しくて涙を流す患者さんの痛みを取り除く仕事。治すことができた時はとても嬉しく、幸せな気持ちになります。

また、スポーツ選手のケアに関わる際には、医療の力はスポーツの勝敗、選手のパフォーマンスに影響を及ぼします。好成績・チームの勝利に貢献できたときは、感動します。

仕事の大変なところ

好きなことですのでストレスにはなりませんが、やはり常に勉強を続けないといけないことです。患者さんや選手に最新の治療を提供し、1日でも早く復帰させてあげたいという思いから、勉強や考える時間は必要です。

医学書を読んだり、セミナーを受けたり。また、最新の海外の論文を英語の辞書を片手に読むことも。ドクターの手術の内容など、幅広く学んでいます。今では経営者さんたちの集まりに参加し、経営という違った勉強もしています。

時間のやりくりの工夫は?

かなり大変な日々を過ごしていますが、毎日充実しています。独立した理由は「患者さんをもっと治したい」という思いから。1人でも多く救う時間があれば向き合いたいと思い、頑張っています。

そのためオンもオフもなく常にオンと言えばオン、オフと言えばオフかもしれません。仕事が趣味とも言えます。ただ、家族との時間は大切にしたいので、子どもと過ごす時間だけは作る努力をしています。

また、一緒に独立をしてくれた仲間も家族同然です。仲間との時間も大切に、時に厳しく時に優しく、みんなで切磋琢磨しています。

将来の目標や夢は?

自分が育ててもらったように、若いセラピストに技術を伝え、理学療法士の活躍の場を広げることが目標です。

また、理学療法士の技術を、産業保健の分野、企業の健康な人たちの健康増進や予防に役立てていくこと。今は馬のリハビリにも携わっていますが、犬など動物のリハビリも行いたいと考えています。

将来この仕事につきたい人へ

仕事をして「ありがとう」と直接感謝される仕事は多くはありません。涙を流して感謝される理学療法士という仕事は、社会貢献になる、やりがいのある仕事です。「人のために働きたい!」と思っている人にはオススメです。

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