きずなネットでは、進路や職業選びの参考にしてもらえるよう、さまざまな仕事に携わる人の声を紹介しています。
今回は、人気の職業で、きずなネットにもリクエストがあった「声優」です。今回は、声優として第一線で活躍しながら、後輩育成のための養成所講師もされている方にお話を聞きました。

43歳/ 25年目(子役から含めると34年)
声優、俳優、養成所講師
マウスプロモーション 所属
子どもの頃の夢は?
歌手や女優になりたいと思っていました。
この仕事についたきっかけは?
子どもの頃から目立つことが好きで、人前に立ってお芝居がしたいと思っていました。9歳の時に児童劇団のチラシを見つけ、親に直談判し、入所したのがきっかけです。
高校卒業とともに、声の仕事の方に力を入れたいと、現在の事務所であるマウスプロモーションの養成所に入り、18歳で所属となりました。
仕事内容は?
外画(洋画や海外ドラマなど)の吹き替え、アニメ、ゲーム、ナレーション、声に関するお仕事全般。7年前から、マウスプロモーション附属俳優養成所の講師もやっています。
毎日、内容もスケジュールも全く異なりますが、以下は一例です。
ある一日の流れ
9時45分
スタジオ入り
10時~12時
アフレコ(映像作品などに、後から声を入れるレコーディング作業)
14時
オーディションなど
15時
養成所講師
17時
帰宅
21時
自宅で翌日の仕事のリハーサル
仕事につくために努力したこと
- 自分の個性を最大限発揮すること
- 養成所の授業にきちんと出席し、自分で考え理解し、実践にどう活かすかということ
- 人間観察をする
- メンタルの強さを保つ
- 姿勢、発声、筋トレなど、体をしっかり作る
- 日々の訓練(滑舌など)
……など
このほかにも、たくさんの努力をしてきましたし、今も学び続けています。
仕事の楽しいところ・やりがい
毎回、同じことがないので日々ワクワクできること。色んな役を演じるので、色んな人の人生を体験できることが魅力です。
聞いてくれる人、見てくれる人が喜んでくれることもやりがいになっています。私はとにかく「声を出す」ということが楽しいので、この仕事は天職だと思っています。
仕事の大変なところ
浮き沈みが激しい世界で、安定した収入がないことです。仕事をしたくても、オーディションに受かるか呼んでもらえなければ、仕事はありません。最初はアルバイトをしながらです。
また、仕事は決まった時間で行われるわけではないの、収録が深夜になることも珍しくありません。突発的に発生したニュースのナレーションなどで、夜中に呼ばれることもあります。他の人のスケジュールも合わせて決めるので、ギリギリまで予定が決まらないこともあります。
将来の目標や夢は?
- このまま年を取っても、自分の年齢なりの役が演じられること
- 声優になりたい子たちを「人」として育てられる応援者になること
どれだけ頑張っても、声優になれない人もいます。ですが、声優になるために積み重ねた努力はこれからの人生の中で必ず生きるはず。そのため、スキルを教えるのはもちろんですが「人」を育てられる応援者になりたいと思っています。
将来この仕事につきたい人へ
まずお伝えしたいことは、声優になるのはとても厳しいということです。テレビに出ている人たち、華やかな人たちは、ほんの一部。そこに憧れて、養成所に入れるのが毎年約100人。1年目修了時の試験で80人が落とされます。2年目修了時の試験で事務所に所属出来るのは2、3人。そこからさらにし烈な競争があります。声優だけで食べていける子は、ほんの一握りという世界です。
そんな中で、今声優として活躍している人たちは、1歩前に進んだ人たちです。1歩前へ進めるかどうかだと思います。時代は、若い子たちを求めています。始めるなら早い方がよいでしょう。
この記事の感想や「こんな人の話を聞きたい!」「こんな仕事に興味がある!」自薦・他薦問わず「この人にインタビューしてほしい!」など。みなさんの声をお待ちしています。
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