きずなネットでは、進路や職業選びの参考にしてもらえるよう、さまざまな仕事に携わる人の声を紹介しています。
今回は、読者アンケートでリクエストのあった動物園飼育員です。名古屋市東山動植物園の飼育員さんに話を聞きました。
24歳/3年目
名古屋市緑政土木局 東山総合公園
所属:東山動物園 飼育第二グループ
この仕事を選んだ理由は?
子どもの頃から動物が好きで、動物に関わる仕事がしたいと思っていました。大学は動物について専門的に学べる農学部へ進学。勉強をする中で絶滅危惧種の保全や、それを伝えていける飼育員の仕事に興味を持ったことがきっかけで、選びました。
仕事内容は?
私が担当している動物は鳥類やオオカミ、ボルネオテナガザルなど。給餌(エサやり)や動物舎の掃除はもちろんのこと、動物が快適に暮らせる環境の整備も主な仕事です。イベント時には、動物の解説をすることもあります。
ある日のスケジュール
8時45分
出勤
8時55分
朝のミーティング
動物の状態の報告など
9時
オオカミ舎へ移動
オオカミを寝室から運動場へ移し、寝室の清掃
9時30分
ボルネオテナガザル舎へ移動
ボルネオテナガザルを寝室から運動場へ移し、給餌、寝室の清掃
10時30分
キジ・ツル舎へ移動
給餌、清掃
12時
お昼休憩
13時
キジ舎の環境改善
キジが暮らしやすい環境を作るために「とまり木」を設置。実際に使ってくれているかどうか、様子を見ながら改良
14時
ボルネオテナガザルのフィーダー(給餌器)の製作
限られたエリアで暮らす動物たちが退屈しないよう、エサが取り出しにくく、時間をかけて食べられるようなフィーダーを製作
15時
ボルネオテナガザル舎へ移動
給餌
16時
オオカミ舎へ移動
オオカミを運動場から寝室へ移動し、給餌
17時30分
終業
仕事に就くために努力したこと
大学の勉強、就職活動の試験勉強のほかに、さまざまな動物園をまわり、展示の方法や園ごとの特色も研究していました。
動物園の飼育員の求人は、あまり多くはありません。就職活動では全国にある10くらいの動物園を受けて、最終的に東山動植物園で働くことを決めました。当園も飼育員に欠員がないと募集をしないので、直近2年は正規職員の求人がなく、園内では私が最年少の飼育員です。
仕事の楽しいところ・やりがい
動物たちと接していると、日々、発見の連続です。元気にエサを食べて、いきいきと暮らしているのを見ることが何より楽しいですし、その姿を見たお客さんが喜んでくれているのもやりがいです。
また、新しく担当した動物が、最初は遠く離れて私を見ていたところから、エサやりなどを通じてだんだん距離が近づいてくると、仲良くなってきたことを実感してうれしくなります。
仕事の大変なところ
動物相手の仕事なので、予想外のことが起きたり、よかれと思って進めた環境整備が思い通りにいかなかったりすることもあります。まだまだ分からないことだらけで、自分の中で課題もたくさんあるので、先輩に相談しながら経験を積んでいます。
今後の目標は?
周りは知識・経験ともに豊富な先輩ばかりで、いつも助けてもらっています。私もそんな先輩たちのようになることが目標です。そして、動物たちが今以上にいきいきと暮らせる飼育環境を整えていきたいです。
この仕事に就きたい人へ
まずは「動物が好き」という気持ちを大切にして、勉強を頑張ってください。そして、さまざまな動物園に足を運んでみると、いろいろな発見があるかもしれません。その中でぜひ、東山動植物園にも足を運んでくださいね。
文・聞き手:きずなネットよみものWeb編集部
この記事の感想や「こんな人の話を聞きたい!」「こんな仕事に興味がある!」自薦・他薦問わず「この人にインタビューしてほしい!」など。みなさんの声をお待ちしています。
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