子ども自主性を引き出すために大人が「協力者」としてできることは?
ストーリー仕掛けのワークショップに挑戦!
第1部の講演会で、子どもの自主性について専門家から多くのヒントを得た参加者の方々。第2部では、そのアドバイスや気づきを踏まえて、子どもの自主性を引き出す方法について具体的に考え、アイデアを出し合う参加型ワークショップを行いました。
ワークショップの設計は、ワークショップデザイナーの臼井 隆志さんにご協力いただきました。
「小学校の頃好きだった人」というテーマで自己紹介
ワークショップ前半では、ストーリーをつくるというグループワークを実施しました。登場人物は、かなえたい夢を持つ主人公、それを阻む対立者、力を貸してくれる協力者という3人。この主人公が自分の子どもだったら・・・と想像しながら、夢をかなえる方法を考えます。
設定を考え、イラストを描いてイメージを共有
ここで重要になるのが、「協力者」の存在です。次のステップでは、主人公が好きなことに夢中になれる環境をつくるために、協力者は何をすればいいのか、具体的なアドバイス、サポートなどをみんなで考えました。
主人公のために協力者ができることをどんどん書き出す
「主人公の失敗も成功も受け止めて共感する」
「相談に乗る」
「対立者を叱る、説得する」
「昔話をする」
「素敵な本を貸す」
「最近のやり方を伝える」
「褒めまくる」
などさまざまな方法が書き出されました。
自分と子どものストーリーを他者目線で見直す
ワークショップ後半では、参加者自身が子どもの自主性を育むための「協力者」になるにはどうしたらいいか、考えました。
グループ内で、「話をする人」「話を聞く人」「観察する人」に分かれ、一人ひとりの話をじっくりと聴いていきます。
持ち時間が足りないほど話が盛りあがるグループもありました
- 子どもが熱中している間はできる限り自由にさせてあげたい
- 子どものやりたいことを認めたいけれど、親としての立場もある
- 本人にとっては何気ない行動や声かけでも、他の家庭から見れば参考になることも
お互いにいいところを見つけ合い、自分にはなかった視点で考えてみたことで、視野が広がりました。
ふせんを貼る場所がなくなるほど、たくさんの意見が集まりました
最後に、参加者全員で意見をまとめました。
自主性を引き出す子ども向けワークショップで自由な発想が開花!
保護者の学びの場である今回の講演会とワークショップと同時に、子どもたち自身の自主性を引き出すワークショップも開催されました。
第1部の講演会の時間を使い、子どもたちは段ボールを使った工作に挑戦。工作教室は、栄徳高校の学生や長久手市職員、そして長久手市で子育て支援に取り組むNPO法人ながいくのコラボチームにより実施されました。
段ボールで思い思いの電車をつくって、電車ごっこ♪
第2部の時間では、お父さん、お母さんと同様に、主人公と対立者、協力者のキャラクターを考えて人形づくり。主人公を自分に置き換えて、好きなことを思いきりできるような、理想の学校や公園について考えました。
ワークショップには、第1部講演会の登壇者である金子さんも参加。あっという間に子どもたちと打ち解け、人気者になっていました。
次々とキャラクターが完成し、壮大なストーリー展開に!?
できあがったものを見たお父さん、お母さんからは「家だとつい、汚れるから散らかるからと止めてしまうけど、こんなに工作が好きだとは思いませんでした」、「こんなことを考えつくなんて驚きです。家でももっと伸び伸びと考えたり、つくったりする時間を持てるようにしたいです」との感想が聞かれるなど、子どもたちの自由な発想や伸びやかさなどを、改めて実感する機会になったようです。
講演とワークショップを終えて
今回の講演とワークショップを行って、子どもの自主性を引き出し育むために学んだことは、
(講演で学んだこと)
- 『早く、ちゃんと』『できたこと』を褒めるのではなく、『存在自体』や『あり方』を認める。
- 子どもが「やりたい!」と言える環境を作ってあげる
- 遊びがゴールで、学びが手段。学びが手段となるようなやりとりが大事
(ワークショップで学んだこと)
- 子どもの協力者となって「やりたい!」を引き出す
- 保護者同士で話しあい、自分にはなかった視点で考えてみたことで視野が広がる
- 子どもに伸び伸びと考えたり、つくったりする時間を持てるようにしてあげる
ということでした。みなさまはどのように感じましたでしょうか。
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