学童保育とは?夏休みに通える民間学童も!違いや特徴を解説

学童保育とは?夏休みに通える民間学童も!違いや特徴を解説

共働き世帯の増加や核家族化などの環境の変化を踏まえ、放課後に小学生の児童が安心して生活できる場として学童保育が多様化しています。
学童保育の開設数は全国的にも年々増加し、学習塾が運営する学童や英会話で過ごす学童など、特色のある施設も増えています。
ここでは、学童の利用料金や民間学童と公設学童の違いなどを分かりやすく解説します。

学童保育とは?何をするところ?

学童保育は、小学校が終わったあとや夏休みなどの長期休暇時に小学生が利用する保育施設です。

学童保育は、小学校が終わったあとや夏休みなどの長期休暇時に小学生が利用する保育施設です。
基本的に、共働き家庭の小学校1年生~6年生が対象です。
遊びや生活習慣の確立など豊かな放課後生活が保障される場であり、家と学校を繋ぐ「第二の自宅」とも言える場所。学校が終わると直接学童に行き、保護者の仕事が終わるまでの時間を学童で過ごします。

学童保育の制度は、厚生労働省が設置基準を設けており、「放課後児童クラブ」とも呼ばれています。
共働き世帯の増加に伴い全国的に設置数が増えており、学童を利用する児童数も年々増え続けています。(※1)

宿題や遊びで時間を過ごす

学童では主に学校の宿題をしたり、おやつを食べたり、遊んだりしながら時間を過ごすことが多いようです。民間学童では、学童の中で習い事をするなど、ネイティブ講師による英語学習に特化した学童などさまざまなプログラムを導入するところも増えてきています。
ただ子どもを預けるだけの場ではなく、子どもの放課後時間の過ごし方を選ぶ一つの選択肢として学童のニーズは高まっているようです。

「小1の壁」と学童の選び方

小学校に入学すると教科学習が始まり、これまでの幼稚園や保育園で大切にされてきた遊びや生活のスタイルが大きく変わります。

小学校に入学すると教科学習が始まり、これまでの幼稚園や保育園で大切にされてきた遊びや生活のスタイルが大きく変わります。保護者の視点からも、保育園では夕方まで預けることができたのに対して、小学校にあがると下校時間は早まります。
保育園は17時まで預けられたのに、小1になると早い日は14時前に下校する生活。
学童に入れば、下校後18時頃まで子どもは安全に過ごすことができるものの、公設の学童では延長がなかったり、長期休暇はお弁当が必要だったりと、保育園の頃よりも親の負担が増えることが多いでしょう。
このように小学校にあがることで感じるさまざまな障壁や生活スタイルの変化などを総称して「小1の壁」問題と呼んでいます。
この「小1の壁」を解消するにあたり、公設学童はもちろん、民間学童ではいろいろなサービスが取り入れられています。

民間学童と公設学童の違い

学童の運営主体は自治体や、行政から委託を受けた社会福祉団体や学校法人、地域の保護者でつくる保護者会、民間企業などです。

学童の運営主体は自治体や、行政から委託を受けた社会福祉団体や学校法人、地域の保護者でつくる保護者会、民間企業などです。

  • 公設公営
  • 公設民営
  • 民設民営

の3種類に分けられます。
最近増加している「民間学童」は、一般的に民設民営の学童を指しています。

公設公営

管轄は厚生労働省となり、主に児童館や学校の空き教室など、公の施設のもとで、行政や自治体が運営する学童保育です。

公設民営

学校の敷地内や行政が管理する施設等で、行政からの委託を受けた社会福祉法人や学校法人等が学童保育を運営。公設公営と同じく管轄は厚生労働省となり、厚生労働省が定める設置基準に基づいて運営する学童保育です。

民設民営

民間団体や一般企業などが設立する学童を民設民営といいます。民設民営の中でも、一部行政からの補助金を受けて運営する学童もあります。

令和4年の厚生労働省の統計によると、公営学童は7,359箇所、民営が19,324箇所。
民営の学童の施設数は、公営学童の2.6倍もあるようです。(※1)
これらの運営方法とは別に、保護者で支え合い学童の運営を担っているところもあります。最近では保護者の負担軽減を考慮し、一般社団法人や学校法人に運営を委託するケースも見受けられます。

夏休みだけもOK!民間学童の利点

子どもたちを放課後に預かる場という点では民間学童も公設の学童も同じですが、民間学童の場合には、公設にはない独自のサービス提供を行っています。

子どもたちを放課後に預かる場という点では民間学童も公設の学童も同じですが、民間学童の場合には、公設にはない独自のサービス提供を行っています。
民間学童の場合、ニーズに合わせたサービス提供や運営を行っているため、学童ごとに特色があります。

民間学童のサービス例

  • 毎日ネイティブ講師と過ごす英語学習に特化した学童
  • 夕食付き・送迎付きの学童
  • フィットネスクラブと連携した運動プログラムが充実した学童
  • さまざまな習い事を兼ね備えた学童

など

このように、サービス内容は学童ごとに異なります。鉄道会社が運営する学童は駅近くの好立地にあって利便性が良いなど、運営する企業独自の強みを生かした施設が増えています。

民間学童と公設学童のメリット・デメリットをまとめてみました。

メリットデメリット
民間学童・さまざまなサービスが充実している
・スポットの利用も可能
・学童にいながら習い事ができる
・夕食付きなど、長く預かってもらえる
・公設に比べて料金が高い
・人気の学童は入りにくい
公設学童・低料金で利用できる
・放課後、学校の校庭や体育館などを利用できる
・同じ小学校の友達同士で遊ぶことができる
・民間に比べ預かり時間が短い
・保護者会など運営に協力が必要な場合がある

民間学童は各学童によってカリキュラムや料金体系もさまざまです。
一方、公設の中でも地区による特色を出した施設もあります。さらに校区外も受け入れ可能な学童や、学校へお迎えサービスがあるところも。
これから学童を利用したいと検討する際には、まずはお住まいの地区の中で通える学童を事前にチェックしておくことをおススメします。

利用条件や料金の違いは?

学童保育に預けたくても定員がいっぱいで預けることができない、いわゆる「待機児童」が発生している地域もあります。

学童保育に預けたくても定員がいっぱいで預けることができない、いわゆる「待機児童」が発生している地域もあります。
学童の利用条件は、公設と民間で大きく異なります。
公設学童は、保育園と同様に自治体が管理しているところが多く、利用条件もお住まいの地区ごとに異なります。
民間学童は、直接施設に申込をします。夫婦共働きの就労を条件としない施設も増えており、週2日の利用なども可能です。

料金設定も公設学童か民間学童かにより差があります。
厚生労働省のデータによると、学童のうち約50%が月額の利用額は4,000~8,000円です。(※2)
一方、手厚いサービスを行う民間学童では、月額数万円かかる場合も多く、学童ごとに料金体系も異なります。

最後に

近年、共働き世帯の増加や核家族化に伴い学童保育の需要が高まってきています。
学童保育の設置数は全国的にも増えているため、お住まいの自治体のHPなどもチェックしてみてください。
保護者の働き方やお子さまの生活スタイルにあった学童を選択することで、放課後時間を快適に、日々の生活を充実させることができるはずですよ。

文:中村美帆

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中村美帆(なかむら みほ)

中村美帆(なかむら みほ)
出産を機に金融機関を退職後、ママファイナンシャルプランナーとして独立する傍ら、カラダとココロの健康をテーマにヨガ講師・おやつ講師として活動。地産地消にこだわった親子おやつ教室や児童施設でのキッズヨガ教室など子育て支援にも携わる。
また、地元のお茶農家と連携したお茶ブランドTEA BASE「三重県産デカフェ茶」の企画販売を手掛け、地域で地元経済を応援する仕組み作りを目指して、多方面にて三重の魅力を発信中。三重県出身。三児の母。
URL:  https://teabase.stores.jp/
Instagram : @mihocoto

参考
※1 放課後児童健全育成事業について|厚生労働省
※2 【参考資料2】放課後児童クラブ関連資料

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