ここ数年、SNSやメディアで目にすることも多いヘアドネーション。「身近な人が髪の毛を寄付した」という方もいるのではないでしょうか。
ヘアドネーションに興味はあっても、やり方が分からないなどの理由で寄付できていない人もいるでしょう。寄付できる髪の毛には、条件があります。
ここでは、ヘアドネーションとは何か、寄付できる髪の毛の条件や美容室の選び方、髪の毛の送り方などをご紹介します。
ヘアドネーションとは
ヘアドネーションとは、髪の毛の寄付のこと。主に子ども用のウィッグに使用するための髪の毛を寄付します。
伸ばした自分の髪の毛が、ウィッグを必要とする子の医療用ウィッグに使われるのです。
ただし、寄付できる髪の毛には、いくつかの条件があります。
髪の毛が条件を満たしていれば、ヘアドネーションを受け付けている団体へ寄付します。
その後、寄付先の団体がウィッグを制作し、病気や事故をはじめ、さまざまな事情でウィッグを必要とする子たちに贈られます。
ヘアドネーションの条件とやり方
ヘアドネーションを受け付けている団体は日本国内にいくつかあり、寄付の基本的な手順は変わりありません。ただし寄付できる髪の基準は、団体ごとに異なります。
ヘアドネーションに寄付できるのは、髪の毛の長さや状態の基準を満たしたもののみです。
基準を満たしていれば、自分もしくは美容室で決められた方法で髪の毛をカットし、郵送します。
髪の毛を寄付する際の主な注意点は、以下の7つです。
- 髪の長さが31センチ以上
- 傷んだ髪はNG、カラーはさまざま
- カットは美容院でも自分でもOK
- 髪の毛が乾いた状態で切る
- ゴムで小さくしっかり束ねる
- 髪の毛をティッシュなどで包まない
- カット代は無料ではない
ヘアドネーションに使える髪の毛の条件には、以下があげられます。
髪の毛の長さ
長さは31センチ以上になるようにしましょう。
31センチ未満の髪の毛を受け付けている団体はありません。(2022年6月現在)
一方、髪の長さの上限は、団体ごとに異なります。35センチまでの長さとする団体もあれば、長さの上限に決まりがない団体もあります。
髪質・髪色
髪の毛を引っ張ると切れてしまうほどダメージのある髪質は、受け付けてもらえません。
天然パーマやパーマがNGの団体もあります。髪色については、ブリーチや明るくカラーリングした髪はNGの団体もあります。
詳しくは、各団体のホームページで確認できます。
ヘアドネーションの手順
自分の髪の毛が基準を満たしているか確認し、基準を満たしていた場合は、どれくらい切るか決めましょう。
その上で、以下の手順で進めていきます。
カットは美容院でも自分でもOK
ヘアドネーションに寄付する髪の毛は、美容室でカットしてもらうことも自分で切ることもできます。
どの美容室でも受けてもらえるわけではありませんので、事前に確認しておきましょう。
ヘアドネーションの団体のホームページでは、活動に賛同する美容室が検索できます。これらの美容室であれば、依頼もスムーズです。
普段通っている美容室が賛同先でない場合でも、依頼すれば対応してもらえる場合もあります。どちらの場合も、予約時にヘアドネーション希望の旨を伝え、対応可能か確認しておくと安心です。
髪の毛が乾いた状態で切る
ヘアドネーションの場合には、乾いた状態で切った髪でなければ送れません。髪が濡れていると、カビなどの原因になる恐れがあるそうです。
通常のカットは、髪の毛を濡らした状態で切ることが多いですが、カット前に洗ったら、よく乾かしてから切りましょう。
ゴムで小さくいくつかに束ねて切る
髪の毛を切る際、長さにあわせていくつかの束になるよう髪をゴムで束ねます。
束が大きすぎると束ねた時にほどけやすいので、小さくいくつかの束に分けましょう。古かったり大きすぎたりするゴムは、ほどけやすいので注意が必要です。
梱包・郵送
切って束にした髪の毛は、さらに1つに束ねて梱包、郵送します。
ゴムでしっかり束ねて、封筒などには髪の毛をそのまま入れて大丈夫。ティッシュやラップで包む必要はありません。
美容院でカットした場合でも、髪の毛を持ち帰り、自分で郵送するのがルールです。
寄付したい団体の送付先住所をホームページなどで確認し、直接郵送しましょう。レターパックなどでの郵送が推奨されています。
カット代は無料ではない
ヘアドネーションをおこなうために、美容院でカットする場合は、通常通りのカット代がかかります。ヘアドネーションといえど、カット代が無料になるわけではありません。
さらに、髪の毛の郵送費は自己負担です。
最後に
髪の毛を寄付するヘアドネーションは、病気やケガなどでウィッグを必要とする子どもたちへの社会貢献として注目されています。
必要とする子どもたちにスムーズにウィッグを届けるためにも、条件に合った髪の毛を寄付することが大切です。
髪の毛の長さや髪質はもちろんのこと、切り方や送り方などの条件を守り、使える状態の髪の毛を送るようにしましょう。
文:COE LOG編集部
※参考
Japan Hair Donation & Charity(ジャーダック,JHD&C)|ヘアドネーションを通じた社会貢献活動
Hair Donation(ヘアドネーション)|ヘアドネーションならNPO法人HERO
つな髪®|髪の寄付(ヘアドネーション)で医療用ウィッグを無償提供