おこづかいの相場を調査!平均と渡し方・トラブル対策を解説

おこづかいの相場を調査!平均と渡し方・トラブル対策を解説

子どものおこづかいの金額や渡し方は家庭の方針によってさまざま。金銭感覚や計画的にお金を使う能力を身に着けさせるためにも、どのように渡すのかは気になるところではないでしょうか。今回は、COE LOG編集部でおこづかい事情についてのアンケートを実施(※)。結果とともに、小学生・中学生・高校生の平均額や渡し方について、金融教育の観点も踏まえながら解説します。

おこづかいは必要?渡すべき?

お金は、生きていく上で必要不可欠なもの。お金を管理する力は、子どものうちから身に付けておきたいものです。

お金は、生きていく上で必要不可欠なもの。お金を管理する力は、子どものうちから身に付けておきたいものです。子どもの頃からの習慣やクセは大人になってからも続きます。金銭感覚やお金への知識・理解を深めるためにも、おこづかいはとても効果的です。

使い道や金額を子どもと一緒に相談しながら、おこづかいを渡していけるとよいですね。

おこづかいはいつから渡す?

小学生くらいになると、自分から「おこづかいが欲しい!」と言うお子さんもいるかもしれません。いつからおこづかいを渡すかの目安としては、お金に興味を持ち始めたタイミングがおススメです。

モノの値段を気にし始めた時や、お金にまつわる話題が親子間で出た時が、子どもがお金に興味を持ち始めたサインです。
小学校低学年のうちはおこづかいをもらっても上手に使えないかもしれません。お金への理解や興味を持ち始めるタイミングも子どもによってさまざまです。

モノを買う、自分でお金を払うといった経済活動を経験することで、少しずつお金に対する理解や意識が芽生えてくるでしょう。
親がお金について「あなたはどう思う?」と問いかけるなど、お金について考える機会を作ってあげられるとよいですね。

おこづかいの相場は?みんなの声

子どものおこづかいに関して、親として最も気になるのは、「いくらあげるべきか」ではないでしょうか。

子どものおこづかいに関して、親として最も気になるのは、「いくらあげるべきか」ではないでしょうか。
COE LOG編集部が実施した子どものおこづかいに関するアンケート調査(※)によると、子どもの学年ごとのおこづかいの金額は下記の通りです。

小学生のおこづかい(月額)

小学生でも、おこづかいを渡している家庭が多いようです。
おこづかいを渡していないのは、低学年で7%、高学年では3%と少数です。
最も多いのは、低学年500円以下、高学年1000円以下と数百円の家庭が多い結果となりました。

低学年のおこづかい

  • 渡していない…7%
  • 1~500円…40%
  • 501円~1000円…26%
  • 1001円~1500円…15%
  • 1501円~2000円…7%
  • 2001円~3000円…5%

高学年のおこづかい

  • 渡していない…3%
  • 1~1000円…33%
  • 1001円~1500円…20%
  • 1501円~2000円…19%
  • 2001円~3000円…19%
  • 3001円~4000円…4%
  • 4001円~5000円…2%

中学生のおこづかい(月額)

中学生になると、おこづかいを渡していない家庭は1%とごくわずかです。
2000円台を渡している家庭が多いようです。

中学生のおこづかい

  • 渡していない…1%
  • 1~1000円…3%
  • 1001円~2000円…17%
  • 2001円~3000円…37%
  • 3001円~4000円…20%
  • 4001円~5000円…10%
  • 5001円~7000円…9%
  • 7001円~10000円…3%

高校生のおこづかい(月額)

高校生になると、1ヶ月のおこづかいの額も増えるようです。
最も多いのが4000円台と、中学生よりも2倍以上という結果となりました。

高校生のおこづかい

  • 渡していない…3%
  • 2001円~3000円…9%
  • 3001円~4000円…13%
  • 4001円~5000円…32%
  • 5001円~7000円…22%
  • 7001円~10000円…17%
  • 10001円以上…4%

年齢が上がるにつれ、友達同士や自分ひとりで買い物をする機会も増えます。
親としては子どもの成長に合わせておこづかいの金額を上げていくようにし、自己管理する範囲を少しずつ広げてあげるとよいでしょう。
おこづかいの額を決める際には、おこづかいで買う範囲も併せて子どもと決めておくことが大切です。

例えば、

  • 友達へのプレゼント
  • 好きな漫画や雑誌(それ以外の本は親が出す)
  • お菓子やジュース(夕方以降、塾などの習い事の合間に買うおやつやは親が出す、等)
  • 趣味で集めている文房具やカードゲーム(学校に必要なものは親が出す)
  • おもちゃやゲーム

など、子どもがおこづかいの範囲内でやりくりする費目を明確にすると、子どももお金を管理しやすくなります。

おこづかいは定額制?報酬制?

おこづかいをどのように渡すのかも、家庭によって方法が異なります。

おこづかいをどのように渡すのかも、家庭によって方法が異なります。ここでは3つの渡し方について、ご紹介します。

定額制

おこづかいを毎月決まった金額で渡すのが定額制です。
決められた金額の範囲内でやりくりするので、計画性が身に付きます。
一方、うまく管理できずに、すぐに使い切ってしまうこともあるかもしれません。

子どもにとっておこづかいをひと月単位でやりくりするのは難しいもの。もし、上手くやりくりできていない場合には、1週間ごとにおこづかいを小分けにして渡すようにしてみましょう。管理する期間を短くし、慣れてきたら徐々に期間を長くします。10日ごと・15日ごとというように、子どものペースに合わせて工夫できるとよいですね。

報酬制

お手伝いをしたらその都度渡す、頑張ったご褒美におこづかいを渡すといった「報酬制」でおこづかいを渡す家庭も多いようです。
「報酬制」は、洗濯たたみは20円、お風呂洗いは50円など、家事を手伝ったら1回○円と、家庭内でルールを決める方法。労働の対価としてお金をもらう感覚を養えます。
さらに、家庭内で自分の仕事をもつことで、進んでお手伝いをするようになり、家族の一員として役に立っているという自信がつくという子もいます。

報酬制は、あくまで子どもが自ら積極的に行った場合を報酬の対象とするのがおすすめです。お手伝いを押しつけたり強要したりすることのないように気を付けましょう。

必要なときだけ渡す

とくに決まったルールを設けず、必要なときだけ必要な分を渡すという方法もあります。
ただ、欲しがるままに渡してしまうと「お金はいつでももらえるもの」と思ってしまいます。どんなものに使うのか、使ったあとに報告するようにする、使うものを事前に知らせるなどの工夫も必要です。
少しずつ子どもがお金を使う感覚に慣れてきたら、定額制や報酬制に移行していけるとよいですね。

おこづかい、どう管理する?

おこづかいを通して、上手なやりくりや正しい金銭感覚を身に付けるために、お金の管理はとても大切です。
子どもがおこづかいを管理するためのポイントは、

  • お金の大切さを意識づける
  • おこづかい帳で管理する

の2点です。

お金の大切さを意識づける

おこづかいを渡し始めた頃は、子どももまだお金に対する知識も理解も浅いです。
まずは「お金はとても大事なもの」と子どもにしっかりと伝える必要があります。
もらったおこづかいをむやみに持ち歩いたり、机の上などに出しっぱなしにしたりしないこともその一つです。

家庭内でも、親の財布を勝手に触らせない、現金やクレジットカードなどをおもちゃ代わりにしないなど管理を徹底しておきましょう。お金に対する意識づけは、おこづかいを渡す前の低年齢のうちからでも身に付けておくことをおすすめします。

おこづかい帳で管理する

おこづかいを渡し始めたら、子どもと一緒におこづかい帳をつけてみましょう。自分が何にどれだけ使ったかが明確になります。
また、毎月のおこづかいの範囲内で買えないものは「貯金」する習慣を教えてあげましょう。
買いたいものの金額を調べ、そのために毎月少しずつお金を貯めて買います。

おこづかいをもらったばかりの時は意識していても、時間が経つと忘れて使ってしまう可能性もあります。おこづかい帳をつけることで、今使える分と貯金しておく分が子どもにも分かりやすくなります。
おこづかい帳をつけながら貯金をすれば、計画性も身に付きますし、目標に向かって貯めることで、目先の無駄遣いを減らせるでしょう。
ルールを守り、おこづかいを使う習慣づけは、大人になってからのお金のやりくりにも役立ちます。

おこづかいを巡るトラブル対策

おこづかいを渡し始めて気になるのが、お金にまつわるトラブルです。

おこづかいを渡し始めて気になるのが、お金にまつわるトラブルです。
友達同士での貸し借りや、勝手に親の財布からお金を持ち出すなど、原因はいずれも「お金の価値」をきちんと理解していないことにあります。

もらったおこづかいを友達に見せることで「○○くんは、たくさんお金を持っている」など、子ども同士でウワサになってしまうことも。お金に関するトラブルが起きないように、下記のようなルールを子どもと約束しておきましょう。

  • 友達との貸し借りは絶対にしない
  • おこづかいを友達に渡したり、教えたりしない
  • 千円のおこづかいはお札ではなく、全て100円玉にして少額ずつ持たせるようにする
  • むやみにおこづかいを持ち歩かないようにする

また最近ではスマホやオンラインゲームでの課金にまつわるトラブルなども出てきています。スマホや家庭用ゲーム機では、子どもが勝手に課金できないよう制限をかける、ルールを明確に決めるなど、事前に対策をとりましょう。

最後に

おこづかいやお金に関する考え方は、家庭によってさまざまですが、金融教育の第一歩として、おこづかいをどう扱っていくかはとても有効です。

おこづかいやお金に関する考え方は、家庭によってさまざまですが、金融教育の第一歩として、おこづかいをどう扱っていくかはとても有効です。
親である私たちも一緒に学び直す気持ちで、身近なおこづかいを通して、家庭で金銭感覚やお金に対する理解を深めていけるとよいですね。

文:中村美帆

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出産を機に金融機関を退職後、ママファイナンシャルプランナーとして独立する傍ら、カラダとココロの健康をテーマにヨガ講師・おやつ講師として活動。地産地消にこだわった親子おやつ教室や児童施設でのキッズヨガ教室など子育て支援にも携わる。
また、地元のお茶農家と連携したお茶ブランドTEA BASE「三重県産デカフェ茶」の企画販売を手掛け、地域で地元経済を応援する仕組み作りを目指して、多方面にて三重の魅力を発信中。三重県出身。二児の母。
URL:  https://teabase.stores.jp/
Instagram : @mihocoto

参考
※ COE LOG編集部アンケート 調査概要
・対象:6歳~18歳のお子様の保護者
・有効回答数:100件
・調査期間:2022年4月25日~4月27日

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