お食い初めは、生後100日ごろに行うお祝いごと。初めてのお食い初めは、やり方がわからず戸惑うことも多いのではないでしょうか。いつやるのか、誰を呼ぶのか、料理は何を用意するのか…今回は、そんなお食い初めに関する疑問を解決すべく、先輩ママへアンケート調査(※)を実施しましたのでご紹介します。
お食い初めとは?
お食い初めは、「百日(ももか)祝い」「100日祝い」「歯固め」「食べ初め」など、さまざまな名称で呼ばれています。生まれてきた赤ちゃんが「一生食べ物に困ることなく、健やかに成長するように」という願いを込めておこなわれます。
お食い初めのやり方は、地域や家庭によってさまざま。必ずこの日、このやり方ということはありません。家族の予定、赤ちゃんの体調などを考えて、もっとも良い流れで進めていきましょう。
お食い初めのやり方
一般的にお食い初めは、パパママや祖父母が赤ちゃんにお祝い膳を食べる真似をさせる行事。「長生きするように」と年長者が赤ちゃんの口に食事を運びます。
赤ちゃんは、実際にはまだ食べられないので、それぞれの料理を食べさせる真似だけです。
一般的なお祝い膳のメニューは、
- お赤飯
- 鯛の塩焼き
- 煮物
- 汁物
- 香の物
です。これに歯固めの石を用意します。
歯固めの石は、箸先を石にふれ、赤ちゃんの歯茎にやさしくあてます。石のように丈夫な歯が生えてくるようにという願いが込められています。石ではなく、タコやアワビを使う地域もあるようです。
一般的には、このようなしきたりではあるものの地域差もあります。また最近では、料理の準備も人それぞれ。手料理で楽しく行う方もいれば、ホテルなどのお食い初めプランを使う方、写真スタジオで写真を撮る方など、さまざまです。
お祝い膳の食器についても、「漆器を母方の実家が贈る」という風習があります。しかし最近ではそれにこだわらず、長く使えるベビー食器や自宅にある陶器の食器などで代用することも多いようです。
次章からは、お食い初めをした時期、やり方など、先輩ママのお食い初め体験談をご紹介します。
お食い初めは、いつお祝いした?
一般的に、お食い初めは生後100日ごろに行われます。ただ生まれ月によっては、他の行事と重なったり、気候がよくなかったりして時期をずらすことも珍しくありません。
今回のアンケートでは、約2割の方は生後100日を過ぎてから実施したと回答。コロナ禍では、祖父母や親せきが集まれるタイミングを見計らって行ったという方もいるようです。
生後100日前後は、月齢3ヶ月ごろ。まだまだママの体調もすぐれない時期です。お食い初めのことまで考えられず、大変だったという意見もありました。
- 祖父母が、生まれて1か月頃からお食い初めをしたいと言ってきたので、正直それどころでなくて困った
- お食い初めの頃は、授乳だけで精一杯の時期だったので、なかなか大変でした
- そもそもお食い初めとはなんぞや、を知らなかった。母親に言われて急いで準備した
誰を呼んでお祝いした?
お食い初めには、赤ちゃんの祖父母を呼んでお祝いすることが多いようです。今回の調査では、6割超が「祖父母と親子で実施した」と回答。「祖父母だけでなく親せきも参加した」とも回答も12%ありました。
また、「親子だけで実施した」と回答した24%の中には、コロナ禍でしかたなく親子だけで実施したとの声も。コロナ禍でなければ祖父母や親せきと一緒にお祝いする方はさらに多いと考えられます。
お食い初めは、祖父母や親せきに、赤ちゃんをお披露目する機会ととらえている方が多いようです。
ただ、祖父母を呼ぶとなると、気を遣うのも事実です。特に義父母を呼ぶ場合、実父母との調整など苦労することもあるでしょう。
意見が合わなかったり、両家の調整をしたり、義父母にお伺いを立てたりと、大変だったという声が多数ありました。
- 祖父母と買い物に行ったとき、色々意見が食い違って非常に時間がかかった
- 祖父母世代は「古き良き」を気にすると思い、あれこれ調べて準備するのが大変だった
- 両家が揃っていたので、どちらもなるべく正式にした方が良いだろうと堅くなってしまい、役割分担を決めるのに苦労した
- 義母は行事ごとが大好きなので、ほとんど自分で決めてしまって、言われた通りにするのが大変だった
- 祖母が準備を全てしてくれて助かった
一方、親子だけでお祝いした方からは「祖父母も自宅に呼んでやればよかった」という後悔の声もありました。
自宅?お店?どこでお祝いする?
お食い初めは、自宅や祖父母の家でお祝いすることも、ホテルやお店でお祝いすることもできます。
自分の家でお祝いすれば、泣いて騒いだり、寝てしまったりしても周りを気にせず過ごせますよね。今回のアンケートでも自宅派が多いようです。
「自宅でお祝いした」という回答は54%と半数超。「祖父母の家でお祝いした」の24%と合わせると、約8割が家で実施したことが分かります。
アンケートには「夫婦や祖父母と意見が合わずに困った」との意見もあり、早めに話し合っておくと安心ですね。
料理は手料理?宅配?食器は?
家でお祝いする場合に最も気がかりなのは、料理の準備ではないでしょうか。
最近では、お食い初め用のお膳を用意してくれる仕出しやケータリングもあり、選択肢が豊富です。
今回のアンケートでは、自宅派が74%、外食派は24%でした。
自宅派のうち、自分で料理をしたのは20%、家族や親族が料理を作ってくれたのは24%、オードブルやお惣菜を使ったのが20%、ケータリング(宅配)は10%と、手料理派が多いようです。
ただお祝い用の食器は、自分で用意する方が多いよう。お祝い用の食器を用意したとの回答は42%、普段の食器との回答が22%でした。
アンケートでは、「お祝い用の食器は用意し、料理は家族や自分の手作り」という回答が多いことがわかります。
ただ料理の決め手は祖父母の意見だったり、自分で作ってみた結果だったりと、苦労の様子が伺えます。
- 私はケータリングが良いのに、義母が手作りの料理を作ると言って揉めた
- オードブルを頼むつもりでしたが、実母から作ると急遽言われて慌ててキャンセルした
- 完全に自己流で何となくやったので、どんなメニューを揃えるか分からず悩んだ
- 鯛を1匹用意するのに近くのスーパーに在庫がなく、何店か探した
- 自炊を考えていたが、前もって練習したときになかなかうまくいかなくて結局仕出し屋に依頼した
- 食事の用意にはどこの店を使うのか、義母と義父とで意見が分かれてやや揉めた
- ケータリングしたお膳が想定よりも豪華で、家族全員分のお膳が自宅のテーブルに載りきらずちょっと困った
また、料理や食器選びでは、このような後悔の声もみられました。
- 食器のサイズを考えた食材選びをすればよかった。鯛が大きすぎて食器に収まらなかった
- もう少し奮発して食器を購入しても良かった
- 御膳セットを頼めば良かった
- 簡単な料理にしたため、ちゃんとしたお膳でやりたかった
- きちんとしたお祝い膳を頼めばよかった。自分で作ったので見た目がイマイチだった
自分で手料理を用意した方の中には、食器や料理をお祝い膳にすればよかったという声も見られます。写真に残すことを考えると、写真で見栄えする料理や食器を選ぶとよさそうです。
お祝い膳、誰が食べさせる?
一般的にお祝い膳を赤ちゃんに食べさせるのは、その場の年長者とされています。
ただ慣習によらず、大人みんなで食べさせたり、赤ちゃんに慣れている父母が食べさせたりと、柔軟に対応している方も多いようです。
「食べさせる真似をして赤ちゃんが泣いてしまった」という声もありました。
赤ちゃんが祖父母に慣れていないと、抱っこするのも難しいこともあるでしょう。事前に役割を決めていても、思い通りに進まないかもしれません。
その場の状況に応じて、柔軟に対応するのがよさそうです。
服装は和装にすべき?
お祝いごとだけに、親としては赤ちゃんにはお祝い着を着せてあげたいものです。ただ、汚したり泣いたりすることを考えると悩みますよね。
今回のアンケートでは、「普段着でお祝いした」との回答が半数でした。和装やドレスなど何かしらのお祝い着を用意した方は約4割です。
普段着でお祝いした方は、お祝い着を着せてあげればよかったという後悔の声も。後から写真を見て、和装を着せてあげればよかったという声もあります。
- せっかくの記念日で普段着ではなく、もっと可愛い服を着せればよかったと、後日写真を見ながら思った
- もっとおしゃれな洋服を着せたり、自宅だったので、フォトスポットを充実させたりしたらよかった
- 普段よりもちょっと綺麗な服を着せた程度でしたので、羽織るタイプのものでも和装を用意すれば良かった
- レンタルでも構わないから和装をさせてあげればよかった。
最近では、手ごろな値段のドレスやタキシード風のロンパースもあります。記念に少しおめかしできる服装を用意すると、よい記念になるかもしれませんね。
食事以外の定番は、写真撮影
最近は、お食い初めの機会に写真スタジオで写真を撮る方も珍しくありません。今回のアンケートでは、食事と写真撮影をした方が多いことが分かります。
せっかく家族が集まる機会、家族写真や動画を残しておくと記念に残るでしょう。
写真や動画で記念に残す
写真を撮らなかった方や、上手に撮れなかった方の中には、「写真や動画をもっととっておくべきだった」「プロに頼むべきだった」との声もあるようです。
- 静止画だけでなく、動画にも残しておけばよかった。後日多くの親戚に見せたかった
- 両家の両親との集合写真を撮っておけば良かった
- プロに写真を撮ってもらえばよかった
- 家族三人揃っての写真を撮っておくべきだった
- 食べさせるふりの動画を撮り忘れたので、2人目の時はずっとビデオを回したい
- その場に居た大人皆がそれぞれスマホを持って写真を撮っていたのでどの写真を見ても誰かカメラを握った姿が映っていて残念だった
- 赤ちゃんが泣いている写真しか撮れなかった
記念に手形やお参りも
写真撮影以外には、「手形や足形をとればよかった」「神社へお参りすればよかった」という意見もありました。
生まれたときに、手形や足形を取る産院も多いのではないでしょうか。お食い初めの頃や、ハーフバースデー、1歳の誕生日とお祝いのたびにとっておくと、成長の記録になります。
写真や動画と併せて、残してみてはいかがでしょうか。
後悔しないお食い初めのために
今回のアンケートでは、「赤ちゃんがぐずってしまったり、寝てしまったりして大変だった」「もっと余裕のあるスケジュールにすればよかった」という声も多く見られました。
よい写真を残すためにも、時間に余裕を持って、赤ちゃんの機嫌がいい時間帯にお祝いの席を設けるのがよさそうですね。
簡単に済ませてしまった方の意見として、「もっときちんと料理を準備すればよかった」、「和装やドレスなどを着せてあげればよかった」「祖父母も呼び、みんなでお祝いすればよかった」などの声もいくつかありました。
生後3ヶ月ごろは、ママもまだまだ寝不足で大変な時期。パパや祖父母に協力してもらい、記念に残るお祝いにしてくださいね。
※調査概要
・対象:お食い初めを経験したことのある6歳以下の子を持つパパママ
・有効回答数:50件
・調査期間:2021年10月25日~10月28日
文:COE LOG編集部
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