忘れ物が多いクセは大人になってからも困りますし、早めに直しておきたいですよね。そうは言っても、繰り返し言い聞かせても、なかなか直らないのが難しいところ。前日の準備は子どもに任せる、親子でおこなうなど、方針は家庭によってそれぞれ。今回は親子で取り組む、今すぐできる忘れ物防止の対策と、ついやってしまいがちな親のNG行動をまとめました。
忘れ物が多くなる習慣とは
忘れ物が多いと授業で困ったり、クラスメイトに迷惑をかけてしまったり、時には恥ずかしい思いをすることがありますよね。先生から注意を受けることもあるかもしれません。ですが、子どもは厳しく責められすぎると、「自分はダメなんだ・・・」と自信をなくしてしまうかも。いくら子どもが「もう忘れ物をしない!」と1人で頑張っても、日頃の習慣や環境によって忘れ物が直らないこともあります。ここでは、家族で見直したい「忘れ物が多くなる生活習慣や環境」、「忘れ物が多い時の、親のNG行動」をご紹介します。
忘れ物が多くなる生活習慣や環境とは?
- 帰宅後、ランドセルを投げ出したまま中身を出さない
- 当日の朝に、教科書や用具など持ち物の準備をおこなっている
- いつも朝寝坊で、持ち物を確認する余裕がない
- 子ども部屋が散らかっている。勉強机や引き出しの中がゴチャゴチャ
- リビングも玄関もモノだらけ。子どもの持ち物の定位置が決まっていない
当てはまるものがないかチェックしてみてください。
忘れ物が多い時の、親のNG行動
子どもの忘れ物が多い時に、以下のことをやっていないでしょうか?
- 「自分が困れば、勝手に気づいて直るはず」と放置する
- 「性格のせいだから」と諦める
- 忘れた時に、毎回学校まで届ける
- 忘れないように、全部準備してあげる
忘れ物が多い場合、放任も、過干渉もNGです。忘れ物は、性格的、能力的、環境的な理由によるもの。これらはいずれも、生まれ持ったものと、後天的な生育環境によってつくられます。親の適切なサポートによって変えることができるため、親子で一緒に取り組んでいきましょう。
子どもの忘れ物を減らすポイント
まずは基本編として、4つのポイントをおさえましょう。
1)持ち物の準備は前日におこなう
子どもが学校から帰ったらすぐランドセルの中身を出して、ママと子どもで学校からの連絡帳と時間割をチェック。翌日の持ち物の準備をします。
当日では用意がしにくいイレギュラーなもの、たとえば「30センチの物差し」と書かれていても、前もってなら準備がしやすいはず。また、家でも学校でも使うもの、たとえば「なわとび」などは所在がわからなくなりがちです。朝になって、どこだっけ?と大捜索するのは大きなタイムロスに。 ただでさえ忙しい朝の時間帯にすべての持ち物を揃えるのは難しいので、準備は前日におこなうのが賢いやり方です。
ノートや 消しゴムなどの消耗品は、家に予備があれば切らしたときに急いで買いに行かなくてもよいから安心です。
2)子どもと一緒に準備をし、出かける前に点検を
小学校低学年くらいでは、子どもだけで持ち物の準備をするのは難しいもの。子どもが1人でできるようになるまでは、「明日の準備をしようね」とママも一緒に手伝うのがいいでしょう。子ども1人で準備をする習慣が身についてきたら、ママは見守るだけに変えていきます。いつも忙しい朝を送っている家庭は、今よりも少しだけ朝起きる時間を早くしてみて。朝に余裕が生まれるように起床時間を変えて、家を出る前に持ち物を点検できるとよいですね。
3)「なぜ、忘れ物をしたのか?」の理由を振り返ってみる
子どもの忘れ物パターンを把握しておくと、忘れ物を減らす対策が立てやすくなります。
- ママに学校からのプリントを見せるのを忘れていた
- 勉強机や引き出しがぐちゃぐちゃで、どこに何があるか分からない
- 体操服などの収納場所がいつもバラバラで、探すのに時間がかかる
- 絵の具セットや習字セットなど、ランドセルと別で持つ荷物を忘れていた
- 靴を履く時に玄関に荷物を置いて、慌てていたので持っていくのを忘れた
上記は、子どもが忘れ物をしてしまう理由の一例です。あてはまるものはありましたか?
4)忘れ物が多くなる環境になってない?
子どもの部屋、勉強机は散らかっていないですか?何がどこに置いてあるかが分からないと、大人でも忘れ物をしてしまいがち。まずは部屋や勉強机を片付けることから始めましょう。整理整頓の方法は、次項で具体的にご紹介します。
忘れ物防止策!具体的な方法は?
対策1)「プリント用ファイル」をつくる
プリントがランドセルの中でぐちゃぐちゃになっていた…というのを目にしたママもいるのでは?「プリント用ファイル」をランドセルに入れて、学校からのプリントはファイルにしまうよう子どもに習慣づけを。プリント用ファイルを活用すれば、プリントが折れる心配も少なく、ママが読み忘れることも防げます。
対策2)ボックスやファイルケースで、教科ごとに教科書や書類をまとめる
100均のボックスやファイルケースを使って、科目ごとに教科書類をまとめておくと、必要な時に取り出しやすくなります。コツは、教科書や書類などをデスクの上に積まないこと。背表紙が分かるように収納しておくと、分かりやすいですね。
対策3)持ち物の置き場所を決めておく
子ども部屋、リビングや玄関先などでも、モノの置き場所を決めておきます。たとえば鉛筆、消しゴム、ハサミなどの筆記具は勉強机の1番上の引き出しに、ハーモニカは右の棚に。所定の位置にモノが置いてあれば、探すのに時間がかかりませんよね。準備をしやすくすることが、忘れ物防止に繋がりますよ。
また、高い位置にモノを置いてしまうと、子どもの目に留まりにくくなります。子どもの目線よりも、下にモノを置くようにしましょう。
対策4)持ち物のチェックリストをまとめる
毎日の準備がしやすくなるように、曜日ごとの持ち物のチェックリストを作成します。大きな用紙やホワイトボードに書いて、目のつくところに置きましょう。外に出るタイミングで必ず目にする「玄関のドア」にチェックリストを掛けたり、貼ったりしておくとよいかも。出かける前に指さし確認をしながら、忘れ物がないかを点検します。
最後に
忘れ物が多い時には必ず原因があるもの。子どもの忘れ物を「いつか直るはず」と放置したり、「うっかり屋だから仕方ない」と性格のせいにしたり…。忘れ物の防止策を何もせずにいると、いつまでたってもクセが抜けず、社会人になっても 忘れ物を繰り返す場合も。どうしたら子どもの忘れ物が減らせるかという目線で、生活習慣の見直しや環境づくりを考えてあげましょう。
文:林日向子