子どもの自己肯定感を高める!ぐんぐん伸ばす褒め方・叱り方

子どもの自己肯定感を高める!ぐんぐん伸ばす褒め方・叱り方

子どもの自己肯定感が大切・・・なんとなく知っていても、どうしたらよい?というママ・パパも多いのではないでしょうか。自己肯定感とは「自分のことを好き」と思える感情。たとえば「褒めて育てた方がよい」と聞いても、自分自身があまり褒められる経験をしてこなかった場合、イメージがわかないもしれません。また、褒められた経験があったとしても、同じ方法が子どもにとってよいかも分からないですよね。今回は、子どもの自己肯定感を高める、褒め方・叱り方のコツについて、メンタルコーチのえつこさんにお話を聞きました。

えつこさん

メンタルコーチ:えつこさん

すべての子どもが素晴らしい能力を持っています。
ママの接し方次第で、そのチカラを引き出してあげることができますよ。

なぜ子どもの自己肯定感が大切?

自己肯定感は、自分のことを肯定できる感覚。ありのままの自分のことを受け入れて、認められる感情。

子どもの自己肯定感が大切と言われますが、そもそも自己肯定感とは何でしょうか。
自己肯定感とは、自分のことを肯定できる感覚。ありのままの自分のことを受け入れて、認められる感情。これは、子どもにとってはもちろんのこと、大人にとっても必要な感覚です。
たとえば、何か失敗をしてしまったとき。
自己肯定感が低いと「自分はダメな人間だ」と考えて、物事をあきらめてしまいがちです。また、情緒不安定、無気力にもなりかねません。
自己肯定感が高ければ「次に同じ失敗をしないためにどうしたらよいか」と、自分自身を否定しないで、前に進むことができます。
自己肯定感の高い子どもの方が 良い人間関係をつくることができ、勉強でも運動でも、大人になってからもさまざまな面でプラスに働くといえるでしょう。
これは、「ポジティブ・ネガティブ」「プラス思考・マイナス思考」だけの話ではありません。良い面も悪い面も、両方をしっかり受け止め、認められることが自己肯定感になります。

自己肯定感を高める褒め方のコツ

子どもの自己肯定感を高めるために、ママ・パパがおこなうべき最も大切なことは「相手を一人の人間として尊重すること」。紳士・淑女を相手しているように対応することです。
実はこれ、簡単なようで意外と難しく、無意識に子どもを自分の思い通りに動かす声がけをしているかもしれません。

やりがちなNG:親の期待に応えた時だけ褒める

たとえば、テストで100点をとったら褒めて、90点では褒めない。サッカーでゴール決めたら褒めて、決められなかったときは褒めない。など。
ひょっとしたらテストで、いつも50点位だったのが努力して90点にあがっているかもしれません。サッカーでゴールが決められなくても、試合中によいパスを出してチームに貢献しているかもしれません。
ここでは、ママ・パパの期待していることだけを褒めるのではなく、子どもが「認めてほしいところ」を見つけて褒めてあげましょう。
子どもが「認めてほしいところ」がどこかは、しっかり観察をして見極めます。

やりがちなNG:才能や結果だけを褒める

ただむやみやたらに褒めるのはNG

「運動神経よいね」「センスあるね」「かしこいね」もちろんこうした才能等を褒めるのもよいでしょう。しかし、それだけでは自信過剰になり、「才能があるから、やらなくてもよい」と考え、努力をしなくなってしまうことも。ただむやみやたらに褒めるのはNGです。
また、「1番とれてすごいね」「100点とれてよかったね」など、結果だけ褒めるのも不十分です。
子どもを褒めるときは、才能や結果でなく、そこにつながる努力のプロセスを褒めてあげることが大切です。ただ「頑張ったね」だけでなく、結果に至るプロセスで子どもが工夫した部分。特に、前述の「認めてほしいところ」を具体的に伝えてしっかり褒めてあげましょう。
子どもにとって身近な人が、自分のことをきちんと見て、認めてくれていることが心の安定につながります。そして、「やればできる!」という気持ちとともに、子どもの自己肯定感を高めていけます。
ママやパパは子どものことをしっかり観察して、褒める材料をみつけていきましょう。

自己肯定感を高める叱り方のコツ

子どもの自己肯定感を高めるために、叱り方にもコツがあります。
子どもが小さい頃は一言しゃべれるようになっただけで喜びました。立った、歩けた、それだけでママもパパも歓喜したはず。それなのに、いつからか「それをしちゃだめ」「やめておきなさい」「早くしなさい」など否定形と命令形の言葉になってしまいがち。
子どもを育てる中で、時には叱ることも必要です。その中で、どのようなことに気をつけていけば良いかをご紹介します。

やりがちなNG:人格・能力レベルで叱る

たとえば、子どもがウソをついたときに「ウソをつくような子はうちの子じゃありません!」。他にも、「そんなことも分からないなんて、どうしよもない子ね」など。
好ましくない行動をした時、失敗をした時に、子どもの能力や人格を否定する言葉をつかっていないでしょうか。
叱る時は「行動レベル」で叱り、子どもの「人格」や「能力」を否定しないことが大切です。
私の友人の例をご紹介します。
彼は、小さな頃に自分のおばあちゃんの体を蹴ったことがあったそう。そのとき、おばあちゃんは「なんて悪いことをする足なんでしょう!おまえはすごく良い子だけど、こんなことをする足が悪い!」と言いました。
そして、「おまえは良い子だよ」とヨシヨシと彼の頭をなで、「この蹴った足が悪い」とぺシッと足を優しく叩いたそう。
正すべきは行動であって、子どもの人格や能力はどんな時も信じてあげることが大切です。

やりがちなNG:他の子と比較をする

人と比較をすること」が幸福度を下げることが分かっています

国内外の幸福に関する研究の中で、「人と比較をすること」が幸福度を下げることが分かっています。もちろん、人との競争の中で切磋琢磨をして成長していく側面もあります。ですが、さまざまな分野において常に勝ち続けることは難しいですよね。誰かと比較ばかりをしていると、苦しくなってしまうのではないでしょうか。
子どもが100人いたら100通りの個性があります。他の誰かと同じでなくてもよいですし、普通でなくてもよいのです。
他と比較して、違うからとか、できないから、と責めるのではなく、自分の子どもは、何が得意で、何ができるのか。1年前や、きのうよりどれだけできるようになったのか、成長したのかを見てあげましょう。その部分を褒めて伸ばしてあげるのが、親の役割だと思います。

やりがちなNG:正論で叱る

「親として見本を示さなければいけない」と力が入っていると、子どもにも完璧を求めてしまいがち。成長過程にある子どもはできないこともたくさんあります。その時に「なぜ?どうしてできないのか?」と、問い詰められてしまうと、できない自分がいけないのだと思い込んでしまいます。そうすると、自分を責めて、自己肯定感の低い子どもになってしまいます。
子どもはできないことがあっても当たり前。
「○○はダメ!」「親の言うことは聞きなさい」と、一般的に正しいと思われる常識を言っても子どもは反発してしまいます。
それより、悪いことをしていたなら「そんな姿を見て、ママは悲しかったよ」とメッセージの形で伝えてみましょう。そのほうが、子どもの心に響くことがあります。
そして、褒める時は「そんな姿を見て、ママはうれしかったよ」と具体的に伝えれば、褒める材料は無限です。叱る数以上に、たくさん褒めてあげましょう。

最後に

子どもの自己肯定感は、幼少期からのママやパパの接し方・声がけで育まれていきます

子どもの自己肯定感を高める中で、褒めること・叱ることはとても大切です。そのためのさまざまな「やり方」を紹介しましたが、ベースになるのは「子どもを信じること」
子どもの自己肯定感は、幼少期からのママやパパの接し方・声がけで育まれていきます。
何かできなかったことがあっても「今回はできなかったけど、いつかできるようになるよ。あなたを信じているよ」と伝えましょう。
信じてくれている人がそばにいること。何よりそれが子どもにとって「自分は愛されている存在」「自分はありのままでよい」という自分を肯定することにつながりますよ。

えつこさん
メンタルコーチ:えつこさん

金融機関勤めだった経験を活かし、これまで、500人以上のお金と人生の相談に乗ってきたプロコーチ。多くの女性の悩みに寄り添い、子育て相談にも応じる。子ども2人はすでに結婚。孫1人。
https://sinshouyorokobi.com/

文・聞き手:三輪田理恵

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