地震、台風、集中豪雨など、自然災害はいつ起こるかわかりません。災害が起きると、電気が止まり、ガスが止まり、上下水道が止まり・・・そして、情報も入りにくくなります。さらに小さな子どもがいる場合は?もしもの時のために、備えておきたい避難グッズはどのようなものでしょうか。今回は、絶対外せない防災のマストアイテムと、せっかく揃えるなら可愛いものを揃えたい!ということで。家具や雑貨でおなじみのイケアで扱う便利でオシャレな避難グッズをご紹介します。
災害に備えて2種類を用意
防災グッズは①非常時の持ち出し用、②自宅避難用の2種類を用意しておく必要があります。非常時の持ち出し用は、避難所に行く際に持って行くリュックのこと。以下を参考にして、必要なものを用意しておきましょう。
子どものために準備したいこと
小さな子どものいる家庭では、
- 粉ミルク
- おむつ
- 使い捨てほ乳瓶
- おしりふき
- 水筒
- おやつ
- 抱っこひも
- おもちゃ
- 子どもの着替えと靴
- 口腔ケア用ウェットティッシュ
- 母子手帳
- マスク
などを追加で用意しておきましょう。
母子手帳は再発⾏もできますが、 妊娠中・出産の記録など、⼤切な思い出がつまっています。もしもの時も持ち出せるようにしておきましょう。
おもちゃは荷物になりますが、子どもの好きなモノを用意してあげることで、非常時のストレスを軽くしてあげることができます。
また、⺟乳育児中でも、普段から哺乳瓶で飲む練習をしておきましょう。ストレスで⺟乳が出なくなってしまった場合、⼀時預かりをお願いする場合にも対応ができます。
救援物資としては、子ども用のものはほとんど届きません。アレルギー対応もないため、非常食の中には、子どもも食べられるものを必ず入れておくようにしましょう。
避難所生活をされた方のヒアリングからは「思春期の女の子の下着が手に入らなかった」「生理用ナプキンを1つしかもらえなかった」という声も聞きました。
子どもの年齢に応じて必要なものを揃えておくようにしましょう。
また、避難所のトイレは和式の可能性もあります。 普段から子どもと一緒に和式トイレを使う練習をしておけると安心です。
自宅避難用の防災グッズ13選
首都直下地震が東京で起きた場合、ライフラインの復旧目標日数は、電気6日、上水道30日、ガス55日といわれています。(内閣府発表の想定)
自宅避難用は、ライフラインが止まったあとに自宅で生活する時に必要な備えになります。
きちんと備えておくことができれば、もしもの時も落ち着いて行動ができるはず。ここでは、あらかじめ自宅に準備しておくとよいものを13種類ご紹介します。
1) 水
1日1人最低2ℓ、少なくとも3日分、可能であれば7日分用意しておくようにしましょう。
4人家族なら、2ℓペットボトル×4人×3~7日分=12~28本(6本入の箱で2~5箱)
2) ポリ袋
ポリ袋は、45ℓサイズなどの大きなものと、レジ袋サイズの小さなものを各100枚位のまとまった数で用意しておきましょう。
大きなポリ袋は、リュックの中に袋を入れて水を運ぶ時にも使えます。新聞紙を詰めれば、緊急用の簡易トイレにも。
小さなポリ袋は、ケガの手当をするときにゴム手袋代わりとして使ったり、調理をしたりする時にも使えます。
3) 新聞
さきほどご紹介したように、袋に新聞紙を詰めて簡易トイレにすることができます。紙を折って箱の形にすれば、入れ物・お皿にもなります。10日分ほどストックしておくとよいでしょう。
4) ラップ
お皿の上にラップを敷けば、食品をのせた後に貴重な水を使って洗わなくても繰り返し使えます。また、新聞紙のお皿にラップを敷いて使うこともできます。
ロングタイプを6~7本用意しておきましょう。
5) LEDランタン
空間照明に便利なランタンは、リビング、キッチン、トイレ⽤に最低3個は必要です。また、両手を使えるように、ヘッドライトがあるとさらに便利ですよ。
6) 携帯用ラジオ
情報入手のために、携帯ラジオと乾電池は合わせて用意しておきましょう。
7) スマートフォン用電池式充電器
スマートフォンは情報入手の命綱になります。繰り返し使える乾電池式の充電器を用意し、乾電池は3ターン分以上ストックしておくようにしましょう。(乾電池の保存期間は10年)
8) 口腔ケア用ウェットティッシュ
⼝の中が不衛⽣になると、肺炎を発症するリスクが上がります。口腔ケア用ウェットティッシュを用意しておくと、口内を拭く以外にも3種類の使い方ができます。
- ⻭が拭ける
- 箸やスプーンが拭ける
- ⼿や⾝体が拭ける
緊急時にとても役に立つものなので、ボトルタイプ(100枚入)を家庭に5〜6本準備しておきましょう。(保存期間は3年)
9) からだ拭きウェットタオル
お⾵呂に⼊れないときに使えるウェットタオルを用意しておくと便利です。⾃分で背中を拭くことができる大きさの、乳児・介護⽤⼤判ウェットタオルがおすすめ。 1⼈1枚 家族の⼈数分 4⼈家族なら1枚×4⼈×30⽇=120枚=12枚入を10パック、あるとよいでしょう。
10) 非常食
普段から⾷材を余分に買い置きし、ご飯や⾷パン、野菜などを冷凍庫にも備蓄しておくと安心です。パスタやカップラーメン、レトルト食品など、湯煎して温かく⾷べられるものを腹持ちの良さも考慮して選んでおきましょう。フリーズドライ⾷品は 栄養価が⾼く、野菜も摂取できるのでおすすめです。
備蓄は「ローリングストック」ができるとよいでしょう。
11)カセットコンロ・ボンベ
カセットコンロとボンベがあれば、お湯を沸かすことができるので調理の幅がグンと広がります。
1本のボンベで約60分使用できます。1日30~40分使用することを考えると15~20本のボンベが必要です。(カセットコンロの使用期限10年、ボンベの使用期限6~7年)
12)クーラーボックス
普段から保冷剤や氷を冷凍庫に⽤意しておくようにしましょう。緊急時は、クーラーボックスを使って⾷材を保冷します。
13)携帯トイレ
断水すれば、自宅のトイレは使えません。東⽇本⼤震災の時は、激震地から離れた浦安市の下⽔道が100%復旧するのに35日かかりました。
洋式便器等に設置して使える災害用トイレを用意しておくと、便利です。吸⽔凝固シートタイプ、薬剤を⼊れるタイプがありますが、いずれも消臭効果が高いのが特徴。
⼤便は1⼈1⽇1回、1回ごとに携帯トイレを交換
⼩便は1⼈1⽇4回、3回使⽤ごとにトイレを交換
4人家族なら・・・
⼤便⽤ 1枚×4⼈×7⽇=28枚、 ⼩便⽤ 4枚×4⼈×7⽇÷3=37枚
合計 65枚 必要です。(保存期間7年)
おすすめ4選! イケアの防災グッズ
リーズナブルで可愛い北欧デザインの家具や雑貨が人気の イケア。実は、防災対策として便利なグッズも複数扱っているんです。ここでは、IKEA長久手 の松本真由美さん に聞いた、おすすめの防災グッズをご紹介します。
LJUSA ユーサ 手回し充電式LED懐中電灯 ¥ 599
https://www.ikea.com/jp/ja/p/ljusa-led-torch-hand-driven-light-blue-50487273/
手動充電式で、ハンドルを20-30回まわすと、約1分30秒点灯します。生まれたエネルギーは中に蓄えられるので電池も必要ありません。子どもたちも楽しく使うことができます。
PRINSBO プリンスボー LEDナイトライト, ホワイト 通常価格¥3,499 (来年の6/31までIKEA Familyメンバー価格¥2,999)
https://www.ikea.com/jp/ja/p/prinsbo-led-night-light-white-20344426/
充電池駆動で持ち運べるランプ。コンセントは不要です。持ち手がついているので、持ち運びに便利。スリムなデザインなので、ちょっとしたスペースにも取り付けられます。
VÄRLDENS ヴェルデンス バックパック, ダークグレー, 36ℓ ¥4,999
https://www.ikea.com/jp/ja/p/vaerldens-backpack-dark-grey-00441447/
「非常持ち出し袋」と書かれたバッグは、ちょっと・・・という人に。
大容量で、事前に避難するときのお水や食料、ひざ掛けなどを入れておくのにおすすめのバックパックです。隠れた収納スペースが2つ、そして、バッグの一面を全開にできるので、必要なものをすぐに探すことができます。外側には防水仕様の生地を使用しているので、雨が降っても安心。ファスナーのつまみは反射するため、暗い場所でも使いやすい工夫が施されています。
POLARVIDE ポーラヴィーデ ひざ掛け, グレー, 130×170 cm ¥ 499
https://www.ikea.com/jp/ja/p/polarvide-throw-grey-30296986/
洗濯機で丸洗いできる、柔らかな肌触りのフリース素材の膝掛け。バックに1枚入れておけばさまざまな用途に使えます。お値段も手頃なのが嬉しいポイント。ダークブルー、レッドもあります。
最後に
災害に備えておきたいグッズを紹介しましたが、「これさえ用意しておけば⼤丈夫」というわけではありません。
阪神大震災で⽣き埋めや閉じ込められた98%の人が⾃助または共助によって助かっています。
- ⾃助3割(⾃分で⾃分の⾝を守る)
- 共助6割(家族や地域の⽅を守る)
- 公助1割(消防や⾏政等が⽀援する)
※参照:(社)⽇本⽕災学会/兵庫県南部地震における⽕災に関する調査報告書
物資も大事になりますが、それ以上に緊急事態で必要になるのは「つながり」です。普段から子どもや家族と災害が起きたらどうするか、話すこと。近所の人や地域の人、周りの⼈と話をすること。つながりを大切に、今できることを考え、防災について話していけるとよいですね。
協力:
●子どものために準備したいこと/避難グッズ13選 監修
名古屋大学減災連携研究センター 蛭川理紗さん
●イケアの防災グッズ紹介
IKEA長久手 松本真由美さん
文:三輪田理恵