最近よく耳にする「エシカル消費(倫理的消費)」。エコやサスティナブルと、何が違うのでしょうか。そして、具体的に何をすることか分かりづらいですよね。エシカル消費は何も特別なことではなく、私たちの毎日の生活の中でできることもたくさんあります。
エシカル消費を知り、サスティナブルな暮らしを実現するヒントをご紹介します。
エシカル消費とは?
消費者庁によると、エシカル消費とは「消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行ったりすること」を指します。(※1)
持続可能な開発目標「SDGs」に関わる取組みの1つでもあり、SDGs17個の目標のうち、主に目標12の「つくる責任 つかう責任」に関係しています。
SDGsについては、子どもの将来の夢に繋がる!小学校中学校でも教えるSDGsとは?の記事も参考にしてみてください。
令和元年度の消費者庁の調査によると、エシカル消費に対する社会のイメージは「これからの時代に必要」と考えている人が過半数以上。(※2)多くの人が注目する消費行動です。
近年では、エシカル消費につながる市販の商品やサービスも増えており、よりエシカルな選択がしやすくなっています。
次章では、私たちにできる具体的な取り組みをご紹介します。
私たちにできることは?
エシカル消費は、具体的にどのような行動を指すのでしょうか。
ひとつは、お買い物の際にエシカル消費を基準に商品を選ぶこと。もうひとつは、エシカルな習慣を暮らしに取り入れることです。
エシカル消費の商品選び(例)
- リサイクル素材を使用した商品
- LED電球や充電式電池など省エネ製品
- オーガニック野菜
- オーガニックコットンで作られた服
- フェアトレード商品
- エコマークの商品
- 資源保護などの認証マークつき商品
- 地産地消を意識した地産品
- 被災地の地産品
- 障がい者の自立支援福祉施設で作られた製品
- 寄付付きの商品
など
エシカル消費の商品選びに役立つのが認証マークです。
- 環境負荷が少ない商品の「エコマーク」
- 公正な取引の認証「国際フェアトレード認証」
- 環境にも人権にも配慮して作られた製品「レインフォレストアライアンス」
- オーガニックの繊維製品「オーガニック・テキスタイル世界基準(GOTS)」
- 持続可能な水産物の証「MSC認証」
- 適切に管理された森林の木材で作られた製品「FSC認証」
など
お買い物の際に、目にしたことがあるのではないでしょうか。こういった認証マークは、商品のパッケージやタグに記載されています。
また、地産地消や被災地支援は、商品の産地を確認することで判別できますよね。
生鮮食料品は産地が記載されているので、わかりやすいです。食品以外のものや加工食品は、作られている工場や原材料の産地などを確認してみてください。
エシカルな習慣(例)
- マイバッグを持参する
- マイボトルを持ち歩く
- 必要なときに必要分だけ購入する
- 食べ残しを減らす
- ストローやフォークなどの使い捨てプラスチックは極力使わない
- 3R(リユース、リデュース、リサイクル)を意識する
- 節電や省エネを意識した行動を心がける
など
日々の暮らしの中で、できることは意外と多いものです。マイバッグやマイボトルは、暮らしに定着している人もいるでしょう。
これらを徹底するだけでも、エシカルな暮らし方です。また、「必要な分だけ買う」、「残さない」は、環境にもお財布にも優しいアクションです。
節電や省エネと併せて習慣にしてしまえば、家計も助かるはずです。
無理なく、できることから取り組んでください。
エシカル商品とは、どんなもの?
エシカルな商品の選び方や暮らし方が分かったら、具体的なエシカル商品の例も気になりますよね。
エシカル商品の一例
- フェアトレードを専門としたファッション・アパレルブランド
- プライベートブランドも展開するスーパーのフェアトレード製品
- オーガニック、天然由来、地産地消にこだわり健康に配慮したドーナツ
- ラベルレスの飲料
- 販売期限が近い食品にはポイントが貯まるコンビニ
- 羊毛、リサイクルボトル、ヒマシ油、リサイクル段ボールなどを使用し、環境に優しいシューズ
- 職人の技術を生かしたものづくりを行う日本製のファッションブランド
- フェアトレード製品を開発し、売上の一部を原産国の教育支援にあてているお菓子
など
エシカル消費に取り組む企業も増えており、さまざまなエシカル商品がわたしたちの手の届くところにあります。
サスティナブルとの違いは?
エシカル消費とよく一緒に見かけるのが「サスティナブル」という言葉です。
この2つの言葉は、同じような場面で使われることが多いことから「違いがよくわからない」という人も多いかもしれません。
それぞれ
- エシカル消費・・・人や社会、地球環境、地域に配慮した消費
- サスティナブル・・・持続可能な(形容詞)
を意味します。
言葉自体の意味は異なるものの、エシカル消費と持続可能な開発目標「SDGs」は密接な関係にあります。
冒頭で解説の通り、消費者庁では、エシカル消費はSDGsの目標12「つくる責任・つかう責任」に該当するとしています。エシカル消費は、サスティナブルなアクションの一環なのです。
SDGsの身近な例!親子で今日から取り組める簡単な方法とは?
の記事も参考にしてみてください。
エシカルな暮らしは知ることから
私たちにできるエシカル消費への第一歩は、その製品がどのようにして作られたのかを知ることです。購入する前に、作り手の思いや背景を調べてみてもよいでしょう。
さまざまな企業の取り組みの結果、私たちの周りにはすでにエシカル消費の選択肢が豊富に用意されています。
つまり、今度は私たち消費者が、物やサービスを買う際に「何を選ぶか」がサスティナブルな社会への鍵になってくるということです。
普段、なんとなく食べたり使ったりしているものが、どのように作られ、それを選択したことで社会にとってどのような影響があるのか。自分のことだけでなく、社会や環境にまで配慮した消費行動を目指しましょう。
一人ひとりがこのような消費行動を心がけることができれば、サスティナブルな社会にぐっと近づけそうですね。
参考:
※1 エシカル消費とは / 消費者庁
※2 「倫理的消費(エシカル消費)」に関する消費者意識調査報告書 / 消費者庁
文:COE LOG編集部
あわせて読みたい