世帯年収1000万円以上でも家計が赤字?貯金なしから貯めるには

世帯年収1000万円以上でも家計が赤字?貯金なしから貯めるには

いまの時代、世帯年収が高いからといって、貯金できる家庭ばかりではありません。共働きで頑張っているものの、これから先の教育費や老後資金に漠然とした不安を感じている方も多いのではないでしょうか。世帯年収が1000万円以上あっても、貯金できていない家庭もあります。
教育費や老後資金の目安を確認し、貯金なしから「貯め体質」になるコツをファイナンシャルプランナーの中村美帆さんに聞きました。

中村美帆(なかむら みほ)

ファイナンシャルプランナー:中村美帆さん
「年収はある方なのになぜかお金が貯まっていかない」「自分に合った貯蓄法が定まっていない」など、収入の割に貯金ができないという話もよく耳にします。子どもの教育費のほか、セカンドライフを楽しく過ごすための老後資金などを準備するためにも、共働きで収入の多い今こそ貯める仕組み「貯め体質」を作っていくことが大切ですよ。

共働き家計の実態は?

政府の統計「国民生活基本調査」によると、児童のいる世帯における年間での平均所得金額は745.9万円です。

政府の統計「国民生活基本調査」によると、児童のいる世帯における年間での平均所得金額は745.9万円です。全世帯の平均所得金額が552.3万円なので、子どもがいる世帯の所得は比較的多いようです。※1
また、男女共同参画基本法が施行された1999年あたりから、専業主婦世帯よりも共働き世帯の数が増え、共働き世帯数は年々増加傾向にあります。※2
子どもの教育資金やマイホーム購入のために、子育て世帯で共働きスタイルを選択する家庭は増えているようです。共働きの子育て世帯は高収入に思えるかもしれませんが、実は児童のいる世帯で「貯蓄がない」と回答した世帯は11.6%。
また、貯蓄額が200万円未満と答えた世帯は全体の19.3%です。比較的収入が多くても、貯蓄がほぼゼロ、もしくは貯蓄200万円未満の世帯がおよそ3割いることになります。

この結果を見ると、共働きで高収入でも、貯蓄ができていないという家庭も少なくないことが分かりますよね。貯蓄どころか、なぜか家計が毎月赤字、という声もあるようです。

共働き高収入でも赤字の人の特徴

高収入でも赤字、という家庭の主な特徴として
・夫婦間で家計管理を共有していない
・共働きで支出が増えがち
の2つが挙げられます。

夫婦間で家計管理を共有していない

夫婦間で家計管理や共有をしていますか?一般的に、パートナーのどちらかが主に家計管理を行うことが多いもの。共働き世帯の場合、○○費は夫が管理、など費目ごとにそれぞれが管理しているケースもあるかもしれませんね。

その家計管理の方法で、自分の担当する費目以外は全く関与しない、もしくはパートナーに任せっきりになっていませんか?中には担当する費目を支払い、残りのお金は全てお小遣いとして自由に使っている、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
夫婦それぞれが、あるだけお金を使っていると、全体の家計管理はできませんよね。気づいたときには「赤字」ということになりかねません。

共働きで忙しいとお金の話題はつい後回しになってしまいますが、まずは夫婦間でお金の「見える化」をすることが貯蓄への第一歩です。

共働きで支出が増えがち

共働きの場合、毎月夫婦2人分の収入が入ってくるため財布のひももゆるみがち。
また、仕事関係、交友関係にまつわる交際費も夫婦それぞれ必要になり、どうしても出費が増えやすいものです。

さらに、共働きだからこそ、子どもの習い事や教育を充実させたいと考える世帯も多いでしょう。いまお財布に余裕があるからと教育費をかけすぎでしまうと、知らず知らずのうちに将来の貯蓄が後回しになってしまいます。
余裕のある生活を続けていくには、今の支出面を見直す必要もあるのです。

貯金ゼロから貯め体質になるには

「貯め体質」に変わる方法や教育費・老後資金の貯め方についてご紹介します。

子どもが小学生までのうちは、なんとなく毎月のやりくりはできるかもしれません。
ただ実際にまとまった教育費が必要となるのは、高校入学から大学受験・入学にかけてです。
将来のための貯蓄が全く準備できていない!という方でも、今からでも遅くない!「貯め体質」に変わる方法や教育費・老後資金の貯め方についてご紹介します。

貯め体質になる3つの方法

収入が増えなくても、無理に節約しなくても大丈夫!
少しの工夫で貯め体質になる3つの方法がこちらです。

  • 夫婦で定期的に家計について話し合う
  • 先取り貯蓄
  • 貯蓄用口座を目的別に分ける

夫婦で定期的に家計について話し合う

家計管理がうまくいっている家庭ほど、夫婦で定期的にお金のことについて話し合っているという方が多いように思われます。
共働きですとなかなか時間も取れないという家庭も少なくないでしょう。貯め体質になりたいなら、ちょっとした時間に少しお金のことについて話し合ってみませんか?
お互いの価値観や考えを共有しておくことは、家計管理においてもとても重要です。100%共有し合うのは難しいですが、60~70%くらい共有できたらいい、くらいの感覚で始めてみてください。
一方だけが頑張って貯蓄していて、パートナーが全く貯蓄に協力してくれないと、ストレスを溜めてしまいます。「家計は夫婦で一緒に作り上げていくもの」という認識をお互いが持つことで、貯蓄に対しても協力しやすくなります。

先取り貯蓄

貯め体質で最も大事なのが貯蓄の先取りです。入ってきたはずの収入が、クレジットカードの支払いや生活費などでいつの間にかなくなり、給料日前になると節約する日が続く、なんてことはありませんか?そうなると貯蓄する余裕もなくなってしまいますよね。
まずは給料が入ってきた日に先に貯蓄にまわす習慣を持つようにしましょう。金額は多くなくていいので、まずは千円からでも始めてみてください。
別の口座に入れておいてもいいですし、財布とは別に封筒などによけておくのもいいでしょう。「貯めていく習慣」を持つことが大事です。

先に貯蓄に回すと、残りの資金内で生活費などをやりくりすることになりますよね。そうすると、自然と出費もスマートになり節約にも繋がります。
先取り貯蓄の習慣に慣れてきたら、貯蓄にまわす金額を徐々に増やしていきましょう。あまり生活に支障が出るようなら調整し、ご自身の家計にとってノンストレスに貯めていける貯蓄リズムを掴んでいってください。

貯蓄用口座を目的別に分ける

先取り貯蓄に慣れてきたら、次のステップとして貯蓄する内容を目的別に分けてみることをおススメします。
貯めるとひと言で言っても、「教育費」「老後のための生活資金」「車の購入費」など、その目的はさまざま。目的別が難しいようなら、期間で分けてみるのもいいでしょう。

例えば、
・車購入や旅行など、3年以内に使い道が決まっている、短期的に貯めたい資金
・将来の教育費など10年ほどを目安に貯めていきたい資金
・20年以上先、夫婦のセカンドライフのための老後資金
など
期間別に分けてみるといった方法もおすすめです。金融業界では「お金の色分け」といった言い方をすることもありますが、目的別に分けることで資金計画が立てやすくなります。

教育費を貯めるには

教育費で最もお金がかかるのはやはり大学4年間です。大学への進学率も年々上がっているので、子どもが何年後に大学入学を迎えるかを視野にいれて、教育費を貯めていきましょう。
日本学生支援機構の調査によると、大学(昼間部)でかかる年間の学費は公立で66.7万円、私立で137.3万円ほどです。※3
入学年度には学費のほか入学金もかかります。また、下宿の場合などは生活費の仕送りなどもかかってくるかもしれません。直前で資金繰りに困らないよう、100~200万円を目途に大学初年度にかかる費用は早めに準備しておきたいところです。

例えば子どもが10歳の場合、大学入学まではあと8年です。8年間で200万円を貯めようと思うと、年間で25万円、毎月およそ2万円を貯蓄していくイメージです。
共働きの場合は児童手当の金額も所得制限があるかもしれませんが、その分も教育費に回すなどして毎月の貯蓄の負担を減らしつつ、毎月決まった金額を教育費分としてこつこつ貯めていくことで大学時の大きな出費に備えておくと安心です。

大学でかかるお金については、大学の授業料はいくら?免除の条件は?いくら貯めるべき?の記事も参考にしてみてください。

老後資金を貯めるには

夫婦で最低限必要な老後資金はひと月あたり平均22.1万円ほど。さらに、ゆとりある老後生活を送るためには平均31.1万円ほどが必要と言われています。※4
毎月の収入が年金のみとなると、年金だけでは補えない差額分は、貯蓄を取り崩さなければなりません。
また、今の年収での生活水準に慣れてしまうと、生活水準をおとすのは難しいものです。年金生活になったからといって、急に節約しようと思っても思うようにできないかもしれません。

老後資金を長期的に貯めていく方法としては、保険の活用や、税制面での優遇が受けられるNISAやiDeCoをおススメします。いずれの方法も、中途解約が出来なかったり、途中で支払いをやめると払った金額よりも少ない金額でしか戻ってこなかったり、といくつかの制約があります。
簡単にはおろせないお金ととらえ、長期的に貯めていく仕組みとして取り入れると効率的な貯蓄ができますよ。

子育て中は、教育費にお金がかかる時期ですよね。老後資金の準備までは考えられないという方も多いかもしれません。
老後資金も早くから準備するのがもちろんよいのですが、教育費がかかる時期はまずは教育費を優先させましょう。

まとめ

「貯め体質」に変わる方法や教育費・老後資金の貯め方についてご紹介します。

共働きで高収入でも、支出が多ければ貯蓄は難しくなります。家計管理ができていない状態は、漠然とした不安をつくってしまうことになりかねません。まずは夫婦で家計管理について共有すること。お互いの価値観や家計の方針を共有することでパートナーが家計に協力しやすい環境をつくりだしていきましょう。
ダブルインカムの今こそ、将来お金のことで不安にならないようしっかりとした貯め体質を身に付けておきたいものですね。

参考
※1 2019年 国民生活基本調査の概要|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/index.html
※2 厚生労働省ホームページ/配偶者手当の取り巻く環境について
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000118655.pdf
※3 平成30年度学生生活調査結果|設置者別の学生生活費|独立行政法人日本学生支援機構
https://www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_chosa/__icsFiles/afieldfile/2021/03/09/data18_all.pdf
※4 リスクに備えるための生活設計|公益財団法人 生命保険文化センター
https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1141.html

文:中村美帆

中村美帆(なかむら みほ)
中村美帆(なかむら みほ)

出産を機に金融機関を退職後、カラダとココロの健康をテーマにヨガ講師・おやつ講師として活動。地産地消にこだわった親子おやつ教室や児童施設でのキッズヨガ教室など子育て支援にも携わる。
また、地元のお茶農家と連携したお茶ブランドTEA BASE「三重県産デカフェ茶」の企画販売を手掛け、地域で地元経済を応援する仕組み作りを目指して、多方面にて三重の魅力を発信中。三重県出身。二児の母。
URL:  https://teabase.stores.jp/

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