子育てをしていると、うれしいことや楽しいことだけでなく、落ち込んだり、イライラしたりする日もありますよね。そんな時、誰かに話を聞いてもらうだけで、心が軽くなり、前向きな気持ちになることはないでしょうか。
きずなネットでは、3人の子どもを育てるママでもあるラジオDJの堀江美穂さんが、読者のみなさんのメッセージに答える新連載をスタート。子育て中のパパ・ママに寄り添い、読者のみなさんとつながる場にしていきたいと思っています。

愛知県名古屋市出身。高校卒業後に渡米し、ダラス・バプティスト大学メディアコミュニケーション学部卒業。2003年からZIP-FMのミュージック・ナビゲーターに。現在は「Bagel&M」(愛知北エフエム放送)、「太郎ちゃんの元氣がでるラジオ」(FM AICHI)に出演中。JADP認定チャイルドコーチングアドバイザーやJADP認定家族療法カウンセラーなどの資格を持ち、プライベートでは高1、中1、小4の3人の子どもを育てるママ。
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読者(38歳・女性)からのメッセージ
小5の長女と小1の次女、2人の娘のママです。次女はとてもマイペースな性格で、せっかちな私からすると、ちょっとどんくさく見えてしまいます。ご飯を食べるのも、学校に行く用意も、すべて周りの子よりもワンテンポ遅く、何でも要領よくこなせる長女と比較し、「お姉ちゃんは出来たのに」なんて思ってしまうことも。そんな私の様子を察してか、次女は何かする度、私の方をチラチラと見て、顔色をうかがっている気がしています。
「このままではいけない」と思いつつ、朝の忙しい時なんかは、つい「早くしなさい!」と大きな声で怒ってしまい、後から反省する日々。次女のマイペースな性格を個性と捉え、受け入れられるようになりたいです。そして、姉妹を比較することなく、平等に接するようにするには、どうしたらいいでしょうか?
堀江さんのメッセージ
私もせっかちな性格なので、このママの気持ちがとてもよく分かります。そして、いつもは気にならないことでも自分自身が疲れていたり、時間や心に余裕がなくなっていたりすると、子どもに余計な一言を言ってしまうことがありますよね。
怒ってしまう原因が「時間を守れないこと」であれば、パパやママがタイムキーパーとなって、登校や寝るための準備をサポートしてあげられると良いですよね。小1だったら、ようやく時計が読めるようになるくらいかな。まだ時間の感覚が身についていなくて当然です。
「早くしなさい」と言っても、子どもは何を、どう早くすればよいのか分かりません。うちの場合、「今日は7時半に家を出るから、あと20分で歯を磨いて、着替えて、水筒にお茶を入れてね」など、なるべく具体的に指示を出すようにしていました。それを続けるうち、子どもたちが自然と「やるべきことを」を意識し、自分から動くようになりました。
ただ、お子さんがママの顔色をうかがうような態度は、ちょっと危険信号かもしれません。子どもは意外と大人の機嫌を敏感に察知し、「ママが怒っている」と思うと、困ったことやお願いしたいことがあっても、我慢してしまいます。そんな時は、パパの出番です。ママのいない、子どもと2人だけのところで、「最近、学校はどう?」「何か困っていることはない?」などと尋ねてみると、子どもの意外な本音が聞き出せるかもしれません。
次女のお子さんのマイペースで大らかな性格は、せっかちでいつも動き回っている私からすると、うらやましい個性です。そこを良いところとして、伸ばしてあげたいですよね。もちろん、社会に出ると時間を守らなくてはいけない場面は多々あります。でも、今はまだ小学校の登校時間に遅れても、宿題の提出期限に間に合わなくても、別に良いと思うんです。準備期間だと考えてください。
私も以前は、「集団登校の集合時間に間に合わせなきゃ」と、子どもたちを追い立てるようにして準備を済ませ、送り出していました。でも、ふとある日、「別に間に合わなくてもいっか」と思ったら、心にゆとりが生まれ、怒ることがなくなったんです。
子育て中のパパやママたちは、無意識のうちに「●●しなきゃ」という思い込みにとらわれてしまっています。育児雑誌なんかには、「ママも自分の時間つくりましょう」「心に余裕を持って」なんて書かれているけど、無理ですよね。多少無理矢理にでも、「ま、いっか」と口にすることから始めてみましょう。朝から何種類ものおかずを作って、お弁当に入れたり、出かける前に掃除と洗濯をしたりしなくてもOK。「●●しなきゃ」という鎧を脱ぐだけで、意外と回るものなんです。
パパやママも1人の人間ですから、相性があって、きょうだい間で接し方に差が出てしまうこともあると思います。我が家でも、末っ子ばかりに手を焼いて、何かあるごとに大げさなくらい褒めていたら、お姉ちゃんたちがすねてしまったことがありました。内容にもよりますが、みんなが周りにいるときではなく、あえて2人きりの時に褒めたり、怒ったりする方が伝わりやすい場合もありますよね。
パパも、ママも、もう十分すぎるくらい頑張っています。肩の力を抜いて、まずは「ま、いっか」と思うことから始めてみましょう。そうすることで、自然と子どもの良いところに目がいくようになるはずですよ。
メッセージ募集
子育てや家族に関して、堀江さんに聞きたいことや相談したいことがあれば、ぜひお寄せください。
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文・聞き手:きずなネットよみものWeb編集
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