大学の選び方は?やりがちな失敗とおさえておきたいポイント

大学の選び方は?やりがちな失敗とおさえておきたいポイント

高校卒業後の進路を考える際に、進学か就職か、もし大学へ進学するのであればどのような学部で何を学ぶのか、迷う方も多いのではないでしょうか。
2022年度の大学進学率は56.6%で過去最高、短大・専門学校なども含む高等教育機関への進学率は83.8%で、こちらも過去最高水準となっています。(※1)
今回の記事では、進路選択において大学への進学を決めた高校生やその親御さんに向けて、大学の選び方、学部を決める時の考え方についてご紹介します。

高校生の進路はいつ決める?

進路の選択は学校によってさまざまですが、多くの学校では、高校2年生になったタイミングで文系・理系のクラスに分かれます。

進路の選択は学校によってさまざまですが、多くの学校では、高校2年生になったタイミングで文系・理系のクラスに分かれます。
医師になりたい、保育士になりたいなど、就きたい職業があり、その職業につくための資格が必要な場合は、文系理系の選択や学部の選択も比較的スムーズに決まるでしょう。
しかし、この段階で将来の目標がはっきり決まっている人は多くはありません。
「数学が苦手だから文系に…」「就職に有利な気がするから理系に…」などの理由で選ぶ人がほとんどでしょう。
もちろん「理系に進んで研究がしたい」「文系に進んで外国語を真剣に学びたい」といった理由で主体的に選択する人もいます。
いずれにしても、文理選択の段階でおおよその自分の方向性を決め、高校3年生になればどの大学の何学部を目指すのかを考えていかなければなりません。
このときに「なんとなく」で決めてしまうと、せっかく大学に進学しても、思っていた大学生活と違った…と後悔することになりかねません。
文部科学省の調査では、2021度は全大学生の1.95%が退学をしています。(※2)また、2014年からの追跡調査では、入学時の約7%にあたる学生が卒業までに大学を中退していることが分かっています。(※3)

大学の選び方でやりがちな失敗

高校生が大学の選び方や学部の選び方でやりがちな失敗に、以下のようなものがあります。

  • なんとなく就職に有利な気がして経済学部を選んだけど、必修で苦手科目の数学が入っていて苦労した。
  • 仲の良い友達と同じ大学・学部を選んだけど、学ぶ内容が難しすぎて大学の授業についていけなくなった。
  • 大学のネームバリューにひかれて一番偏差値の低い学科に入ったが、授業の内容に全く興味が持てず、毎日が退屈。

これらに共通するのは、自分の好きなことや得意なこと、学んでみたいことなどの主体的な理由で大学を選んでいないことです。
「就職に有利な気がして…」「友達がいるから…」「偏差値が…」といった理由だけで選んでしまうと、大学に入学してから後悔する可能性が高くなってしまうかもしれません。
マイナビが大学生におこなった調査では「今の学部に進学したことを後悔したことはありますか?」という質問に対し38.3%が「後悔したことがある」と回答しています。(※4)

大学や学部で就職先は決まらない

マイナビが大学生におこなった調査では「大学の学部と志望業界は同じでしたか?」という質問に対して

同じくマイナビが大学生におこなった調査では「大学の学部と志望業界は同じでしたか?」という質問に対して、「同じ分野」だと回答した人が45.9%で、過半数以上である54.1%が「違う分野」と回答しています。
学部で学んだ専門分野を生かした仕事に就く人もいますが、半数以上は別の業界を志望しています。
つまり、大学に入ってやりたいことが変わる人はとても多いということです。そして、特に学部卒であれば専門分野と異なる業界への就職も多いといえるでしょう。
専門は何であれ、就職する際には「大学4年間でしっかりと学んだ」という経験が価値を持つということにもなります。

学びたいことを学べる道を選ぼう

大学選び、学部・学科を選ぶ際に「今、将来を決めなければ!」と焦る必要はありません。
大学に入ってからさまざまな人と関わり、たくさんの経験をし、多様な価値観に触れることで将来の方向性が変わるのは当然といえるでしょう。
大学生活を過ごす中で本当にやりたいことが見つかって、別の大学に入り直したということもよくある話です。
「本当にやりたいこと」を見つけるまでの過程として、その時間も無駄にはならないはずです。

「なんとなく就職に有利そう」「その分野に興味はないけど、とりあえず大学に入りたい」などの理由で、高い学費を払い、興味のもてない授業を受けるのは苦痛になってしまいます。
将来やりたいことが決まっていない人は、興味がある分野、学びたいことを学べる大学・学部・学科を軸に選んでみてはいかがでしょうか。

「社会人入学」の選択肢も視野に

進学校などに通っていると「大学進学が当たり前」となっている場合もあります。しかし、学びたいことがない、将来就きたい職業に大学卒の学歴が必須ではない場合は、就職するというのも一つの方法といえるでしょう。
職業によっては、早くから仕事について現場でキャリアを積んだ方が有利なものもあります。
働いている中で、学びたいことが出てきたら大学に進学するということも可能です。
最近は、社会入学枠を設けている大学も多くなっています。
なんとなくで進学するよりも、やりたいこと・学びたいことが明確になってから大学に入学する方が勉強にも真剣に打ち込めるはずです。

親子で正しい知識を身につけよう

大学などへの進学は親御さんが学費を出すケースがほとんどで、親子で進路についての相談をして、最終決定をするのではないでしょうか。

大学などへの進学は親御さんが学費を出すケースがほとんどで、親子で進路についての相談をして、最終決定をするのではないでしょうか。
この場合、親御さんが進路に関する情報を持っていなければ、昔の固定観念などを子どもに押し付けてしまう可能性があります。
また、親御さんだけが知識を持っていても、本人の希望が反映されないことに。子どもが大学に進学してから「思っていた大学生活と違った」というギャップが生まれてしまうことになりかねません。
進路を選択する本人はもちろんのこと、親御さんも正しい知識を付けることで、後悔のない大学選び、進路選択をおこなっていきましょう。

最後に

将来の夢がない、分からない、という高校生も多いはずです。そして、やりたいことは途中で変わることもあります。何を選ぶのが正解かは、その道に進んでみなければ分かりません。そして、学んだことが将来役立つかどうかは最後まで分からないともいえるでしょう。
「なんとなく」で進路を決めるのではなく、しっかり情報を収集し、今、自分の学びたいこと、興味あることを学べる道を選んでいってください。
親御さんも、子どもの頃は将来について悩んでいた時期があるはず。お子さんの将来について、興味のあることについて、じっくり耳を傾け、寄り添ってあげてください。
納得できる大学選び、進路選択をおこなう参考にしていただければ幸いです。

文:COE LOG編集部

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参考
※1:文部科学省「令和4年度学校基本調査」
※2:文部科学省「学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査(令和3年度末時点)」
※3:「大学の実力2019」(中央公論新社)
※4:マイナビ 学生の窓口

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