アドラー心理学|子育ての理想と現実、心がラクになる解決策

アドラー心理学|子育ての理想と現実、心がラクになる解決策

子どもに幸せになってほしい、子どもを愛しているからこそ、日々の子育てに悩むママ・パパが多いのではないでしょうか。理想の子育て、理想のママ像・パパ像があるのに、現実は上手くいかないことばかりで、イライラしたり、自己嫌悪に陥ったり。
そんなママ・パパの子育ての理想と現実のギャップが起きてしまうのはなぜでしょうか。
あれもできない、これもできない・・・かつては「私はダメなママだ」と自分を責めていたというカウンセラーの中井美香さん。その解決の糸口に、アドラー心理学があると言います。ミリオンセラー『嫌われる勇気』で話題になったアドラー流の子育てについて、お話を聞いてみました。

カウンセラー:中井美香さん

カウンセラー:中井美香さん
上手くいかないこと、できないことがあっても大丈夫。ママやパパ自身が「自分を大切にしてあげること」が、子どもを大切にしてあげることにつながりますよ。

アドラー心理学の子育てとは?

『嫌われる勇気』でその名が広がったアドラー心理学とは、オーストラリアの精神医学者アルフレッド・アドラーが広めた心理学です。

『嫌われる勇気』でその名が広がったアドラー心理学とは、オーストラリアの精神医学者アルフレッド・アドラーが広めた心理学です。

たとえば「イライラする」というとき、アドラー心理学では「イライラする人は、イライラするための目的を達成するために、その行動をとっている」と考えます。
つまり、イライラの「原因」を探しにいくのではなく、その「目的」を考えて、問題解決に繋げようというもの。
私自身も第一子が生まれたときに、あれもできない、これもできない・・・と苦しくなっていました。イライラしている「目的」は何?「できない・・・」は本当にできていないの?
自分を全否定するのではなく、「できていること」「できていないこと」を丁寧に観察して自分を受け入れる「自己受容」をおこなうことで、心がラクになりました。
アドラー心理学は、さまざまな考え方がありますが、ここでは子育てに悩むママ・パパにぜひ知ってほしい、「自己受容」と「目的論」を中心にお伝えします。

ママの自己受容が子どもを育てる

自己受容とは、ありのままの自分を受け入れて、前に進んでいくこと。子育てにおいては、ママやパパ自身の自己受容が正しくできないことが、悩みや生きづらさに繋がることがあります。
なぜなら、子育ての場面においてママやパパ自身の自己受容がないと、パートナーや子どもに振り回されてしまうからです。自己受容ができていれば、周りを気にしなくなり、心に余裕ができることで、他人に対して優しく接することができるでしょう。
また、ママやパパ自身の自己受容が、子ども自身の自己受容にも繋がっていきます。
自己受容は、もっと自信をもちましょう!もっと自分を好きになりましょう!といった話ではありません。丁寧に自分自身を観察して受け入れていくことです。
できないことがあったときに「私はダメなんだ」と全部に×をつけないこと。

例をあげると・・・

×片付けをしない子どもにカッとして手をあげてしまった
○感情的になっていた自分にきちんと気づけた
○きちんと家族のためにご飯をつくった

できていることも必ずあるので、できていることは○、できていないことは×。丁寧に○と×をつけていき、○も×も持った自分を受け入れていくことです。
「私はダメなんだ」という思いは、自分自身の存在を否定することになりかねません。
行動に×はつけても、自分自身の人格や存在には絶対に×はつけないこと。
○の部分を認め、×の部分に対して「ここを直していこう」と心掛けていきましょう。

ネガティブな感情の目的は?

本当は、いつもニコニコ穏やかに子どもに接していきたい・・・頭ではそう思っていても、現実はなかなかそのようにはいきません。
子どもに対してイライラする自分、怒っている自分がいると、そんな感情を持っている自分を責めてしまうママやパパもいるのではないでしょうか。
アドラー心理学では、「目的のために感情を使う」としています。たとえば、怒っている人は、怒ることで自分の主張を通しているのではないでしょうか。
これはほとんどの場合、無自覚で行われています。

例をあげると・・・

いつまでたっても出かける準備をしない子どもに怒る
→「遅れないように」という目的を達成するため

片付けをしない子どもに怒る
→「きちんとした子になってほしい」という目的を達成するため

私自身も子どもが生まれたばかりの頃、できない自分、子どもにあたってしまう自分を責め、食事が喉を通らず、育児ノイローゼのような状態になってしまいました。

私自身も子どもが生まれたばかりの頃、できない自分、子どもにあたってしまう自分を責め、食事が喉を通らず、育児ノイローゼのような状態になってしまいました。
そんなときに、アドラー心理学に出会い、私の目的はすべて「子どもを愛しているから」ということに気づきました。好ましくない自分の行動が、すべて「子どもを愛しているから」に繋がっていることが分かっただけで、心が軽くなったのです。
ただ、そのように分かっていたとしても、イライラしたり、自分の気持ちをコントロールできなくなったりすることも。
そんなときは、「一息おく」ということを意識してみましょう。具体的には以下の手順をとります。

イライラしてしまったら・・・

  1. すぐに言葉を発しない。
  2. いったん深呼吸をします。
  3. 頭の中で6秒数えます。

これだけで、少し冷静になって言葉を選べるようにします。
場所を変えて、別室に移動して心を落ち着けてもよいでしょう。

脳の働きとして、怒りの発生から理性の発動までには6秒程度の時差があると言われています(※諸説あります)。そのため、イライラから「一息おく」ことで、感情の爆発をおさえやすくなると言われています。
ただ、この方法をとっても上手くいないこともあるかもしれません。2回のうち1回おさえられたら、上出来。
できなかったことよりも、できたことに目を向けてあげるようにしましょう。

最後に

ママもパパも不完全な人間です。できることも、できないこともあって当たり前。

ママもパパも不完全な人間です。できることも、できないこともあって当たり前。子どものためにと、○○すべき、○○であるべきなど、理想を追求し続けてしまうと、どんどん苦しくなって自己否定に陥ってしまいます。
子どものために、自分自身のことを後回しにしてしまうママやパパもいますが、まずは自分自身のことを愛してあげましょう。良い部分も、ダメな部分も、すべて自分だと自己受容すること。自分を許せない人は、他人に対しても許せなくなってしまいます。
あるがままの自分を受け入れることができれば、他人に対しても優しくなれるはず。ママやパパが自分自身を大切にできれば、子どもに対しても自然と寛容になれますよ。

文・聞き手:COE LOG編集部

カウンセラー:中井美香さん
カウンセラー:中井美香さん

自身の幼少期の辛い経験を生かし、アドラー心理学やアンガーマネジメント、NLPなどさまざまな心理学を学び、カウンセラー・講師として活動する3児のママ。

ママや子どもたちの「ふるさと」になれるような存在を目指して。「子育て」が「孤育て」にならないよう、ママの応援団としてサポートする子育て講座、子ども向け「7つの習慣」ファシリテーターとしても活躍。

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