腸内環境を整える食べ物|眠りも変わる!腸活のポイントとは

腸内環境を整える食べ物|眠りも変わる!腸活のポイントとは

腸内環境を整える「腸活」がさまざまなところで注目を集めています。コロナ禍での生活の変化で、生活リズムの乱れやストレス、運動不足など睡眠に悩む人が増えている昨今。腸内環境が睡眠にも関係することが分かってきました。今回は、順天堂大学医学部の小林弘幸先生と睡眠健康指導士の三輪田理恵さんに聞いた、快眠にも深く繋がる腸内環境のお話。腸内環境を整える食べ方のコツと食べ物、腸活のポイントをご紹介します。

脳と腸は繋がっている?脳腸相関

脳と腸がお互いに影響を及ぼし合うことを示す言葉に「脳腸相関」という言葉があります。

脳と腸がお互いに影響を及ぼし合うことを示す言葉に「脳腸相関」という言葉があります。強いストレスを感じたときにお腹が痛くなる、便意をもよおす、などの経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。
ストレスによって起きる「過敏性腸症候群」も、脳が自律神経を介して、腸にストレス刺激を伝えるからとされています。
この逆で、腸がなんらかの病原菌に感染すると、脳の不安感が増すということも分かっています。これは、腸内に常在する細菌が、脳の機能に影響するため。つまり、腸の状態が私たちの心にも影響を与えるということを意味しています。

腸内環境と自律神経

交感神経・副交感神経の整った状態

腸内環境と密接に繋がるものとして「自律神経」があります。
自律神経は、交感神経が朝から徐々に上がりはじめ、昼をピークにして夜に向かって下がっていきます。副交感神経は、昼から徐々に上がりはじめ、眠っている夜間をピークにして明け方に向かって下がっていきます。
この日動変動のリズムに従って生活することが、自律神経のバランスを整え、快眠にも繋がります。

腸内環境を整える食べ方

食事は、ただ栄養補給をするだけでなく、腸を動かすという意味でも大きな役割を担っています。
腸のぜんどう運動は、副交感神経の働き。食事をとると交感神経が優位になりますが、そのあとは副交感神経が働き、消化・吸収をおこないます。
このような自律神経の観点から、腸内環境を整えるためにおすすめしたい食べ方は以下の3つです。

食事は、ただ栄養補給をするだけでなく、腸を動かすという意味でも大きな役割を担っています。

朝起きたらコップ1杯の水をとる

起き抜けの水で胃腸が動き、自然な便意を促してくれること。水を飲むことで、腸のぜんどう運動を促し、体を目覚めさせてくれること。胃腸を刺激することで自律神経のバランスを整えてくれることなど、よいことずくめです。
ただし、寝ている間は唾液が減り、口内の細菌が増殖しています。歯磨きをしたあとに飲むようにしましょう。

1日1~2ℓの水を飲む

腸内環境が乱れている方、不眠に悩んでいる方に多いのが、水をあまり飲まないということ。
人間の体は60%が水でできています。このうち75%が細胞、25%は血液やリンパ液として体内にあり、私たちが生きていく中で必要不可欠な物質です。
人間の体は、暑い寒いに関係なく、1日に1~2ℓの水や汗を汗や尿として排泄しているため、排泄した分をきっちり補給してあげる必要があります。
コーヒーやお茶などに含まれるカフェインには利尿作用があるため、水分補給の観点でみるとあまり効果は期待できません。また、冷えた水を一気に流し込むと胃腸に負担がかかってしまうので、常温の水が理想。新鮮な水で1日1~2ℓの水分を補給しましょう。

1日3食の食事をとる

朝昼夜3回の食事で腸のぜんどう運動を1日3回起こすことで、腸の動きが活発になります。副交感神経が活性化して交感神経の過剰な高まりを抑え、腸内環境と自律神経のバランスが整います。
睡眠のホルモン「メラトニン」、覚醒のホルモン「セロトニン」など、さまざまなホルモンのバランスも整い、日中もパフォーマンス高く、健やかに過ごせるようになるわけです。
最近では、1日1食がすすめられることもありますが、腸内環境の視点でみると、1日1食・2食というのは刺激が少なすぎです。
また、体のために必要な栄養素は複数回に分けた方が効率よく吸収することができます。かといって、1日5食も6食も食べると今度は腸の刺激が強すぎてしまうことに。やはり、昔から続く1日3食が腸内環境を整える視点ではベストといえるでしょう。
ただし、3食すべてお腹いっぱい食べるのは、食べ過ぎ。腹6~7分目を目安によく嚙んで食べるようにしましょう。寝る前の食事は胃腸に負担をかけるので、晩ご飯は寝る3時間前に済ませることもポイントです。

腸内環境を整える食べ物

私たちの腸の中にはたくさんの菌がいます。その構成は、「善玉菌」が2割、「悪玉菌」が1割、そして腸の状態でどちらにも転じてしまう「日和見菌」が7割。

私たちの腸の中にはたくさんの菌がいます。その構成は、「善玉菌」が2割、「悪玉菌」が1割、そして腸の状態でどちらにも転じてしまう「日和見菌」が7割。
ストレスや生活リズムの乱れ、不規則な食事などで腸内の日和見菌が悪玉菌に転じてしまうと、便秘や下痢などを起こしやすくなります。
そのため、いかに日和見菌を善玉菌に転じるようにするか、善玉菌を活性化させるかが腸内環境を整える肝になるといえるでしょう。
ポイントとなるのは、食物繊維や発酵食品をどう摂取するかになります。

食物繊維・発酵食品を上手に取り入れよう

食物繊維には、不溶性・水溶性の2種類があります。
「不溶性食物繊維」は、水分を含むことで便のかさを増やし、腸のぜんどう運動を促進させます。「水溶性食物繊維」は、便の水分を増やし、排出しやすい状態にします。
どちらも腸内環境改善にかかせませんが、特に水溶性の食物繊維は善玉菌のエサとなるため、積極的にとるとよいでしょう。
また、乳酸菌などの発酵食品は、腸内の悪玉菌の増殖を抑え、善玉菌を増やします。ただし、乳酸菌は腸内にすみつくことはないため、一度にたくさん食べるというよりも、毎食・毎日少しずつとるようにしましょう。

不溶性食物繊維を多く含む商品例
さつまいも、ゴボウ、豆類、キノコ類、玄米など

水溶性食物繊維を多く含む商品
海藻類、アボカド、オクラ、リンゴ、大麦、納豆など

発酵食品
ヨーグルト、納豆、みそ、キムチ、チーズなど

腸活で熟睡できる体をつくろう

健康のベースは、食事・運動・睡眠と言われますが、不要なストレスは快眠の大敵です。

健康のベースは、食事・運動・睡眠と言われますが、不要なストレスは快眠の大敵です。腸内環境を整えることも、自律神経を整えることも、日々の生活の積み重ねで大きく変わっていきます。
毎日の食べ方や食べ物を変えるだけで、快眠体質となり、日中のパフォーマンスも上がるはず。できることから始め、腸活で熟睡できる体、元気な体をつくってくださいね。

『なぜ、あの人はよく眠れるのか』(主婦と生活社)の一部をCOE LOG用に再編集
文:小林弘幸、三輪田理恵

小林弘幸、三輪田理恵『なぜ、あの人はよく眠れるのか』(主婦と生活社)

眠れない原因は人それぞれで個人的なものであることも多いです。そのため、よくある「〇〇式睡眠術」「〇〇睡眠法」では対応できません。本書では、一冊で101の快眠メソッドを紹介。いろいろなメソッドを試せたり、複数のメソッドを掛け合わせたりして活用できるので、「最近よく眠れない…」という方にも、必ずぴったりの快眠法が見つかる「快眠大全」です。
小林弘幸、三輪田理恵『なぜ、あの人はよく眠れるのか』(主婦と生活社)

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