子どもの自己肯定感を高める!良い声がけ・悪い声がけ

子どもの自己肯定感を高める!良い声がけ・悪い声がけ

子どもが何か失敗してしまったときに「ほら、言ったとおりでしょ!」「勝手にしなさい!お母さん知らないからね」なんて言ってしまうことはありませんか?
日々の声がけで子どもの自己肯定感は育まれます。何気なく言った言葉が、子どもを追いつめる形になってしまうことも。そして、たった一言が子どもに自信を与えることもあります。
子どもの立場に立って、自己肯定感を高める良い声がけと悪い声がけについて考えてみましょう。

子育てアドバイザー 高祖常子さん

高祖常子さん(子育てアドバイザー、キャリアコンサルタント)
資格は保育士、幼稚園教諭2種、心理学検定1級ほか。NPO法人ファザーリング・ジャパン理事ほか各NPOの理事や行政の委員も務める。子育て支援を中心とした編集・執筆ほか、全国で講演を行っている。著書は『男の子に厳しいしつけは必要ありません』(KADOKAWA)、『感情的にならない子育て』(かんき出版)ほか。3児の母。

子どもを追いつめてしまう声がけ

ある日の出来事です。少し離れたところをお父さんと子どもが歩いていました。子どもはたぶん3~4歳くらい。すると風が吹いて、子どもの帽子がふわっと飛びました。目の前に落ちた帽子を拾ってかぶる姿を、私は微笑ましく見ていました。
すると、お父さんが「ちゃんとかぶってないからだろ!」と怒って、頭をパンと叩きました。にこやかな子どもの顔は、一瞬にして泣き顔に。そんなに強い叩き方ではなかったようですが、子どもは叱られたことに驚いて大声で泣き出しました。

通りがかりなので、もちろんその瞬間しか見ていませんし、親子の関係やその前にも何かあったのかなどはわかりません。でも少なくとも、お父さんが怒ったり叩いたりしていなかったら、子どもは泣くことはなかったと思います。

そんなに強い叩き方ではなかったようですが、子どもは叱られたことに驚いて大声で泣き出しました

子どもは、この場面でどんな気持ちになったでしょうか。その後は、また怒られないようにと帽子をしっかりかぶったり、飛ばないようにさらに抑えてみたりするかもしれません。楽しいお散歩は一変し、帽子を飛ばさないミッションに変わってしまうでしょう。こういった出来事が繰り返されると、何をするにも親の顔色をうかがい、失敗を恐れる子どもに育ってしまう原因となります。

怒るべきことなのか?を考える

この場面で帽子が飛んでしまったのは、風が吹いてきたからです。子どもがふざけて飛ばしてしまったのではありません。ご紹介した例に限らず、不可抗力ということは往々にしてあるもの。また不可抗力に限らず、子どもでも大人でも、誰にでも失敗はつきものです。

例えば、コップに入れた水を運んでいてこぼしてしまったとき。「ちゃんと持たないから、こぼすんでしょ!」と叱られても、どうするのが「ちゃんと持つ」ことなのかわかりません。ただ叱られたことだけが心に残り、子どもの自己肯定感を下げてしまいます。そして、「あ、こぼしちゃった」と、子ども自身がとても残念な気持ちになっているはずです。その上に親から追い打ちをかけるように叱られたら、さらに悲しくなってしまいますよね。

「ちゃんと持たないから、こぼすんでしょ!」と叱られても、どうするのが「ちゃんと持つ」ことなのかわかりません。ただ叱られたことだけが心に残るでしょう。

このような場合は「こぼれちゃったね」と事実を確認し、親も手伝えるなら「じゃあ、一緒に拭こう」と、失敗に対しての対処をすればいいですね。親がすぐ手伝えず、子どもが自分で動ける年齢なら「雑巾持ってきて、こぼれた水を拭いてくれる?」とアドバイスするのもいいでしょう。

声がけで、自己肯定感を高める

大人でも、子どもでも、誰でも必ず失敗はします。
子どもが失敗をしたときに気を付けたいのが、失敗に対して罰を与えるという意識を持たないこと。もちろん、自分の失敗は自分が責任を取るという考え方はあります。しかし、さきほどの水をこぼした場合でいくと、誰かが一緒に後片付けを手伝ってくれるのはうれしいものですよね。自分の味方がいるという安心感が子どもの自己肯定感を高め、失敗によって折れた心が元気になります。

そして、ここからが大事です。失敗したことについて、どこが悪かったのか、どうすれば良くなるのかをアドバイスしましょう。「お水の量が多すぎたね」「両手でこうやって持つとこぼれにくくなるよ」など。
「コップを持ってみてごらん」と実際にやってみるのもおすすめです。具体的に短い言葉で伝えることがポイントです。 もちろんそれで絶対にこぼさず運べるようになるわけではありませんが、こぼす回数は減るでしょう。こぼさず運べたら、「上手に持って運んだから、こぼれなくてよかったね」と認めるとよいですね。

経験を積み重ねていくことで、家族や友だちにも寄り添えるようになっていくのではないでしょうか

失敗をした時、誰かが手を貸してくれて一緒に後片付けをする。次にするときはミスを起こしにくい方法を学び生かしていく。また、誰かがミスしたときは責め立てるのではなく、ミスはカバーしつつ、一緒に解決していく方法はないかと考える。そんな経験を積み重ねていくことで、家族や友だちにも寄り添えるようになっていくのではないでしょうか。

最後に

赤ちゃんは、何もわからない、何も知らない状態で生まれてきます。失敗は成長の証、子どもが失敗をするのは当然と心得ておきましょう。失敗を重ねながら、だんだんと上手にできるようになっていきます。

水を入れたコップを運ぶ例を出しましたが、「絶対こぼさないで!」「こぼしたら後始末もしてね!」なんて言われると、緊張して、余計に手が震えてしまいそうです。「こうやって持って行ってね」と言われたら、安心してしっかり運ぶことができそうですよね。

自己肯定感を育むために大切なのは、上手くいっているときも上手くいっていないときも子どもの「味方」になってあげること。その上で、前向きな声かけを心がけていきましょう。

文:高祖常子

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