季節の変わり目だから?それともストレス?なんだか最近、体調がおかしい。ちょっとしたことにイライラしたり、気分が滅入ったり…それ、ひょっとしたら更年期の症状かもしれません。一般的に更年期は、40代後半~50代前半の方が該当します。そして、まだその年齢になっていなくても、心身が変化する30代後半~40代半ばは、プレ更年期と言われます。更年期は、女性であれば誰もが通る期間。セルフチェックと正しい知識を身につけ、対策をおこなっていきましょう。
更年期かも?簡単セルフチェック
- □ 顔がほてる
- □ 汗をかきやすい
- □ 顔や手足が冷えやすい
- □ 息切れ、動悸がする
- □ 寝付きが悪い、または眠りが浅い
- □ 怒りやすく、すぐイライラする
- □ くよくよしたり、憂うつになったりすることがある
- □ 頭痛、めまい、吐き気がよくある
- □ 疲れやすい
- □ 肩こり、腰痛、手足の痛みがある
出典:「女性の健康推進室ヘルスケアラボ」WEBサイト
※「女性の健康推進室ヘルスケアラボ」は厚生労働科学研究費補助金を受けた研究班で運営しているホームページです
仕事や家庭のことで忙しいと、ついつい自分のことは後回しにしてしまいがち。でも、更年期の症状は、閉経前後の年齢の女性であれば誰でも経験する可能性があるものです。チェック項目で当てはまるものが多い場合、「更年期障害」かもしれません。
更年期の症状は大きく3種類
更年期でどのような症状が起こるか、どの程度起こるかは、個人差が大きいです。ほとんど感じない人もいれば、寝込んでしまうほどひどい人も。
更年期の症状は大きく分けると3つに分類されます。
1)血管の拡張と放熱に関係する症状
ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、寝汗・発汗など
2)その他のさまざまな身体症状
冷え、ドライアイ・ドライマウス(粘膜の乾燥)、吐き気、下痢、便秘、胃もたれ・胸やけ、肩こり、腰痛、背中の痛み、関節痛、しびれ、手指の痛み・しびれ・変形、月経異常、膀胱炎、尿失禁、疲れやすさなど
3)精神症状
やる気がなくなる、イライラする、情緒不安定、不眠など
症状は多数ありますが、これらが他の病気からきているものではないことをきちんと確認することが大切です。
更年期障害の原因は○○の減少?
更年期の症状は、卵巣の機能の低下が原因。女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌が減少することで起こります。女性の閉経は平均50.5歳で、その前後5年間は自律神経失調症に似たさまざまな症状が出やすくなります。
エストロゲンが減少することで、脳は卵巣に対して「もっとエストロゲンを出して!」と指示を出します。その指示が脳に不要な興奮を起こしてしまい、自律神経の調節がうまくいかなくなることに。つまり、エストロゲンの急激な減少に身体が追いつかないことが、さまざまな不調を引き起こすのです。特に日常生活に影響を及ぼすほどの不調を「更年期障害」と呼び、治療を必要とします。
更年期のセルフケアや対処法は?
更年期の症状に対して、どう対処していけばよいのでしょうか。日頃の生活の中で気をつけていけることもいくつかあります。
① ストレスを溜めない
更年期の年代の女性は、子どものこと、親の介護、仕事のことなど、ストレスをためがちな世代です。身体の変化にストレスが重なると症状が重くなることも。いつもの7~8割くらいで自分にOKを出して、残りは自分をいたわる時間にしてあげることも大切です。自分なりのストレス発散法を見つけて、イライラをため込まないようにしましょう。
② 規則正しい生活習慣
基本中の基本になりますが、「食事・運動・睡眠」で正しい生活リズムをつくること。生活の乱れは、更年期の症状を悪化させる原因になります。
バランスのとれた食事で健康な身体をつくりましょう。運動をすることで、ストレスを解消し、身体の巡りがよくなり、代謝を上げることもできます。質の良い睡眠をとって心身ともに休めることも大切です。
また、更年期にエストロゲンが減少すると、骨の代謝に影響が出て、骨粗しょう症のリスクが高くなります。カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなど、骨をつくるための栄養を積極的にとりましょう。大豆製品は、エストロゲンに似た働きをするともいわれており、骨を強くするカルシウムも豊富に含まれているのでおすすめです。さらに、骨をつくるためにも、運動を心がけるようにしましょう。
③ 漢方薬・ホルモン治療など
症状がひどい場合は、迷わずに医療機関へ受診をしましょう。お薬をつかう場合は主に以下の3つで、一部の漢方を除き保険診療ができます。専門のお医者さんとしっかり相談できると安心ですね。
- ホルモン補充療法(HRT)
- 漢方薬
- 向精神薬
最後に
更年期に対して「女性を失ってしまう」というようなネガティブな思い、向き合いたくない気持ちもあるかもしれません。
でも、海外では「the change of life」、「Second Honeymoon」などと表現することもあるそう。閉経後は、生理の煩わしさからも解放されて、第二の人生を歩めるなどの「お祝い」的な意味も含まれています。
更年期を「不安なもの」ではなく、正しい知識を持ってポジティブに受けとめることで、症状が軽くなることもわかっているそう。誰もが必ず通る時期、「自分の心と体を見直すタイミング」と捉え、乗り越えていきましょう。
文:COE LOG編集部
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