「学習指導要領」というのを聞いたことはありますか?これは、文部科学省が定める学校のカリキュラムの目安で、約10年ごとに見直しされています。学習指導要領の方針を受けて、教科書や授業の内容も変わります。20年ほど前に「円周率3」が話題になったのを、覚えているかもしれませんが、これもその方針変更によるもの。この先10年の学びのスタンダードを作っていくともいえる新学習指導要領の導入は、子どもたちの学びに大きな影響を与えます。改定の節目の年となる2020年度~2021年度にどうなるのか?ママも知っておきたい変更ポイントをご紹介します。
いつから始まる?変更の目的は?
新学習指導要領は、2018年からの移行期間のあと、小学校では2020年度、中学校では2021年度から実施されます。新学習指導要領では「知識の習得」だけではなく、「未来を生き抜く力」に重きを置かれています。なぜならば、情報化・インターネット化が加速して、社会が大きく動いているから。目まぐるしい変化の中で、子どもたちが生きていく力の育成を目的に、新学習指導要領が導入されることになりました。
新しい学びで学校はどう変わる?
新学習指導要領の大きなテーマは、3つです。
- 主体的な学び
- 対話的な学び
- 深い学び
これまでの学校現場では、先生が生徒の前に立ち、生徒はノートに書く…という「一斉授業」が行われていました。
しかし、新学習指導要領では「どのように学ぶか」を重視。生徒が主体的に取り組む「アクティブ・ラーニング」の授業スタイルへと変更されます。クラスの中で仲間と話し合いながら、どのように考え、判断していくか…。暗記や問題を解くスピードを求めるのではなく、より良い答えをみんなで考える授業スタイルへ変わります。
もう1つのテーマとなるのは、学校での学びを子どもたちの未来に活かすこと。知識として「何を知っているか?」だけでなく、学んだことを土台にして、「何ができるようになるか?」という目線を重視します。
これからの授業では、生徒は知っている知識を組み合わせて答えを出したり、インターネットで必要な情報を集めたり…。受け身ではなく生徒自身で考えて、発表する機会も増加。授業で得た力を、将来も役立てることが目的です。下記では新学習指導要領によって、教科がどう変わるか見ていきます。
小学校教育はどう変わる?(一例)
「英語」の強化
英語に慣れ親しむため、小学校3・4年で「外国語活動」を導入。英語学習のスタート時期が、これまでの小学校5年から前倒しされました。
小学校5・6年からは、教科としての「外国語(英語)」が導入されて、授業時間が増加。正式な教科になります。小学校3年~6年で600~700単語程度の習得と、基本的な英文法を習得。これまでの中学1年生で学ぶ内容を、小学生から学びます。
「プログラミング教育」が必修化
文字入力や基本操作を学習。算数や理科などの授業で、プログラミングに触れます。プログラミングを体験しながら、「論理的に考える思考」の育成を目指します。
「道徳」を特別教科化
地域によってばらつきがあった道徳ですが、教科書をつくり、教科化されることになりました。年間34~35時間の履修時間も設定されます。ただし数値的な評価の対象にはならない方針です。
「国語」を強化
国語では「語彙力を伸ばす」「伝統や文化」に重点が。学習のベースとして、自分が考えていることを伝えるために、言語学習の必要性が注目されています。整理して文を書く力も重要視されます。
「社会」を強化
これまで社会は暗記科目のイメージがあったかと思います。ですが、インターネットで簡単に調べられるようになった今、社会の授業は様変わり。授業では、「なぜ、その出来事が起こったのか?」など歴史事実を用いて、生徒に考えさせる授業スタイルが導入されます。
中学校教育はどう変わる?(一例)
「使える英語」の習得
現状より、授業時間が増加。「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能にバランスを置いた授業へ。英語でコミュニケーションできる力の習得を育みます。
特に中学1年生の教科書は小学校英語の基本単語が増えたことにより、難しく感じるかもしれません。これまでは中学校での基本単語は1200語でしたが、新学習指導要領では1600~1800語へと増加。高校で学んでいた英文法の一部を、中学校で学ぶようになります。
「プログラミング教育」の充実
技術や家庭科の時間でプログラミングを実施。使い方を学ぶだけではなく、ネットワークやプログラミングによって「問題をどう解決するか?」という思考力を高めます。
「道徳」を特別教科化
中学校でも、教科書をつくり、教科化されることになりました。年間35時間の履修時間が設定されますが、こちらも数値的な評価の対象にはならない方針です。
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文:林日向子