小学校入学からあっという間に学年があがり高学年に。その先の中学校への進学準備や教育費のこともそろそろ考えておかないと、と思っている方も多いかもしれません。
公立中学の場合、授業料は無償ですが、中学校生活を送る中でさまざまな費用がかかってきます。
文部科学省による学習費調査のデータをもとに、公立中学における学費の平均や入学にかかる費用、塾代、気になる補助金制度などについて解説します。中学校進学前に、ぜひ確認しておいてください。
公立中学の学費は小学校の約1.5倍
文部科学省の平成30年度子供の学習費調査によると、公立中学の一人当たりに必要な学費は年間488,397円。
毎月に換算すると、月々40,699円の学費がかかることになります。
小学校で必要な学費平均は、年間約32万円、月々26,773円です。(※1)
小学校も中学校も授業料は同じく無償ですが、中学生になると毎月の学費は約1.5倍上がります。
食べる量も多くなったりお小遣い額もアップしたり、小学校の頃に比べ学費以外の出費も増えるかもしれません。小学校よりも学費が上がることを踏まえ、毎月の支出が増える中学進学に備えて家計のやりくりも見直しが必要になりそうですね。
公立中学にかかる費用の内訳
学費の内訳は「学校教育費」「学校給食費」「学校外活動費」と大きく3つに分かれています。
● 学校教育費:通学を含めて、学校教育においてかかる経費。
例)授業料、修学旅行・遠足費、PTA会費、クラブ活動費、制服・通学用品費、通学費など
● 学校給食費:学校において給食費として徴収する経費。
例)給食費
● 学校外活動費:学校以外の活動で支出する経費。
例)学習塾費、習い事費、図書費、パソコンや学習机等、家庭内でかかる学習用品費など
公立中学における学習費の内訳
学習費総額 | 488,397 |
内訳(単位:円) | |
学校教育費 | 138,961 |
学校給食費 | 42,945 |
学校外活動費 | 306,491 |
<平成30年度子供の学習費調査より/文部科学省>(※1)
内訳を見てみると、塾や習い事費を含む学校外活動費が学費の半分以上の割合を占めています。最低限、学校に支払う必要のある給食費や教育費などは年間で約18万円、毎月約15,000円です。習い事の数や学習塾にかける費用によって、各家庭におけるトータルの学費には差がありそうですね。
学年ごとの学費の内訳
学年ごとの年間における学費の平均は、1・2年生では43万~45万円台、3年生では約57万円です。1・2年生と3年生とでは年間で10万円ほどの差が出ています。
学費のうち、とくに3年生になり増えるのが塾などの費用です。3年生の学校外活動費は約40万円と、1年生の約20万円とくらべると、約2倍かかることがわかります。
高校受験に向けて塾に通う、夏期講習や冬期講習に通うなど、学習塾にかける費用が増え、3年生は学費が増えているようです。
また、中学校の場合は修学旅行以外に、1・2年生の間に学習の一環として林間学校やスキー教室などを行う学校もあります。その際は別途宿泊代などの費用がかかることもあるので、年間行事を事前にチェックして費用を見積もっておくと安心ですね。
<学年別の学習費総額> (単位:円)
学習費 | |
第一学年 | 456,582 |
第二学年 | 436,183 |
第三学年 | 569,348 |
<平成30年度子供の学習費調査より/文部科学省>(※1)
<学年別の学校外活動費> (単位:円)
学習費 | |
第一学年 | 218,197 |
第二学年 | 287,513 |
第三学年 | 408,187 |
<平成30年度子供の学習費調査より/文部科学省>(※1)
公立中学入学にかかる費用
中学校入学時に必要な費用としては以下のものが挙げられます。
- 制服、体操服、体育館シューズ
- 体育で使用する柔道着等
- 通学鞄、通学靴
- 通学に必要な自転車
- 通学のための交通費、スクールバス代
- 指定図書などの購入費
- 部活動の道具代
制服代などを含む学校教育費の内訳はこちらです。
<平成30年度子供の学習費調査より/文部科学省>(※1)
学用品などを含む公立中学の1年間に必要な学校教育費の平均は138,961円です。
そのうち、制服代などの通学関係費の平均は37,666円。
色々なものを買い揃える入学時には、意外とお金がかかるものです。
文部科学省の子どもの学習費調査によると、制服代などの通学関連費は平均およそ38,000円。学用品などにかかる費用は平均25,000円です。
入学にかかる費用は、これらの制服代や学用品代が最低限必要です。
通学関連費と図書学用品費を合わせると、6万円以上になります。
通学方法により通学費が異なりますし、学校により学校指定品の費用が異なるので、6万円以上は目安として参考にしてください。
公立中学校でも使える補助金制度
公立中学校でも、意外と教育費がかかると感じた方も多いかもしれませんね。
費用の負担が大きい場合には、小・中学校に通う児童に対して、「就学援助制度」という補助金制度が利用できます。
制度を受けるには所得制限があるものの、ひとり親世帯や生活保護世帯に限らず、小中学校に通う児童がいる世帯なら制度の対象です。
対象となる品目も、月々の学費や給食費に限らず、制服代などの通学用品や、バス・電車などの通学費も含まれます。(※2)
各市町村によって受給対象者や対象品目、金額などが異なりますので、詳細は市町村のホームページで確認してください。申請時期には学校からも全員にお知らせが配布されますので、忘れずに確認しておきましょう。
最後に
中学校に入学すると、塾や習い事費を含む学校外活動費が学校外活動費の負担が大きくなる傾向があります。
学校外活動をおこなうか否かでも子ども1人あたりにかかる費用は大きく変わってくるため、家庭内でよく話し合って決めるようにしましょう。
費用の負担が大きい場合には、補助金制度を検討するなど、計画的に準備ができるとよいですね。
文:中村美帆
あわせて読みたい
- 大学までの教育費の平均は?小学校の費用や公立中学の学費を解説
- 子供の習い事費用はいくら?年収との関係、考え方のコツ
- 高校授業料無償化、所得制限は?実質いくら準備すべき?
- 世帯年収1000万円以上でも家計が赤字?貯金なしから貯めるには
- お金を理由に大学進学を断念する人が7割以上って本当?
中村美帆(なかむら みほ)
出産を機に金融機関を退職後、ママファイナンシャルプランナーとして独立する傍ら、カラダとココロの健康をテーマにヨガ講師・おやつ講師として活動。地産地消にこだわった親子おやつ教室や児童施設でのキッズヨガ教室など子育て支援にも携わる。
また、地元のお茶農家と連携したお茶ブランドTEA BASE「三重県産デカフェ茶」の企画販売を手掛け、地域で地元経済を応援する仕組み作りを目指して、多方面にて三重の魅力を発信中。三重県出身。三児の母。
URL: https://teabase.stores.jp/
Instagram : @mihocoto