SDGsから子どもの将来の夢を見つける!未来マップとは?

SDGsから子どもの将来の夢を見つける!未来マップとは?

卒業文集の定番といえば「将来の夢」ですよね。スポーツ選手、パイロット、お花屋さん、最近だとYouTuberなど。ただ、小さな頃はいろいろと夢があったのに、大きくなるにつれてだんだん具体的な夢がなくなる子が多いようです。進路を考える中で、うちの子どもは大丈夫?と焦ってしまうママもいるかもしれません。今回は、SDGs(※)から「子どもたちが主体的に”未来の夢”を描く授業」があると聞き、COE LOG編集部が潜入。その様子をご紹介します。

※SDGs(エスディージーズ)とは: 「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年に国連で採択。「2030年までの達成をめざす17の目標」が掲げられ、世界中に広がり始めています。日本の小中学校でもSDGsを授業に取り入れたり、企業でも経営ビジョンに掲げたりするところが増えています。

「未来の夢を描く授業」って?

COE LOG編集部が潜入したのは、学校SDGs普及委員会(※)がおこなう、子どもたちが主体的に”未来の夢”を描く授業「夢×SDGs=MIRAI Map」。いつもは小学校・中学校・高校・大学などで出前授業をおこなっているそう。今回は、同じ内容をオンラインで大人向けに実施するということで、童心に返り参加させていただきました。

誰でも夢を描ける!ワークの流れ

大人向け「未来マップ」zoomミーティングの様子大人向け「未来マップ」zoomミーティングの様子

夢を描くって言われても、よく分からない・・・そんな子どもも大人も大丈夫。こちらのワークショップでは、楽しく質問に答えていったら、誰でも自然と自分のワクワクに繋がっていきます。そんな「未来マップ」は、次の流れで進めていきます。


<STEP1>

ゲーム① アサーション
普段から、自分の意見をきちんと言えていますか?
アサーションとは、コミュニケーションスキルのひとつ。相手を尊重しながら、自分の意見を素直に表現していくことです。
ゲームを通して、相手を元気づけたり励ましたりできる「言葉」のパワーを体感。自分が言われて嬉しい言葉を相手に伝えていきます。

ゲーム② コーチング
人から言われることよりも、自分でやろう!と思ったことの方がやる気が出ることありませんか?
コーチングは、質問によって相手の気づきや考え方、行動の選択肢を引き出すコミュニケーション。実際にペアを組んでコーチングをする人・される人になり、夢をかなえる行動計画を立てます。

<STEP2>

自己分析① 好きや得意を見つける
好きなスポーツ・好きな場所・好きなひと。得意な歌・得意な料理・得意なウソ。質問に答えながら、自己分析をします。
誰かと比べなくても大丈夫!自分が好きなことをたくさん見つけていきます。
そして、意外ですが、嫌いなこと・苦手なこともあった方がよいのだそう。それは、完ぺきな人よりも、弱みがある方がチャームポイントになるから。そして、自分が苦手なことは、他の誰かが活躍するステージともいえます。チームみんなで夢をかなえるのは、スポーツだけではなく仕事の世界でも同じですよね。

自己分析② 強味や興味を見つける
上手にできること、よく頼まれること、よくする親切。ワクワクすること、楽しいこと、つい考えてしまうこと。質問に向き合うことで自分の本当に思っていることが浮き彫りになっていきます。

<STEP3>

SDGsの学び
将来において、自分・他者・社会・地球が四方良しである夢を描くために、SDGs(エスディージーズ)を学びます。

国連が定めた17のゴールに関心をもち、その内容を理解し、その中でも特に何番への関心が高いのか?それはどうしてか?自分自身で考えてみます。

<STEP4>

未来マップ 中学生の作品例中学生の作品例

未来マップづくり
どんな夢も、描き、信じ、伝えることで叶います。ビジョンを言葉にしてビジュアル化することにより、私たちの脳は夢をかなえるための準備と行動を起こします。
9年後の2030年に自分・他者・社会・地球のすべてハッピーになる夢を「未来マップ」に描き、最後に発表をしました。


「自分の意見を言うのに抵抗がある」、「発表なんて恥ずかしい」という人でも大丈夫。最初に「批判をしない」などの対話ルールが決められており、グループワークでも自由にのびのび発言できます。さらに、ファシリテーターの先生達が盛り上げてくれるから、みんなと楽しくお話をし、夢中になって自分の未来マップを作成。最後に自分の将来の夢を発表して気分がグンと上がりました。
朝から始まりランチタイムを挟んで5時間。最初は長いかなと思っていましたが、いざ始まってみると時間が経つのが本当にあっと言う間です。
大人も子どもも、みんなが未来の夢が描ける・・・というのも納得の内容でした。

子どもと一緒に夢を描こう!

子どもと一緒に夢を描こう

大人も子どもも「夢がない」「目標がない」という場合、こんな理由かもしれません。

1)「○○が足りない」と考えている

○○には、「才能」「時間」「お金」などが入ります。人と比べてしまって、自分にはムリと制限をかけてしまうこともあります。
競争したり人と比べたりしている中で生活していると「ないこと」や「足りないこと」に目が向いてしまいがちに。
未来マップの「好きや得意を見つける」は、「ないこと」よりも「やりたいこと」「ワクワクすること」にフォーカスを当てます。
子どもとの会話の中で「好きなこと」「得意なこと」「楽しいこと」を多くすることで、可能性が広がるかもしれません。

2)「夢=職業」だと考えている

将来の夢は?と聞かれた時に、「お医者さん」「プログラマー」「パン屋さん」など、職業を答えなければいけないと思っている子どももいるかもしれません。
たとえば・・・

好きなこと、得意なことで探す
「自分の考えを伝えるのが好き」であれば、評論家、ジャーナリストなどもありますが、会社員として営業やコンサルタントになるという選択肢もあります。
「絵を描くのが好き」であれば、画家や漫画家もありますが、イラストレーター、WEBデザイナーの選択肢も。他に、営業としてプレゼンテーション資料を作る際にセンスがいかされることもあります。

興味のあるSDGsから探す

国際目標として掲げられているSDGsとは?

たとえば・・・
「SDGs2番:飢餓をゼロに」に興味があれば
政治家や官僚になる方法もありますが、農家になる、食品メーカーに勤めるなど、さまざまな選択肢があります。
「SDGs10番:人や国の不平等をなくそう」に興味があれば
会社員でも、公務員でも、社長でも、それを実現できる選択肢があります。いずれにしても、いろいろな可能性を広げてワクワクできる未来を描けるとよいですね。

最後に

普段から親子で一緒にワクワクできる楽しい夢の話、将来の話をできるとよいですね

イチロー選手は小学生の頃から「一流のプロ野球選手になる」いう将来の夢を掲げ、見事に実現しました。一方で、スティーブ・ジョブズは、若い頃から好きなモノにのめり込み、それらが最終的につながってアップル社の創業に至ったのは有名な話です。
そもそも、「将来の夢」は必ずしも必要ではないかもしれません。ただ、「好きなこと」「やりたいこと」のアンテナがなくなってしまうと、周りに流されるままになってしまう可能性も。
未来マップの作り方をヒントに、普段から親子で一緒にワクワクできる楽しい夢の話、将来の話をできるとよいですね。

文:三輪田理恵

※学校SDGs普及委員会 MIRAI Map Project 2020-30

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