子どもの言葉が遅い|原因と対策とは(1~3歳向け)

子どもの言葉が遅い|原因と対策とは(1~3歳向け)

子どもの言葉が遅いと、親としては心配になりますよね。雑誌やインターネットで見かける発達の目安と比べたり、周りの子と比べたりして気になってしまう方もいるのではないでしょうか。
ただ、言葉の発達は個人差がとても大きいものです。言葉が遅い原因と、1歳・2歳・3歳頃の子に向けてママやパパができる対策について、子どもの発達の専門家・カウンセラーのいしづかみほさんに伺いました。

いしづかみほ

カウンセラー:いしづかみほさん
子どもたちの言語コミュニケーションの力は、取り組み次第でいくらでも伸ばせます。言葉の発達は、個人差がとても大きいもの。人と比べて悩みすぎず、楽しみながらゆるやかに、ご紹介する方法を親子で試してみて下さいね。

言葉が遅い・早いの基準は?

家庭の中である程度の意思疎通ができていれば、お子さんの言葉が早いか遅いかということは、あまり気にならないのではないでしょうか。

家庭の中である程度の意思疎通ができていれば、お子さんの言葉が早いか遅いかということは、あまり気にならないのではないでしょうか。
けれど、一般的な発達の指標に当てはめてみた時や、同年代の子どもたちや兄弟姉妹と比べた時に「あれ?言葉が遅いのかな?」と、気になり始めたりしますよね。
一般的には、1~2歳までの間に「わんわん」「ママ」などの言葉や、「ママ、きて」「りんご、ちょうだい」などの二語文を話し始めると言われています。3歳頃には「ママ、おもちゃ、とって」や「ママ、パン、ちょうだい」などの三語文を話し始めるとされています。しかしながら、これはあくまでも指標のひとつ。
言葉の発達について、まず知っておいていただきたいのは、個人差がとても大きいということです。

言葉の遅れの原因と対処法

言葉の遅れの原因として考えられるものは、大きく分けて6つです。

  • 聴力の問題
  • 知能の問題
  • 発声のための運動機能の問題
  • 意欲の問題
  • 言語環境の問題
  • 感覚統合の問題

ひとつずつ、説明と対処法をご紹介いたします。

最初に確認したい「聴力」

文字を読めない0~3歳くらいまでの間、子どもたちは、耳から聞いた音と目で見た情報をすり合わせて言葉を覚えます。

文字を読めない0~3歳くらいまでの間、子どもたちは、耳から聞いた音と目で見た情報をすり合わせて言葉を覚えます。言葉の遅れが気になるならば、まずは聴力に問題がないかを調べましょう。
大きな音に振り向いたり驚いたりするか、背後から声をかけて反応があるかを、確かめてみましょう。もしも無反応なら、聴力に問題があるという可能性もあります。

知能や発声機能に問題はない?

耳は聞こえているようなのに、声が出ない。「あー」「うー」といった喃語(なんご)も出ないということであれば、発声のための運動機能や喉に問題があることも考えられます。

耳は聞こえているようなのに、声が出ない。「あー」「うー」といった喃語(なんご)も出ないということであれば、発声のための運動機能や喉に問題があることも考えられます。
かかりつけの小児科の先生に相談をしてみましょう。乳幼児健診などの機会を利用するのも良いのではないでしょうか。

また、耳は聞こえていても、話していることを理解していない、まったく目を合わせないなどの様子がないかも確認したいポイントです。
言葉の遅れ以外に気になる点があるようでしたら、脳の機能(理解・記憶など)の問題ということも考えられます。
ただこれは、非常に判断が難しいものです。かかりつけの小児科の先生はもちろんですが、お住まいの地区のこども発達相談センターなど、専門の機関に相談をしてみてください。
ひとりで、もしくはご家族だけで考えすぎないことが一番。家族以外の大人の目でも、客観的に総合的に診てもらいましょう。

話す意欲がない?

言葉が遅いのは、まだ話す意欲が十分ではないからかもしれません。「伝えたい」という意欲。それが、言葉を習得するパワーの源です。

言葉が遅いのは、まだ話す意欲が十分ではないからかもしれません。「伝えたい」という意欲。それが、言葉を習得するパワーの源です。
言葉を発するのは、自分の思っていること、自分の状態を相手に伝えたいから。そして、相手の思っていること、相手の状態を知りたいからです。
生活する上で必要になる伝達事項も、私たちは主に言葉で伝えていますよね。泣いて不快を訴えるのも、この不快を一刻も早く取り除いてほしいという欲求が元となっています。
ママ・パパは、お子さんの話す意欲が高まるようなコミュニケーションを取り入れてみてください。
乳児のうちは、目を合わせ、心をつなげることが大切です。「ミルク飲む?」「おむつを取り替えるよ」「抱っこしようね」と、穏やかな声で話しかけてみましょう。

子どもたちが少しずつ、こちらの言うことを理解し始めたら、ボディサインを取り入れてコミュニケーションの楽しさを味わうというのもおすすめです。
例えば、「おいしい」のサインは頬を触る、「ちょうだい」のサインは両手を差し出す、など、簡単なもので大丈夫です。
この「おいしい」のサインを取り入れていたご家族は、食事の時間をとても楽しんでいらっしゃいました。ごはんをひと口食べるたびにお子さん(1歳前後)が頬を触り、ママたちが「おいしいね」と応えるといった具合です。
ボディサインの意味を周りの人にも伝えておくと、お子さんが意思疎通できる相手が増え、コミュニケーションをより一層楽しむことができるでしょう。
コミュニケーションって楽しい!そう感じられることも、意欲につながりますよね。

お子さんの発する音が、喃語から「まんま」「わんわん」「ブーブー」などの言葉に近いものになったら、お子さんの言葉に耳を傾けてみましょう。仮に意味がわからなくても、耳を傾けます。
耳を傾け「あなたのことが知りたいの!」とママやパパの気持ちを伝えることも、とても大切です。

言語環境の見直しが必要な場合

話すことはできなくても、子どもたちは言葉を聞いています。聞いた言葉の蓄積が、ゆくゆくは言語として彼らの口を通して出てくるのです。

話すことはできなくても、子どもたちは言葉を聞いています。聞いた言葉の蓄積が、ゆくゆくは言語として彼らの口を通して出てくるのです。どんなことでもかまいません。日常にあるさまざまなものや出来事、感じたことを言葉にして伝えてみましょう。

目にするもの、手に触れるものとその名前が合致して初めて「ママ」「わんわん」などの言葉を覚えるのです。

まだはっきりとした言葉が出ない頃でも、言葉以外のサインをしっかり観察し、それをママやパパが言語化してあげましょう。「何か探しているのかな?」「抱っこしてほしいのかな?」など、行動と言葉を結び付けて耳に入れてあげるのです。
お子さんに話しかける際、大人自身が、自分の使っている言葉や会話の癖を見直すことも重要です。単語で話していませんか?言葉遣いはどうでしょう?わかりやすさや声のトーンはどうでしょう?子どもたちは時に、驚くほど正確に、家族の使っている言葉や表現方法を再現するものです。

体験不足のことも

言葉は出てきたけれど、二語文、三語文にならない場合、会話の体験が不足していることもあります。

二語文・三語文を話さないのは、

  • そもそも家族の会話が単語でほぼ成り立っている
  • 何か言わなくても、先回りして何でもやってもらえる
  • 兄弟姉妹が代弁する

などの原因が考えられます。

日頃一緒にいる家族はだいたいなんでもわかってくれるので、特に努力や工夫をしなくても、少々言葉が少なくても、日常生活にはなんの支障も出なかったりするものです。
そんな時には、家族だけでなく、いろんな人とコミュニケーションをとる機会を作りましょう。同じ年頃のお友だちや、ちょっとだけ年上(あんなふうになりたい、同じように話がしたいと思うような相手)、ちょっとだけ年下(お世話をしたい、教えてあげたいと思える相手)と遊ぶ時間も、とても良い刺激になります。
ママやパパの通訳なしで、普段一緒に過ごしていない大人と会話をする時間があっても良いですね。
伝わりづらい相手との会話は成長のきっかけを与えてくれるものになるはずです。

アプローチの方法は無限

絵本の読み聞かせや、動画を見ることも、語彙を増やしたい時に有効です。絵や写真、映像は、ほんとうに便利。言葉と視覚情報が組み合わさることで、語彙は格段に増えます。

言葉を覚える時のポイントは、

  • 繰り返し
  • インパクト
  • 多方向から刺激を入れる

の3つです。

毎日のように繰り返し使う言葉は覚えますよね。一方、めったに使わない言葉でも、強烈な体験を伴うと脳に刻まれるということも。また、音だけではなく、映像や触覚と組み合わせると、多方向から刺激を入れることになり覚えやすくなります。

感覚統合という視点を持つ

コミュニケーションスキルの獲得というのは、実は、土台となる感覚の統合が進まないと難しいものです。

コミュニケーションスキルの獲得というのは、実は、土台となる感覚の統合が進まないと難しいものです。
感覚の統合とは、脳に入ってくるさまざまな刺激を交通整理するしくみのこと。
言葉を使ったコミュニケーションをとる以前に、音や視覚情報といった外からの刺激で頭の中がいっぱいになると、その刺激の交通整理をするのに脳が忙しくなってしまいます。そうなると、相手に意識を向け、言葉を選びコミュニケーションをとること自体が難しくなってしまうのです。

会話も多く、いろいろな人と話す機会もたくさんあるのに、コミュニケーションがうまくいかない場合には、感覚統合がうまく進んでいないことも考えてみてください。
お住まいの地域の子ども発達相談センターや療育相談ができる窓口へ行かれることをおすすめします。

最後に

言葉を覚えるのは何のためでしょう。その原点は、「コミュニケーションって楽しい!」「伝わるって嬉しい!」だったはず。

言葉を覚えるのは何のためでしょう。その原点は、「コミュニケーションって楽しい!」「伝わるって嬉しい!」だったはず。人と比べすぎて悩んだり苦しくなったりする時には、ぜひ、この原点に立ち返っていただきたいです。

言葉の習得に限らず、人は一生成長するもの。人生のどこの場面で何をどう身につけるかは、千差万別なのです。
子どもたちの言語コミュニケーションの力は、取り組み次第でいくらでも伸ばせます。そしてそれは、私たち大人自身のコミュニケーションの仕方を見直す機会にもなり得るものです。お子さんと一緒に、楽しみながらゆるやかに、取り組んでいただければと思います。

文:いしづかみほ

大手進学塾の講師を経て、不登校、発達症、虐待とネグレクト、愛着障害等々の教育相談と学習指導、カウンセリングを20年にわたり行ってきた。漫画家。イラストレーター。カウンセラーでセラピスト。
著書「マンガでわかる!発達症との向き合い方」(impress Quick Books)

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