まちのことを「自分ごと」に!市民・行政・企業で取り組む日野リビングラボ

まちのことを「自分ごと」に!市民・行政・企業で取り組む日野リビングラボ

市民・行政・企業など、社会を構成する背景の異なる多様な人々の協働により、より良い地域づくりの可能性を探るCOE LOG。昨年はNPO法人ミラツク研究員の森雅貴さんを講師にお招きし、共創のしくみ「リビングラボ」について学びました。

リビングラボとは、テーマに基づいて、市民やユーザーの声を拾い上げ、ものづくりやサービス開発を共創する手法のこと。「市民主体の共創型社会実験」ともいわれます。

リビングラボの活用は欧州を中心に広がっていますが、日本のなかでも、とくに中部地域ではまだまだ珍しい取り組みです。そこで今回は、実際に活動している地域のリビングラボを見学に行くことにしました。お邪魔したのは東京都日野市の「日野リビングラボ」。そこでは、市民・行政・企業が気持ちをひとつに、より良いまちづくりを目指していました。

課題の存在が、共創につながった

日野リビングラボは住宅街の一角にあります。カフェのようなあたたかい雰囲気の中、多くの方がテレワークをしていました。当日おこなわれていた社会人向けセミナーは、平日にも関わらず満員です。

ラボは頻繁に利用され、にぎわっている様子でしたラボは頻繁に利用され、にぎわっている様子でしたラボは頻繁に利用され、にぎわっている様子でした

日野市では1990年代から市民の声を聴いて施策に活かす取り組みが行われています。そこには日野市がすでに抱えていた多くの課題があったからだと、日野市 経営企画課の中平さん、鈴木さんが教えてくれました。日野市では全国的にも早期に大規模な集合住宅が建設されたため、発展するまちの課題にいち早く対応する必要がありました。地場産業の発展と衰退も影響しています。複雑化するまちの課題を前に、自然に市民による活動やリビングラボの考え方につながっていったと考えられます。

リビングラボでは、共通認識を持つことが重要

中平さんによると、多岐にわたるステークホルダー間で、共通認識を持つことが重要だったそうです。

「始めたころは<リビングラボ>という言葉に住民から疑問の声もありました。企業もマーケティングとして利用するのではなく、対等な立場で共同実験をおこなうのだという認識を持ってほしかった。行政からは補助金ではなく、環境支援をするのです。こういった三者それぞれの立場について、理解してもらえるように対話を重ねました。共創が文化や風土として根付かせるのが理想です。」

たくさんのお話を聴かせていただきました。たくさんのお話を聴かせていただきました。ありがとうございました!

鈴木さんは、足しげくさまざまな人のもとへ通い、何度も説明することで、理解を得てきたといいます。

「リビングラボの浸透のために、とにかく会いに行って説明するようにしていました。PRも大切だと思い、分かりやすいパンフレットを作ったり、ブランディングのためのロゴをつけたり、ポータルサイトも準備しました。さまざまな手を尽くした結果、若い方からも興味を持ってもらえて、嬉しかったですね。」

リビングラボで、まちのことを「自分ごと」に

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日野リビングラボでは、夕方からイベントが開かれます。この日は市民による活動報告です。仕事が終わった会社員や主婦、高校生など、参加者は多彩です。企業と一緒に取り組んだこと、やってみたいこと……それぞれの報告に対し、「それなら知り合いに良い人がいるよ!」「教えるよ!」と手を貸す場面が多くみられました。まちのことを「自分ごと」として語り合う市民の皆さんは、とても生き生きとしています。

文:奥村香保里 撮影:奥村香保里

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