2020年4月、新型コロナウイルスの感染が広がったことで、緊急事態宣言が発令され、学校の休校や外出の自粛が要請されました。子どもの年齢、地域、就いている仕事などによって、置かれていた状況は千差万別。ただ、いつも通りの生活が出来なくなっていたことは、みんなに共通しています。
この状況で、子育て中のお母さん・お父さんが「困っていること」。そして「工夫していること」をCOE LOG編集部で調査しました。
調査をしたのは、2020年4月16日(木)~22日(水)。愛知県を中心に全国25名のお子さんを持つお母さん・お父さんに自由記述で回答をいただきました。お子さんの年齢は、乳児~高校生までと幅広くなっています。
子育て中のママ&パパの「困っていること」は?
子どもについて困っていること
- 出かけたくても、出かけるところがない
- 勉強をしない、勉強が遅れてしまう
- 習い事にいけない
- ゲームやインターネットばかりしている
- 動画やテレビに頼りがちになっている
- 生活リズムが乱れてしまう
- 子どもが園の先生とやっと仲良くなれたのに、休園明けにまた苦労してしまう
- 遠方に住む子どもが、家に帰れない
……など
外出自粛、どうしても、テレビに頼りがちに
ママ&パパ自身について困っていること
- 食事を毎日3食作るのが大変
- 毎日同じでマンネリ、曜日の感覚がなくなる
- 在宅勤務で、子どもの相手をしながら仕事をするのが大変
- 仕事が休めず、保育園に預けていることに罪悪感がある
- 仕事が休めず、休校中の子どもに対してケアができない
- 仕事の落ち込みによる、今後の不安
……など
そして、子ども、大人ともに多かった回答が、
- ストレスがたまる
- 運動不足
- 友達と会えない
でした。
「困っていることしかない……」
「本当に困っている人は答えられないのでは?」
そんな声もありました。
誰もが経験したことのない状況に直面している今。
毎日の生活でどのような工夫をしているのか、みんなから寄せられた回答をご紹介します。
子育て中のママ&パパの「工夫していること」は?
新型コロナウイルス対策について
- 買い物は1人で、なるべく短時間で済むようにあらかじめ買うものをメモに書いて準備してから行きます。
(お子さん5歳、11歳/愛知県・女性) - 外出したときの食事は、テイクアウトかドライブスルーを利用しています。
(お子さん8歳、11歳/長野県) - 人のいない朝の時間に散歩しています。
(お子さん4歳、7歳/愛知県) - 手洗いをしっかりしています。
(お子さん3歳、4歳、5歳/愛知県・男性) - 新型コロナに関する情報を必要以上に読み続けるのをやめました。情報にどっぷりはまると不安になってしまうので、あえて情報を遠ざけて、自分を守るようにしています。
(お子さん5歳、7歳、8歳/新潟県)
運動不足解消について
- 家で出来る運動をやらせています。筋トレ大会、縄跳び大会、自宅周辺での階段でインターバル、スラックラインなど。
(お子さん5歳、12歳、14歳/愛知県・男性) - 体を使うゲームをさせます。土日のどちらかは公園に行って、運動不足の解消も。
(お子さん7歳、10歳、13歳/愛知県・女性) - 家の駐車場で縄跳びをして、回数目標を与えて運動不足を解消しています。
(お子さん4歳、6歳/愛知県・女性) - 在宅勤務をしていますが、お昼休みはお弁当を持って、人のいない公園までお散歩をしています。
(お子さん8歳/愛知県・女性) - だらだら過ごす休校中の娘には、家事を「手伝え」とは言いません。「助けてくれ」と声をかけ、終わったら「ありがとう、助かったよ」と声をかけると素直に動いてくれます。家の中で運動不足を解消するには家事をするのが一番です。
(お子さん13歳/埼玉県・男性) - 近所のお散歩。子どもの頃に行った場所を思い出しながら散歩しているので、意外と楽しいです。
(お子さん3歳、4歳、5歳/愛知県・男性)
生活リズムについて
- なるべく生活リズムが崩れないように、草むしりなど外でできるお手伝いをさせて日光浴をするようにしています。
(お子さん8歳、11歳/長野県・女性) - できるだけ保育園に登園している時と同じように一日を過ごしています。早寝・早起き・朝ご飯、学習の時間、YouTubeで体操の時間、お昼寝など。生活習慣を崩さないようにすることを意識しています。
(お子さん6ヶ月、4歳、6歳/富山県・女性)
学習について
- 子どもに朝、1日の時間割を自分で作らせて、それを守れるように声がけをしています。
(お子さん7歳、10歳、13歳/愛知県・女性) - 勉強をずっとやらせるのは難しいので、午前中1時間など時間を決めてやらせるようにしています。
(お子さん5歳、12歳、14歳/愛知県・男性) - 好きに遊ばせることで、自分の好きなことを考えさせています。タイマーを使って時間管理も自主的に。あえて手伝わず、自分で考え、工夫し、チャレンジさせています。
- オンラインで学べるものを一緒に探したり、勉強用のアプリをタブレットに導入したりしています。
(お子さん4歳、7歳/愛知県・女性) - ゲームやテレビの時間が長くなってしまうので、本屋さんで買ったワークを活用しています。
- 子どもが興味を持ちそうなマンガや本を用意し、読書感想文を書かせています。
(お子さん8歳/愛知県・女性) - 居酒屋を経営していますが、営業時間外にお仕事体験をさせています。掃除をしたり、料理を作ったり、楽しんでやってくれています。トイレの壁に絵も描いてくれました。コロナが収束したら、たくさんの方に来店して、子どもの力作を見ていただきたいです。
(お子さん9歳、14歳/愛知県・男性)
オンラインの活用について
- いろいろなオンライン講座を受講して、家の中で楽しんでいます。ネンネトレーニングや、建築セミナー、歯科予防セミナーなど。
(お子さん7ヶ月/愛知県・女性) - 子どもの友達と、LINEのビデオ通話をしたら盛り上がりました。
(お子さん4歳、6歳/愛知県・女性) - 子どもの友達にzoomのお誘いをしています。
(お子さん4歳、7歳/愛知県・女性) - 外に飲みにいけないのでオンライン飲み会をしました。思っていた以上に楽しいです。
(お子さん1歳/愛知県・女性)
気分転換・楽しむ工夫について
- 保育園に行けないので、ママが先生役になって「保育園ごっこ」をします。また、一緒にお菓子作りをするなど、家の中でできる遊びをしています。
(お子さん2ヶ月、2歳/愛知県・男性) - 普段なかなかやらない家族での遊びをしています。かくれんぼやカードゲームなど。
(お子さん5歳、12歳、14歳/愛知県・男性) - 楽しく過ごせるように、庭でバーベキューをしました。飯ごうでご飯も炊きましたよ。
(お子さん15歳、17歳、18歳/長野県・女性) - あまり外出が出来ない分、季節感のあることを家の中でしています。鯉のぼりを作ったり、道に落ちている桜の花びらを飾ったり、ヨモギを摘んでお餅にしたり。
(お子さん1歳、4歳/三重県・女性) - あつまれどうぶつの森switchのゲームを家族みんながそれぞれやったら、共通の話題ができました。
- 桜の季節に娘と一緒に散歩して、景色を楽しみながらおしゃべりできました。
(お子さん10歳、12歳/愛知県・女性) - 市場で魚を買って、子どもにさばいてもらっています。最初はYouTubeでやり方を見ながら、1時間以上かけてお刺身カットに。クロダイ、ブリ、サワラ、いろいろチャレンジして、今では次男(9歳)がマイ包丁まで手に入れて職人のようになっています。
(お子さん5歳、9歳、12歳/愛知県・男性)マイ包丁で魚をさばく
- マンションのベランダで気分転換をしています。プランターに種をまき、毎日水やり&観察など。また、机を出して外で勉強したり、食事をしたりもしています。
(お子さん7歳、10歳、13歳/愛知県・女性) - 家遊びでは、飽きさせないようにおもちゃを定期的にローテーションしています。いったんおもちゃを隠して、少したってから出す、など。
(お子さん2歳/神奈川県・女性) - 室内でずっと遊んでいると子どももストレスがたまるようなので、お休みの日は庭でランチを食べたり、遊んだりして過ごしています。
(お子さん8ヶ月、4歳/茨城県・女性)天気の良い日に庭でランチ
子どもが自分から工夫していることについて
- 長男は、ネットショップを開設したり、動画配信をしたりしています。次男は、クッキーやマカロン作りに挑戦。三男は、よく寝るようにしているみたいです。
(お子さん15歳、17歳、18歳/長野県・女性) - 学校の休校が決まったらすぐにギターを買いに行って、家で練習しています。
(お子さん16歳/愛知県・男性) - 時間があるため、制作意欲に火が付いたようで、LINEスタンプもどきのイラストをたくさん描いて自慢してくれたり、公園で摘んできた花を押し花にして栞を作ったりしていました。
(お子さん7歳、10歳、13歳/愛知県・女性)イラストと、押し花の栞
- 長男は趣味のマジック、次男はお城のネタをひたすらパソコンで見ています。彼らなりに家で楽しもうとしている姿を見ると、大人が頑張らないと!と思います。
(お子さん10歳、13歳/愛知県・女性)
最後に
「久しぶりに家族とゆっくり過ごす時間ができた」
「当たり前にあるものの有り難さを感じている」
「大変な時だからこそ、人のあたたかさが身にしみる」
など。
今だからこそ見て、聞いて、感じられることがあるという声も多くありました。
みんながそれぞれ置かれた状況、環境で、工夫をして過ごした時間。
ご紹介した「工夫していること」の中で1つでも参考になるものがあればうれしいです。
次回は、「子育て世代のストレス解消法」を特集していきます。
調査:COE LOG編集部/写真:回答者提供/文:三輪田理恵