だれでも満喫できる! 遊び心いっぱいの 「ゆるスポーツ」

だれでも満喫できる! 遊び心いっぱいの 「ゆるスポーツ」

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この記事は「中日こどもウイークリー」で2025年5月17日に掲載された記事を転載しています。


ユニークで、だれでも楽しめる競技「ゆるスポーツ」を知っていますか? 遊び心にあふれたルールと名前が特徴で、競技数は120種類以上。小学生が作った競技も増えており、「ゆるスポーツ」を考えた沢田智洋さん(43)は「新しいルールを作ることは、すごく学びになる」と言います。

スポーツ弱者をなくすために

「500歩サッカー」「ベビーバスケ」「イモムシラグビー」「ハンぎょボール」「顔借競争」。面白そうな名前が並びますが、これらは全て「ゆるスポーツ」です。

「ゆるスポーツ」は運動が得意でなかったり、障害で体が動かしにくかったりしてもできるようにルールを工夫しています。スポーツが苦手だったという沢田さんが「スポーツ弱者をなくそう」と2015年、「世界ゆるスポーツ協会」を立ち上げました。

ベビーバスケをプレーする人たち(写真は世界ゆるスポーツ協会提供)

例えば「500歩サッカー」は「500歩までしか動けない」というルールがあり、普通のサッカーのように走ると、すぐ500歩に達して退場に。ただし止まって休むと歩数が回復し、また動けるようになります。これなら足が速くなくても、たくさん走る体力がなくても楽しめます。

「イモムシラグビー」は専用のウエアを身に着け、腹ばいで進むか転がるしかできません。「ベビーバスケ」では、激しく動かすと、ボールが赤ちゃんのように泣き出してしまいます。

笑えて社会のためになる

「ボッチャ」や「モルック」など、年齢や障害の有無に関係なく楽しめる「ユニバーサルスポーツ」と少し似ていますが、大切にしている5つのことがあります。「笑える」「面白い」という要素に加え、障害がある人も楽しめるようにしたり、スポーツで地域を活気づけたりと、社会的課題を解決するように心がけています。

「ボッチャ」や「モルック」など、年齢や障害の有無に関係なく楽しめる「ユニバーサルスポーツ」と少し似ていますが、大切にしている5つのことがあります。

2024年12月には、世界ゆるスポーツ協会が監修した児童生徒向けの本「ゆるめて解決!ゆるスポーツからはじめよう」(ほるぷ出版)も出版されました。ゆるスポーツの紹介や作り方だけでなく、スポーツを作る時に学んだ考え方を生かして、普段の生活での問題点を解決することを提案しています。

「ゆるスポーツ」の「ゆる」には、がちがちに固まった考えを「ゆるめる」という意味合いがあります。難しかったり、楽しくなかったりすることを少しゆるめて快適に。本では、楽器の演奏や学校・公園でのルールなどを取り上げています。

作り手は子どもたち!

地域が持つ魅力を生かす観点から、協会は2019年から「ご当地ゆるスポーツアワード」を開いていますが、今や主役は子どもたち。第3回、第4回と、小学生がクラス単位で応募した案が連続でグランプリに輝いています。

沢田さんも「子どもたちは頭が柔らかい。『参りました』というアイデアがしょっちゅう出てきます」と驚きを隠せません。

面白くて、社会のためにもなる。新たなスポーツを作るって、やりがいがありそうですね。「新しいルールを作るには、さまざまな能力や知識が必要になるから、結果的にいろんな科目の勉強になります。ぜひ、『ゆるスポーツ』を作ってみてほしい」。沢田さんは、そう願っています。

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