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野球の本場アメリカ大リーグで大谷翔平選手(29)の快進撃が続いています。活躍の場を名門チームのドジャースに移した今年は、投打の二刀流ではなく打者に専念し、「2番・指名打者」が定位置に。打率もホームラン数も抜群の成績です。でも、そんな強打者が花形の4番打者じゃないのはなぜでしょう?
打順って?
9人の打者の打つ順番のことです。うまく打ち返したり四球を選んだりして塁に出ると、一塁、二塁、三塁と回ります。無事に本塁にかえると点が入ります。
最大のチャンスは一~三塁を攻撃側の選手が埋める満塁の場面。ホームランで4点入るからです。そうしたチャンスは4番打者とその前後の3番、5番に集まると考えられています。
大谷選手は日本ハムファイターズ時代、主に3番を務めていました。その時の4番は、今は中日ドラゴンズの中田翔選手(35)。2人の活躍などでファイターズは2016年に日本一になりました。
アメリカでは
2018年から昨年まで6年間プレーしたエンゼルスでの1年目、大谷選手は初めて「2番・指名打者」で起用されました。その時は「なじみのない打順なので、うまくできるかなと思った」と話していました。
日本には、1年に40本以上のホームランを打つ大谷選手のような2番打者はなかなかいません。1番が塁に出たら、2番の役目は仲間を次の塁へ進めること。時には自分がアウトになる「送りバント」でチャンスを広げ、3番、4番に後を託します。ドラゴンズでは今年、身長166㎝と小柄な田中幹也選手(23)が2番で多くの試合に出ています。
一方、アメリカでは193㎝の大谷選手以外にも大柄な2番が目立ちます。2022年に62本のホームランを打ったヤンキースのアーロン・ジャッジ選手や、昨年の世界大会でアメリカ代表のキャプテンだったマイク・トラウト選手がそうです。
とにかく先取点!
日本とアメリカの野球の違いに詳しい東京中日スポーツの内田修一記者は「そもそも大リーグでは、送りバントをあまりしない」と言います。2番に強打者を置く理由については「1番が塁に出たら、2番の長打で点を取ろうという考え方がある」と説明します。
「良い打者をできるだけ多くの打席に立たせて得点を狙うのがアメリカ流。だから大谷選手に求められているのは、ヒットを打てば点が入る場面での活躍です。試合を見る時は得点圏打率に注目してください」と話しています。
6月中旬、不動の1番打者だったベッツ選手の負傷により、大谷選手が1番に。すぐに4年連続となる20号本塁打を放つなど、先頭打者になっても勢いは変わりません。
この記事は「中日こどもウイークリー」で2024年6月15日に掲載された記事を転載しています。