サボテンを食べて免疫力アップ! 整腸作用も確認

サボテンを食べて免疫力アップ! 整腸作用も確認

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この記事は「中日こどもウイークリー」で2025年11月1日に掲載された記事を転載しています。

観葉植物としておなじみのサボテン。サボテンを食べると、整腸作用や免疫力を上げる効果があり、健康にも良いことが分かってきました。サボテンを研究する中部大(愛知県春日井市)の研究室を訪ねました。

春日井市は全国有数の産地

サボテンの1種であるウチワサボテンは、メキシコなどでサラダやスープに入れて食べられています。うちわのように丸くて平たい形です。50 品種以上ありますが、春日井市内では食用として、柔らかさが特徴の「マヤ」と、大きくて肉厚な「バーバンク」が栽培されています。

春日井市は、サボテンの全国有数の産地です。中部大は2024年、サボテンの新たな活用法を探ろうと「サボテン・多肉植物研究センター」を設立。新しい品種や、サボテンを活用した食料の開発などを研究しています。

マウスのふん増加

准教授の田中守さんは、主にサボテンの健康効果を研究しています。これまで、サボテンを食べると血糖値や中性脂肪を減らす効果が報告されていました。そこで、サボテンが免疫機能に与える影響を調べようと、ネズミを使って実験。パウダー状にしたサボテンをえさに混ぜて4週間与え、効果を調べました。

准教授の田中守さん中部大准教授・田中守さん

すると、サボテンパウダーを食べたネズミは、食べていないネズミに比べて、ふんの量が約1.5倍という結果が出ました。ふんの中に含まれる成分「ムチン」の量も約3倍に。ムチンは腸の表面を覆っていて、ウイルスや細菌が体に侵入することを防ぐ役割があります。

ネズミの血液も調べたところ、ウイルスなどを検知して排除する抗体も増えていました。こうした研究結果から田中さんは、サボテンは免疫力を高め、腸内環境を改善する効果があると結論づけました。

研究結果は2025年4月、医療学術雑誌に掲載されました。その5ヶ月後には、サボテンが腸内細菌の種類を増やし、体に脂肪をためにくくする効果があることも発表しました。

田中さんによるとサボテンは温暖な環境で育ちやすく、水がなくても1週間枯れないことから、地球温暖化に対応できる植物として注目されています。「現在はネズミでの実験ですが、ヒトで実験した場合も同じような効果が得られるか研究を続けたいです」と話し、「いずれは日本でサボテンがたくさん食べられるようにしたいです」と意気込みました。

青臭さなく しゃきしゃき食感

健康に良いサボテンのお味はいかに。田中さんに「マヤ」という品種のサボテンをもらい、おすすめの調理法で食べてみました。

まずはだしじょうゆあえ。ピーラーで細かくスライスしたサボテンをだしじょうゆであえ、かつお節をのせました。オクラのような粘り気があり、しゃきしゃきの食感が楽しめるさっぱりした1品です。

次にスライスしたサボテンをベーコンで巻き、フライパンで焼いて焼き肉のたれで味付けしました。こちらはベーコンの油分と合わさってサボテンの青臭さが消え、食べやすい仕上がり。粘り気も減ります。食用サボテンはインターネットなどで購入可能。とげはたわしなどでこすって取っておきましょう。

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