ドラフト会議 どんな制度?【中日こどもウイークリー】

ドラフト会議 どんな制度?【中日こどもウイークリー】

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プロ野球のドラフト会議が2024年10月24日にありました。正式名称は、新人選手選択会議といい、プロ野球選手を目指す将来有望な若者たちの人生を左右する大切な「運命の日」となります。今年もさまざまなドラマが生まれたようです。

12球団が選手を1人ずつ指名

ドラフト会議とは、「プロ野球選手になりたい」と希望する選手に対し、プロ野球の全12球団が「私たちのチームでプレーしませんか」と交渉する権利を獲得するための会議です。契約するかどうかは選手が決めます。まとめ役である日本野球機構(NPB)が、毎年1回開いています。

会議は、12球団が「最も入団してほしい」と思う選手を1人、指名することから始まります。最初に指名された12人が全員違うと、各球団は指名した選手と入団に関する条件などを相談できる「交渉権」を自動的に獲得できます。

競合したら最初はくじ引き

しかし、1人の選手に対して2球団以上が指名した場合は、それらの球団による抽選(くじ引き)で決めます。例えば、「野球太郎」という選手を4球団が指名した場合、くじ引きで当てた球団が太郎選手との交渉権を獲得できるのです。

抽選に外れた残り3球団は、他の選手から選びます。指名が重なったら、再び抽選します。このように指名と抽選を繰り返して、ドラフト1位の12人を決めます。

続いて2位の指名に移ります。これ以降は抽選はしません。その年のチームの順位に応じ、低いチームから順番に指名して、自動的に交渉権が与えられます。

NPBの決まりで、今年は、2位からの指名の順番はパ・リーグ(パ)6位の西武から始まりました。次にセ・リーグ(セ)6位の中日→パ5位のオリックス→セ5位のヤクルト-と続きました。3位指名は折り返して逆の順番となり、セ1位の巨人→パ1位のソフトバンクというように、交互に指名していきました。

金丸投手は中日ドラゴンズに

金丸投手は中日ドラゴンズに

今年は中日、巨人、阪神、DeNAの4球団が、関西大の金丸夢斗投手を1位指名。金丸投手はアマチュアトップの左腕と評価が高く、中日の井上一樹新監督がくじで引き当てました。記者会見で、金丸投手は「本当にどきどきした。武器の直球とコントロールでしっかり勝負したい」と意気込みを語りました。

最多5球団が競合した明治大の宗山塁内野手は、楽天が1位指名。想定を上回る競合に喜びながら「スタートラインに立ったばかり。技も心も磨きたい」と話しました。

勢力を衡均化し、戦力格差を回避

「なぜ、こうした仕組みが必要なの?」と不思議に思う人も多いでしょう。もし、選手の獲得に関するルールがなく、自由競争となったら、高い契約金や年俸を払える球団ばかりに優秀な選手が集まり、戦力の格差が広がってしまいます。優勝できる球団が一部に偏れば、優勝争いへの関心も薄れてしまいます。

中日新聞運動部の松山義明デスクは「プロ野球の魅力が損なわれないように、戦力の均衡化につながるドラフト会議は必要と言えるでしょう」と話します。


この記事は「中日こどもウイークリー」で2024年10月19日に掲載された記事を転載しています。

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