あと1ヶ月ほどで夏休みが始まります。そろそろ予定を立て始めるころではないでしょうか。特に、中学入試を控える小学生は、この長い休みを有意義に過ごしたいですよね。今回は、愛知県の中学入試の現状をお伝えします。
塾講師 渡邉智治(わたなべ・ともはる)
愛知県一宮市にて「進学塾 翔和」を経営。塾講師歴は25年以上。犬山市教育委員も務めている。
私立中学の受験者は増加中
2023年度における愛知県の小6の児童数は6万8320人で、前年度より998人減少しています。しかし、2024年度入試の愛知県の私立中学受験者数は延べ1万3545人で、前年より4人増加しています。
このように、児童数は減少しているのにも関わらず、私立中学を受験する児童の数は2015年度以降、10年連続で増加。年々私立中学の人気が高くなっていることが分かります。
もともと愛知県は首都圏や関西と比較して、公立志向が強く、高校受験においては、公立高校に進学する生徒が多い地域でした。しかし、「私立高校の実質無償化」と言われるほど、国や自治体が手厚い就学支援を行っていることもあり、近年では「せっかくなら、私立で中高一貫教育を」と考える人も増えています。
私立中学のメリットは?
私立中学に進学するメリットとしては、以下が挙げられます。
①高校入試のための勉強に時間がとられないこと
②新しい制度・形式で実施される大学入試への対応力
③大学進学実績
学校にもよりますが、こうした理由から、「私立中学・高校で、充実した学生生活を送って欲しい」と考える親御さんが多くなっているようです。
愛知県には、大学の附属中学、または系列大学を持つ中学校が15校あります。附属や系列の大学に内部推薦で合格、入学できる中学校の人気が高まり、私立中学受験者が年々増加し、入試難易度を引き上げています。
情報収集し目標を定めて対策を
2025年度には愛知県立の中高一貫校が誕生します。2023年秋に開催された説明会には数多くの親子が参加し、注目度の高さが伺われます。
中学・高校・大学に関わらず、受験をとりまく状況は毎年変化します。入試本番まで、まだ時間があります。
受験生は、この夏休みに情報を収集し、目標を定め、コツコツと実力を積み上げてください。夏休みの時間を有効活用して、充実した日々を過ごしていきましょう。
文:渡邉智治