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この記事は「中日こどもウイークリー」で2026年2月14日に掲載された記事を転載しています。
アメリカのトランプ大統領が2期目の政権を発足させてから、1年がたちました。2026年に入ってから、南アメリカの国ベネズエラや中東のイランを攻撃。多数の国際組織からの脱退を表明するなど、波紋を呼んでいます。トランプ大統領の行動の裏にあるのは、自国の利益を最優先する「アメリカ第一主義」。どういうことでしょうか。
関税で世界に圧力
「トランプ関税」という言葉を覚えていますか? 2025年に大統領就任後、トランプ大統領がとりかかった関税政策は、世界を大きく揺るがしました。
関税とは、輸入品に課される税金のこと。トランプ大統領は、外国から安い製品が入ると、アメリカの会社が作った製品が売れなくなるため、外国からの輸入品に高い税金をかけることで、売れにくくしようと考えました。
少しでも関税を低くしたい各国を相手に、アメリカが有利になるよう交渉を進めたトランプ大統領。日本も対応に追われました。これまで世界のルールでは、関税の撤廃、削減を目指し、自由に貿易をすることが促進されていましたが、その流れに逆行しています。
さらに、アメリカの連邦最高裁がトランプ大統領の関税政策の一部を違憲とする判決を2026年2月に出したため、トランプ政権は各国に一律10%の関税を課す措置を取り、また混乱が生まれています。
国際組織から離脱
新年早々飛び込んできたのが、アメリカによるベネズエラへの攻撃です。表向きは違法な薬物への対応を理由にしていますが、実際にはアメリカに反抗的な政権をなくし、石油資源を獲得しようという狙いがあります。
2月末には、イスラエルと共にイランを攻撃。世界中に原油を供給している中東からの輸入が困難になり、原油価格が高騰。株価も乱高下する事態になっています。
またデンマーク自治領で、北極に近い世界最大の島「グリーンランド」をアメリカのものにするという主張も。1月下旬には、「コロナ禍への対応が不適切だった」として世界保健機関(WHO)を脱退するなど、国連機関や国際社会の枠組みから次々と離脱しています。
いずれも、トランプ大統領はアメリカの利益を第一に考えたことからの行動と主張します。私たちから見たら、おかしいなと思うことでも、トランプ大統領から見ると、アメリカのためを思った行動なのです。
国内外から批判

こうしたアメリカ第一主義に対し、国際社会から反発もあります。ベネズエラへの攻撃は、外国に対し一方的に武力を使っており、国際法違反だという批判が出ています。イラン攻撃についても同様です。これまでの国際協調の枠組みが通用しないトランプ流に、世界中で困惑が広がっています。
アメリカ国内でも、関税により輸入品の価格が上がることで、日用品などの値段が上がり、市民生活に影響が出ています。滞在資格がない移民への対応も厳しく、多くの国民がデモなどで抗議しています。
中日新聞国際部長の岩田仲弘記者は「トランプ大統領が独りよがりの政策を進めていることに、アメリカと仲の良い国々も心配しています。特に日本には、アメリカが法律をないがしろにせず、国際社会で足並みをそろえるよう働きかけていくことが求められています」と話しています。




