「1日2時間」効果は? 愛知豊明市で「スマホ条例」が施行

「1日2時間」効果は? 愛知豊明市で「スマホ条例」が施行

この記事は「中日こどもウイークリー」で2025年10月18日に掲載された記事を転載しています。

余暇でスマートフォンを使うのは1日2時間以内を目安とする──。愛知県豊明市にこんな条例ができて、2025年10月に施行されました。守らなくても罰則はありませんが、プライベートの過ごし方を決められることに違和感を持つ人もいます。皆さんはスマホを1日に何時間使っていますか?

睡眠時間を守るため

条例とは、国の法律の範囲内で、地域ごとに決めたルールのこと。豊明市の条例は全市民が対象で、スマホやタブレット、ゲーム機器などについて、勉強や仕事、家事以外の余暇に使う時間を1日2時間以内としていて、「スマホ条例」といわれています。

眠る時間を確保するため、小学生以下は午後9時まで、中学生~18歳未満は午後10時までと、使っていい時間帯が年齢で分かれています。家庭でのルール作りも促しています。

眠る時間を確保するため、小学生以下は午後9時まで、中学生~18歳未満は午後10時までと、使っていい時間帯が年齢で分かれています。家庭でのルール作りも促しています。

豊明市はなぜ、この条例を作ったのでしょうか。理由としてスマホやゲーム機を使いすぎて生活リズムが乱れ、健康に悪い影響があることや、家族と話す時間が減っていることなどがあげられています。

小浮正典市長は「2時間というのはあくまで目安。スマホやゲームを否定しているわけではない」と説明。「ただ、使いすぎて睡眠時間を削るのは控えてほしい」と呼びかけています。

賛否が分かれる

条例を成立させるかどうか決める市議会では、賛成12人、反対7人で、可決となりました。

条例を成立させるかどうか決める市議会では、賛成12人、反対7人で、可決となりました。賛成する議員からは「市民がスマホなどの使いすぎを見直すきっかけになる」「使いすぎると夜更かしや集中力低下につながり、子どもの成長に影響する」といった意見がありました。

一方で、反対側の議員からは「私生活にまで踏み込む恐ろしい内容」「スマホやゲームが子どもたちの居場所になっている」といった主張がありました。市民の間でも賛否が分かれています。

上手に使おう

同様の条例は、豊明市以外にも。香川県では2020年に「ゲームは平日60分、休日90分まで」などと決めたルールが作られました。ただ、ルールができた直後はゲームの利用時間が減少したものの、その後は再び増加しています。

取材をした中日新聞の担当記者は「条例で実際に効果があるのか、長期的に注視する必要があるのでは」と指摘します。「健康を損なわず、スマホやゲーム機を上手に使えるよう、これを機に皆さんも考えてみてください」と話しました。

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