「塾の舞台裏」では、個別指導塾で多くの小学生・中学生・高校生を指導している講師にインタビューをし、実際にあったさまざまな事例を紹介。これから成長していく子どもと向き合う際の参考にしていただけたらと思います。今回は、忘れ物の多い子どもに対して、親がどのように関わっていくかについてです。

塾講師 金川俊也(かながわ・としや)
大学卒業後、会社員や事業の立ち上げなどを経験したのち独立。愛知県大府市に「個別指導塾アドバンス」を設立し、勉強のやり方と合わせて、未来を生きるためのヒントを子どもたちに伝えている。自身も小2と中1の2児の父として子育てに奮闘中。
忘れ物に対する親の関わり方
多くの生徒を見てきて思うことですが、忘れ物の多いお子さんに関しては、親御さんがサポートしてあげた方が、伸びる傾向があります。
例えば小学生に多いのが、塾へ来るのに毎回筆記用具を持ってこない子です。忘れても大丈夫なように塾で貸し出しも行っていますが、「塾で借りれば困らないし……」と、毎回、筆記用具を持ってこないのです。
こうした場合、親御さんに「忘れ物をしないように声をかけてあげてください」とお伝えするのですが、実践してくれる親御さんと、「本人に任せる」と言って干渉しない親御さんがいます。
それぞれの家庭の方針もあるかと思いますが、このようなケースでは親御さんから声がけやサポートをしてあげて欲しいなと思っています。
管理型VS放任型、正解は?
勉強に関しても、親御さんがしっかり管理する方がよいか、本人に任せるのがよいのか、考え方が分かれるのではないでしょうか。たとえば、親御さん自身が放任主義の親の下で育ち、それがよかったと思っていると、お子さんにもそうしてしまいがちです。
管理してあげた方がいいか、本人に任せた方がいいかはお子さんの性格にもよりますし、一概にどちらがよいとは言えません。ただ、忘れ物の多い子に関しては、親御さんがサポートしてあげた方が伸びるように思います。
これは、子どもに任せるのがダメだということではありません。ただ、自己管理が苦手な子に関しては、周りの大人がサポートしてあげた方が、学力がより伸びる傾向があります。
私たちの個別指導塾では「勉強を教える」というのはもちろんですが、生徒と一緒に目標設定をしたり、計画を立てたりもしています。
勉強が出来る子だと、分からないことを質問しに来るというよりは、目標や計画を立てるために通っているというケースも。勉強をするのは本人ですが、周りの人の関わり方で、子どもは変わります。ぜひ、お子さんの性格や特性に合わせたサポートをしていってください。
※紹介する事例は、個人が特定されないよう一部改変して紹介しています