コロナ禍でも大切にしたい文化芸術体験!「おんぱく」の魅力

コロナ禍でも大切にしたい文化芸術体験!「おんぱく」の魅力

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豊かな文化芸術体験が子どもの感性を育てる、と言われます。しかしコロナ禍で、大人も子どももコンサート・演劇などを鑑賞する機会が減ってしまっているのが現状ではないでしょうか。そんな中、おうちにいながら親子で楽しめる「ジャズは祭りだ!おんぱく2021」 が開催されました。
このイベントを主催するのは愛知県にある長久手市文化の家。8月1日におこなわれたメインコンサートのライブ配信だけでなく、コンサートを楽しむためのグッズづくりやダンスの練習などをYouTubeで配信しています。コロナ禍でも、遠方に住んでいても音楽を楽しめるオンラインコンテンツが盛りだくさんの文化芸術体験「おんぱく」の魅力をお伝えします。

広中 省子(ひろなか しょうこ)

筆者:広中 省子(ひろなか しょうこ)
愛知県長久手市在住。34年前、子どものために入った「おやこ劇場」がきっかけで、文化活動に深くかかわることに。2018年4月市民公募で「文化の家」館長に就任。任期を終え、2021年4月からは事業アドバイザー。文化芸術に関する講演を行うほか、リニモテラス公益施設運営協議会副会長など、文化を活かしたまちづくりを目指して、幅広い活動を行っている。

なぜ、子どもに芸術が必要?

大人にとって「文化芸術体験」は、癒やしや娯楽、趣味や嗜(たしな)み、美的な教養・・・。
無くてもいいけどあったらもっといいね・・・みたいな感覚かもしれません。
でも、子どもにとっては違います。心揺さぶられ命が躍動するような「情動体験」と、人と共にあることの喜びや共感といった「人間体験」は、豊かな人間性の土台をつくるために、あったらいいね・・・ではなく、必要不可欠!
なぜかというと、人間の脳は3階建てで、1階は生きるために必要な「寝る」「排泄する」といった動物的な本能。2階は「情動」で感情や社会性、3階が「知識」。1階と2階がしっかりしてないと、3階は建てられないように、情動体験が豊かでないと、知識が積みあがっていかないそう。この中で、「文化芸術体験」は2階に該当します。

子どもの脳は3階建て!

現代は、今までなかったバーチャルなものが子どもの周りに溢れ、遊びやリアルな体験が減っています。
本来なら「遊び」の中で体験できたワクワク・ドキドキや、みんなと一緒に何かを成し遂げる協働・共感体験が、圧倒的に少なくなっています。だからこそ、「文化芸術体験」が大切なのです。

玉川大学名誉教授の岡田陽氏はこう言っています

人間は自発的に、いいなぁ、素晴らしいなぁというような感動を
自然や芸術や人の生き方から感じとることによって、人間としての自分の価値観を育て、高めていく。
人間の感性とは、価値あるものに気づき、感じとる心の動きである。

同じ体験をしても、何にひっかかり、何を心の奥にファイルしていくのかはひとり一人違います。そうやって子どもはその子らしい感性や美意識を形づくっていきます。だからこそ、子ども時代に、多様な文化芸術とたくさん出会い、多様な芸術体験をたくさんして欲しい!それが文化の家の願いです。

子どもたちには乳幼児期から文化芸術をシャワーを浴びるように体験して育って欲しい

クオリティにこだわったコンサート、子どもたちと芸術家との出会い、楽器との出会い。自由な発想や表現の素晴らしさを実感できる体験、多くの人と感動を共有する体験など。
子どもには、質の高い芸術鑑賞とさまざまな文化芸術体験・人間体験が必要です。
そんな思いを大切にして開催されるのが「ジャズは祭りだ!おんぱく2021」 です。

「おんぱく」ってどんなイベント?

「おんぱく」=「音のテーマパーク」 文化の家がまるごと「音のテーマパーク」に大変身します。

「おんぱく」=「音のテーマパーク」
文化の家がまるごと「音のテーマパーク」に大変身します。館内ではアトラクションとして、音楽や造形・パフォーマンスなどのワークショップが開催されます。子どもたちは実際に楽器に触れ、至近距離で演奏を聴き、演奏家と直に言葉を交わす・・・日常ではなかなかできない体験がワークショップの魅力です。
そして「おんぱく」の締めくくりは、森のホールで行なわれるメインコンサート。ワークショップで関わった演奏家や美術家、ダンサーなどが総出演し、出演者も観客も会場が一体になって盛り上がって、毎回感動のラストを迎えます。
本物の芸術体験から受けた感動や驚きは、能動性の種として子どもの心にまかれ、いつか実を結ぶはず。文化の家が手塩にかけて育ててきたこだわりの音楽企画です。

「おんぱく」は2004年から隔年で開催されてきましたが、昨年は新型コロナウィルス感染症の影響で中止に。今年は、オンライン生配信やYouTube配信など、コロナ禍でも楽しめるさまざまな工夫を凝らした新しい「おんぱく」が開催されます。

オンライン生配信を楽しもう!

今回の「ジャズは祭りだ!おんぱく2021」に、出演するのは、「渋さ知らズオーケストラ」!
彼らはフリージャズと言われますが、そのステージはジャズだけでなくダンス・舞踏・美術・パフォーマンス・・・さまざまなジャンルの表現が舞台上で混然一体となった、唯一無二の世界を創りだします。

「渋さ知らズオーケストラ」の、ひとことで分類できない圧倒的な存在感を、本当はライブ感覚で間近で体感して頂きたいのですが、感染症対策を考えると、これまでのようにはできません。
前回は600席だったメインコンサートの座席。今回は森のホール(一番大きなホール)で定員230席の設定・・・かなり少ないです。
そこで今回は、感染症対策を施した森のホールでの生ライブと、オンライン生配信の両方で楽しめるハイブリッド開催を実現。コロナ禍であっても、遠方に住んでいても、自宅にいながら感動を共有できる音楽の楽しみ方をオンライン生配信で体験してみませんか?今だからこそ、今しかできない新しい「おんぱく」です!

今回の「ジャズは祭りだ!おんぱく2021」に、出演するのは、「渋さ知らズオーケストラ」!

さらにプレ企画として、「おんぱく」をもっと楽しむための配信企画もあります。YouTube で文化の家の創造スタッフがいろいろなコンテンツを公開していますので、のぞいてみて下さい。

~うちでも祭りだ!YouTubeで「オンぱく」~
*予告&不破大輔氏メッセージ
*おんぱく紹介編
*振り付けを覚えて踊ってみよう編 「本多工務店のテーマ」
*楽器を作ってみよう編 「おうちにあるものを打楽器として使ってみよう!」
*作ってかぶってライブを楽しもう!
*おんぱくオリジナルスマホスタンドをつくろう!編
*おんぱく2021手作りグッズで楽しさ倍増!渋さ知らズオーケストラをさらに楽しむために!
などなど

YouTube チャンネル 長久手市文化の家official

YouTube チャンネル 長久手市文化の家official はこちら

子ども向けだから!質にこだわり

冒頭におんぱくは「文化の家こだわりのオリジナル音楽イベント」と書きましたが、その「こだわり」とは「質」です。文化の家の事業や長久手市の文化政策は、「文化芸術マスタープラン」を基に考えられています。
「文化芸術マスタープラン」?・・・聞きなれない言葉かもしれませんが、そこには文化事業を考えていく時に、大切にしなければならない理念や基本方針が書かれています。文化の家が守っていかなければならない憲法のようなものです。
そこに書かれていることの一つが「長久手クオリティ」。「長久手ならではの質」「長久手らしさ」を大切にするということ。長久手は、「日本一若いまち」として知られ、子どもの多い地域です。そのため、子どものこともきちんと考えていかなければなりません。しかし、これは単に「子ども向けの企画」をすればよいわけではありません。
冒頭でもご紹介した通り、子どもにとって文化芸術体験は必要不可欠。だからこそ、質にこだわったコンテンツを揃えています。百聞は一見にしかず、ぜひみなさん「おんぱく」に参加し、こだわりのクオリティを体感してみてください。

長久手市ホームページより長久手市ホームページより

最後に

文化の家は愛知県長久手市立図書館のそばにあります。

文化の家は愛知県長久手市立図書館のそばにあります。図書館に来られた際に、道路を挟んで向かい側にある文化の家にぶらりと寄ってみませんか?

文化の家の北側には香流川が流れ、運が良ければこの時期、鴨の親子連れを見られるかも・・・、香流川沿いの緑道は 素敵なお散歩コース、秋は落ち葉が敷き詰められ、春には見事な桜のトンネルが出現します。

文化の家の北側には香流川が流れ、運が良ければこの時期、鴨の親子連れを見られるかも…、香流川沿いの緑道は 素敵なお散歩コース、秋は落ち葉が敷き詰められ、春には見事な桜のトンネルが出現します。

もしお近くに来る機会があれば、ぜひ館内でひと休みしていって下さい。

もしお近くに来る機会があれば、ぜひ館内でひと休みしていって下さい

そしてなにより、文化の家は子ども向けの演劇や音楽の催しに力を入れています。お近くにお住まいの方は、ぜひお子さまと一緒にイベントにも足を運んでみてください。
今回の「おんぱく」は文化芸術体験が初めての方にも参加しやすいハイブリッドライブです。ご自宅で親子一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。

長久手市文化の家 ホームページ

 

長久手市文化の家 ホームページ はこちら

YouTube チャンネル 長久手市文化の家official

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文・写真:広中 省子

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