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この記事は「中日こどもウイークリー」で2025年9月6日に掲載された記事を転載しています。
映画業界が歴史的なヒットに沸いています。アニメ作品「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座(あかざ)再来」は、公開から1カ月で興行収入が257億円に。歌舞伎の世界を描いた映画「国宝」は邦画の実写作品で22年ぶりに100億円を超えました。気になる作品を見つけて、映画館に足を運んでみませんか。
みんなで楽しめる!
2025年8月上旬、名古屋駅前の映画館「ミッドランドスクエアシネマ」のロビーは、多くの人でごった返していました。お目当ては映画「国宝」。新型コロナウイルス禍で映画館から離れていた高齢の人たちの姿も戻ってきているようです。2025年6月の公開から2カ月以上たっても、満席の回が続いていました。
映画館は、夏の客入りが業績を左右すると言っても過言ではありません。運営する中日本興業興行部の担当者は「みんなで映画を見るのが楽しい、ということに、再び目覚めてもらえた気がします。(全体の興行収入が過去最高となった)2019年並みの業績が期待できます」と喜びました。
「鬼滅」と「国宝」のヒット
映画館のにぎわいを生んでいる要因の1つが、「鬼滅の刃」です。2020年秋に公開された前作「無限列車編」で、国内の興行収入で歴代1位である408億円の記録を持っています。今作の「無限城編」も、アニメとしては上映時間が異例の2時間を超えますが、子どもから大人まで、幅広い世代に大人気です。2025年9月中旬には、「千と千尋の神隠し」(2001年公開)を抜き、国内の歴代興収2位にまで浮上しました。
この夏、大ヒットしているもう1つの作品が「国宝」です。吉田修一さんの小説を、李相日監督が映画化しました。歌舞伎は江戸時代に始まり、音楽と舞踊、演技の要素が詰まった日本の古典演劇の1つ。映画では、芸の道に生きる人々の姿や、俳優陣の演技力が高い評価を生んでいます。
自分の世界を広げて
取材を担当した中日新聞の記者は「この夏は洋画の作品も豊富で、酷暑の影響もあって屋内で過ごせる映画は人気が高くなりました」と話します。「隅々まで作り込まれた映像を大画面で見られるのは、映画館ならでは。鬼滅や国宝といったヒット作をきっかけに、ほかの作品も見にいってみて、ぜひ自分の世界を広げてほしい」と呼びかけています。