【名古屋】シェフ渾身の1皿に出合える洋食専門店3選

世代を問わず愛され続ける洋食。幼少期からの好物や家庭の献立の定番メニューなど、懐かしさを感じる癒しの味わいでありながら、専門店でいただく洋食は特別感があり、心が満たされます。

とりわけ、1つのメニューにフォーカスした専門店であれば、その1皿に勝負をかける料理人の、並々ならぬ情熱が伝わってきます。

ここでは、名古屋市内の洋食専門店を3つ紹介。素材選びや丁寧な調理法、手間を惜しまない工程からインパクトのある見た目にいたるまで、専門店ならではのこだわりポイントと共に、1品入魂のメニューをご紹介します。

ポークステーキ／中村区・名駅

豪快な豚肉ステーキが味わえる「マロリーポークステーキ 名古屋店」。2kgの大きな塊肉を真空低温調理で仕上げることにより、うま味をとじ込め、しっとりと柔らかな食感に。香ばしく焼き上げた表面と、中のジューシーさとのバランスが絶妙です。

人気のカナダ産ブランド豚「大麦仕上げ三元豚」の肩ロースは、きめが細かく締まった肉質で、脂身の甘みが特徴です。

オーダーは、最小サイズの200gから最大2kgまで。好みに合わせてサイズを選べるのも満足度が高い理由の1つです。卓上には牡蠣しょうゆやワサビ、ゆずこしょう、マスタードといった調味料が並ぶので、味変も楽しめます。

カウンター席やテーブル席があるので、家族でも1人でも気軽に訪れることが出来ます。

ハンバーグ／南区・桜本町駅

地元の人に愛される70周年を迎えた喫茶店が「家族全員が喜ぶお店を」との思いからオープンした「粗挽きハンバーグ NOBU」。

3代目が手掛けるハンバーグはジューシーで、食べるたびに肉の甘みが口いっぱいに広がります。

店内で2度挽きする近江牛100%の挽き肉は、つなぎをほとんど使わないので、肉本来の味わいがダイレクトに伝わります。空気を適度に抜いて肉の密度を上げながらも、ほどけるような食感になるよう成形している点もポイントです。

外側をしっかり目に焼き、中はミディアムに仕上げることで、肉の存在感とうま味がより一層際立ちます。

喫茶店メニューもオーダーできるので、ついつい長居したくなる1軒です。

オムライス／中村区・名駅

ふわとろ食感への自信が店名にもあふれている「ふわとろオムライスとチーズカフェ たまごのきもち。名駅店」。看板メニューは、ボリューム満点の「デミグラスソースのオムライス～ハンバーグのせ～」（2178円）です。バターしょうゆ味のライスの上にハンバーグをのせ、その上にオムレツをオン。

テーブルに運ばれた後、卵3個分を使ったオムレツを目の前でカットしてくれるのもうれしい演出です。ふわふわの卵がぱっかーんと割れて、絶妙な半熟状態のとろとろ卵があふれるように広がり、ハンバーグとライスを覆い尽くします。

ふわふわ、とろとろに仕上げるポイントは、繊細な動作と手際の良さ。火加減を見極めて、手早く仕上げます。バターしょうゆが香ばしいライスや、卵に合うように考え抜かれたハンバーグとの相性も抜群です。

味わいの鍵を握るソースは、デミグラスソースをベースに、赤ワインとスパイスを加えたオリジナルソース。隠し味の昆布茶がうま味と深みを出します。最後に1振りするトリュフの香りと相まって、専門店ならではのリッチな味わいと香りに思わずうっとりしてしまいます。

ワンスプーンにのせて一緒に口へ運べば、複雑な香りやスパイシーな刺激に、卵のマイルドさが合わさり、思わず頬が緩む幸福感に満たされるはずです。

店内は78席あり、広々とした空間。6人掛けの個室もあるので、シーンに合わせて利用できます。

最後に

気取らず楽しめる安心感と、特別なひとときを彩る華やかさ。両方を兼ね備えた専門店で味わうとっておきの洋食には、家庭で楽しむ洋食とは一線を画す、料理人の技や情熱が込められています。

一度食べると記憶に刻まれて、ふと気づくとまた食べたくなる。そんな不思議な吸引力を持つ専門店の洋食。日常を少し豊かにしてくれる、お気に入りの1品を、ぜひ見つけてみてください。

文：花野静恵

この記事は「ケリー2025年9月号」（2025年7月23日発刊、ゲイン刊）に掲載された記事をもとにしています。情報は取材時点。最新の情報は主催者・各施設に直接お問い合わせください。