2020年春から始まった、新型コロナウイルスの影響で社会は大きく動きました。人との関わりを大切にしてきた学校教育の中で「人との距離」を取らなければならない状況は、今まで誰も経験したことのない事態。そんな中、学校からの連絡をスマートフォンや携帯電話に届ける学校連絡網サービス『きずなネット』は急速に広がりました。ただのメール配信サービスではないこのアプリ、約1800校(2022年3月現在)で使われる『きずなネット』がどのようなものなのかをご紹介します。
緊急事態に活躍『きずなネット』
新型コロナウイルスの広がる中では、先の予定がなかなか立てられない状況でした。臨時休校中の学校からの連絡手段は、電話やメール配信、先生による自宅訪問が中心だったのではないでしょうか。
『きずなネット』は、学校からの情報を「早く・確実に・一斉に」保護者や児童・生徒達のスマートフォン・携帯電話に届けるアプリ。多くの幼稚園、保育園、小学校、中学校、高等学校、託児所・学童保育所などで、このアプリの配信が飛び交うかたちになりました。
たとえば…
- 学校行事の中止連絡や登校日の連絡
- 登校する際の注意事項や持ち物について
- 休校中の課題について
- 学習状況や健康状態のアンケート
- 校長先生から児童・生徒達へのメッセージ
- PTAからの連絡
…など。
いつもと違う状況、緊急事態においては、「早く・確実に・一斉に」情報を伝えられることが求められます。『きずなネット』は、まさにその役割を果たしました。
普段の学校生活でも『きずなネット』
臨時休校等になった緊急事態で活躍した『きずなネット』ですが、この状況になる前から、すでに多くの学校などで導入されていました。
よく利用されるのは以下の3つのパターンです。
その他、サービスを導入する学校毎にさまざまな使い方をしています。
ケース1:保護者の方へ確実に伝えたい連絡事項に
通常、保護者の方への連絡事項がある際は、「おうちの人に渡してね」と児童・生徒達にプリントを渡します。
ただ、欠席の場合にプリントを渡せなかったり、児童・生徒達がおうちでプリントを渡し損ねてしまったりすることも。
『きずなネット』なら、保護者の方への連絡を一斉におこなえるので、もれなく皆さんに大切な情報をお伝えできます。
ケース2:伝えた情報の訂正に
学校で配布したプリントの情報に、訂正のあった場合。通常であれば、翌日学校へ行った時にしか訂正の情報を受け取ることはできません。
『きずなネット』なら、訂正が出た時点でメール配信すれば、正しい情報を受け取ることができます。
ケース3:保護者の方への共有事項に
ある学校では、全校集会で校長先生のお話された内容を、『きずなネット』を使って保護者の方にも配信しています。
特別な行事がない限り、保護者の方が学校へ行って校長先生のお話を聞く機会はありません。保護者の方からは、子ども達がどのような話を聞いているかを知ることができて、とても好評だそうです。
『きずなネット』だからできること
アプリだから、登録も簡単!
一般的なメール連絡の場合は、保護者や児童・生徒達の連絡用メールアドレスを学校に伝えるかたちになります。
学校側には、預かったメールアドレスを登録するという負担がかかります。また、連絡を受け取る側にとっても、メールアドレスを変更した際にその都度学校へ連絡をする手間があります。
『きずなネット』なら、連絡を受け取る側が自身の手でアプリに登録。そのため、登録ミスもなく、導入も配信も簡単におこなえます。
『きずなネット』の特徴
- 学校/園でメールアドレスの管理は不要。情報漏えいの心配はありません。
- 読んだことを確認できる機能があります。
- マニュアルに頼らなくても操作できる、シンプルなシステムです。
- 保護者の方、学校の先生向けに、フリーダイヤルのサービスデスクを用意しています。
アプリだから、生活に役立つ情報もゲット!
学校連絡網と合わせて、自分自身に必要な「くらしに役立つ情報」をチャンネル登録し、プッシュ通知で受け取ることができます。
チャンネルは全部で8種類。お天気情報、地震・津波情報、停電情報、防災情報などの地域情報から選べます。
また、「よみもの」では、勉強のコツや子どもの進路選択を支援する情報、子育てや健康に役立つ情報を受け取ることができます。
高校・大学入試の最新情報や、仕事で活躍している方のインタビュー、健康をサポートする医師監修の情報、子育てのお悩みを解決するヒントなど。
イベントのお知らせやプレゼント企画などお得な情報も配信しています。
おわりに
『きずなネット』は中部電力の運営するサービスです。家族のくらしを守る「安心」アプリとして、約64万人の方に使われています(2022年6月現在)。正しい情報をリアルタイムで受け取り「安心」を手に入れるのはもちろんのこと。
ソーシャルディスタンス(社会的距離)をとることを求められている時だからこそ、今まで以上に大切にしたいのは、心の距離です。
『きずなネット』は、情報のコミュニケーションによって心の距離を近づけることにも繋がるのではないでしょうか。
文:三輪田理恵