【新型コロナ感染者の声】家庭内感染を防ぐためには?

【新型コロナ感染者の声】家庭内感染を防ぐためには?

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新型コロナウイルスの感染が拡大している中で、増えていると言われているのが「家庭内感染」。感染者のうちの約40%が家庭内感染と言われています。(2020年11月時点)
さまざまな情報が報道されていますが、今回は、同居する家族がいる中で感染された方お二人にインタビューを実施。幸いにも家族には感染しなかった方が、どのような対策をしていたかについて伺ったので、その内容をご紹介します。

※個人の経験に基づくお話のため、感染対策としての効果を保証するものではありません

事例1:家族で2度の隔離生活に

家族で2度の隔離生活に(東京都在住 40代男性)

お話を聞いた人:東京都在住 40代男性
療養場所:病院

<家族構成>
妻と子ども2人(小3・中3)
<濃厚接触者は?>
妻と子ども2人
→PCR検査をしましたが、3人とも「陰性」。

発症の経緯は?

10月前半、仕事の都合で数日間会食が続いていました。どの会食かは分かりませんが、おそらくそのときに新型コロナに感染したのではないかと思います。
最初は、37.5度の発熱。念のため、その週のアポイントは全てやめて、テレワークに変更。翌日も熱があり、それ以外の症状はありませんでしたが、保健所に電話しました。検査が混みあっていると言われましたが、翌々日に紹介してもらった近くの病院でPCR検査を実施。その日のうちに「陽性」と判明。保健所から電話があり、次の日の朝、入院するために自宅前までワゴン車が迎えにきました。

感染中の症状は?

私は、熱とだるさだけでした。最初は熱だけで、入院して2日目くらいたってだるさの症状が出てきました。おそらく、早い段階で気づいて入院できたのだと思います。

陰性の確定は?

陽性が確定した検査の翌日から15日間、病院に入院しました。熱が下がって3日後に退院できると言われており、9日目に熱が下がったので、その3日後に退院予定でした。ところが、退院予定日にまた熱が上がって、退院が3日延びることに。15日間の入院は、恐らく長い方だと思います。

日頃の感染対策は?

職業柄、自分自身が外に出るので、リスクには晒されていると思っていました。そのため、妻が日頃から気をつけており、玄関にはアルコール消毒が置かれて、ジャケットも玄関で脱いでいました。帰宅すると「手洗いした?」としつこく妻からチェックが入るほど。家族みんなが手洗いうがいを徹底し、よく触る部分のアルコール消毒も妻がおこなっていたと思います。
最初に自分の体調が悪くなった際は、自宅でもマスクをつけ、家族とも距離をとるように。自分の部屋にこもった状態で食事をしていました。早い段階で対策したことで、家庭内感染をおこさずに済んだのかもしれません。

陰性確定後の体調・後遺症は?

運動不足のせいか筋力が低下しました。歩いただけで筋肉痛になるほどです。

大変だったこと

味覚はなくなりませんでしたが、食事がおいしくないこと。誰とも話さないので会話がない、部屋から出られない、運動ができないストレスや、お風呂を3日に1回しか入れないのも辛かったです。
仕事を休んだことで社内やクライアントに迷惑がかかったことも、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

みなさんに伝えたいこと

感染しないに越したことはないですが、かかった際はすぐに会社等に報告して対処を考えた方がよいです。後では判明した場合は、ダメージが大きくなる可能性があります。
入院時は基本安静にしているのですが、元気でも買い出しに行けないので、好きな食べ物や、時間をつぶす本やパソコンなど持ち込めばよかったと思いました。運動不足になるので、元気であれば運動器具を持ち込むなどして、室内でも運動できた方がよさそうです。
私の場合、入院中ずっと具合が悪いわけではありませんでした。できる人は、新しいことに前向きにチャレンジする時間として利用した方がよいと思います。
気をつけていても感染してしまうことはあります。少しでも影響範囲を最小限にくいとめるため、家庭内感染対策として、家族みんなが手洗いなどを徹底すること。少しでも体調に異変があれば早めに対処をすることが大切だと思います。

その後、2回目の隔離生活に

1月末、今度は上の子の学校の先生が新型コロナに感染し、PCR検査をおこなったところ、上の子どもに「陽性」反応が出ました。濃厚接触者ということで、家族全員検査を受けましたが、その他の家族は「陰性」。家庭内感染を免れていたのが不幸中の幸いです。
上の子どもは自宅療養になりました。そして、家族全員が濃厚接触者ということで自宅待機、私もテレワークに。またも外出できなくなり、家族も私も運動不足になりますので、前回の反省をいかし、任天堂switchのファミリートレーナーを購入しました。新型コロナウイルスは、いつ、どんな形でくるかわからないなと改めて思います。

事例2:早めの対策で感染を防ぐ

早めの対策で感染を防ぐ(愛知県在住 50代男性)

お話を聞いた人:愛知県在住 50代男性
療養場所:自宅

<家族構成>
妻(玄関別の二世帯住宅で、父・母・兄)
<濃厚接触者は?>
妻、父(母の病院の付き添いで、一緒の車に乗っていたため)
→PCR検査をしたが、2人とも「陰性」。

発症の経緯は?

11月の後半のある日、朝起きると筋肉痛のような体の痛みがありました。その日はいつも通り家族と一緒に食事をし、早めに就寝。翌朝起きると、倦怠感と頭痛があり、熱を測ると38.5度。相談所に電話をしましたが、休日のためすぐに検査をできるところがなく、最初の不調から3日目に近くの病院を受診し、抗体検査で「陽性」と判明。その日のうちに保健所から直接電話が入りました。
「自宅療養か施設に入るかの選択ができるが、施設は満床」と言われ、自宅療養をすることに。保健所からもアドバイスをもらいながら、自宅療養をする形をとりました。

感染中の症状は?

体調がおかしくなってすぐ、家庭内でもマスクを着用、食事も別々の部屋でとるようにしていました。症状は、倦怠感、頭痛、発熱のみです。味覚や嗅覚はきちんとありました。3食は食べていましたが、発熱後1日目~2日目くらいは食欲がなくお粥の生活。日中は熱も下がりますが、夜になるとまた発熱していました。
陽性と判明してからの自宅療養については、保健所の指示に従っています。
妻とのコミュニケーションはすべてLINEで、基本部屋から出ないで過ごしていました。食事も妻がドアの外までもってきてくれて、LINEで連絡をもらいます。妻が立ち去ったあとに、部屋の中で食事をとる生活でした。
トイレは2階と3階それぞれにあったので分けて使っていました。お風呂は妻が先、自分が後から入るようにし、自分で毎日掃除をしていました。部屋の中では、テレビ、ラジオ、音楽を聴くなどして過ごし、具合の悪いときは横になっていました。

陰性の確定は?

陽性確定日から5日目に症状がおさまっていたら、そこから3日後(陽性確定日から8日目)に陰性になったものとし、翌日(陽性確定日から9日目)からは会社に出社OKと言われました。5日目に症状がちょうどおさまっていたため、会社に報告。陽性確定日の9日目から仕事にも復帰しましたが、念のため最初の1週間はテレワークを実施。その後、職場に出社するようにしました。

日頃の感染対策は?

手洗い、うがい、マスク、自宅内でよく触る部分はアルコール消毒をおこなっていました。父と一緒に病院のつきそいに行く際は、車内でもマスクを着用していました。

陰性確定後の体調・後遺症は?

疲れがとれない。歩くとすぐ疲れるなど、体力の低下を感じました。

大変だったことは?

私の場合は軽症でしたが、倦怠感や頭痛は今までに経験したことのないものでした。家族にうつさないように、家族がうつらないように。ずっと気をつかっていたことが大変でした。

周りの人に伝えたいことは?

新型コロナはどこで感染するか分かりません。私の場合、日頃から感染対策をし、外食も一切しておらず、人との接触も避けていました。もし心当たりがあるとしたら、体調不良だった母の付き添いで病院に行ったことや、救急車に乗ったことでしょうか。常にマスクもしていたため、目からの感染かもしれません。
もし、少しでも体調が悪かったら家の中でも早めに対策をすること。家庭内感染をおこさないために部屋や食事をわけて、早めに検査をして感染を広げないことが大切だと思います。

家庭内感染を防ぐための対策は?

家庭内感染を防ぐための対策は?

もし、家族の中に新型コロナの感染が疑われる人・または感染者がいる場合は、以下の対応をおこなうことが推奨されています。

  1. 感染者と他の同居者の部屋を可能な限り分ける
  2. 感染者の世話をする人は、できるだけ限られた方(一人が望ましい)にする
  3. できるだけ全員がマスクを使用する
  4. 小まめにうがい・手洗いをする
  5. 日中はできるだけ換気をする。
  6. 取っ手、ノブなどの共用する部分を消毒する
  7. 汚れたリネン、衣服を洗濯する
  8. ゴミは密閉して捨てる

詳しくは、厚生労働省ホームページに記載がありますので、参考にしてみてください。
厚生労働省ホームページ

最後に

一人ひとりができる範囲で対策をすることで、少しでもリスクを減らせるように

いつ誰が感染してもおかしくない状況で、これをおこなえば必ず新型コロナの感染を防げる、というものはありません。一人ひとりができる範囲で対策をすることで、少しでもリスクを減らせるように。そして、もし感染してしまった際にも、家庭内感染をおこさないために、早めに対処をしていけるようにしましょう。

文:三輪田理恵

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