【感染者の声】新型コロナ軽症者も苦しむ後遺症の実態とは?

【感染者の声】新型コロナ軽症者も苦しむ後遺症の実態とは?

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新型コロナウィルス感染症のニュースが日々報じられ、新たな感染者は増え続けています。国内の累計感染者数は43万人以上(2021年3月5日時点)。多くの人は回復している一方で、記憶障害、眠気、脱毛など、後遺症についても注目されています。今回は、新型コロナウィルスに感染した方2名にお話を聞き、症状や後遺症など、その実情についてご紹介します。

4ヶ月経っても続く後遺症

お話を聞いた人:60代男性(自営業)
同居人:なし
症状:中等症
(持病で、肺気腫と糖尿病あり)

自分がクラスターで感染拡大?

感染した経緯は?

「会食で7人のクラスター発生」とニュースでも報じられました。自分がどこかで感染して、広めてしまったのか。もしくは、自分がそのクラスターで感染してしまったのか。今となっては分からないです。
10月12日夜中に急に猛烈な悪寒がし、翌日に激しい頭痛がありました。体調が優れず、毎日熱を測っていましたが、夜になると37度5分~38度5分の発熱、昼間は平熱でした。15日、娘にすすめられて民間の病院でPCR検査を実施。
翌日16日の夕方に「陽性」の電話があり、保健所への連絡は病院側がおこなってくれました。すぐに入院できる施設が探せず、「自宅待機」「自宅隔離療養」を勧められましたが、自宅にいても熱は下がらないし、頭が割れるように痛い。とても息苦しい症状が続いたので、保健所の方が、血中酸素濃度計を自宅に持って来てくれました。3時間おきに保健所の方が電話をくれて様子を確認。
18日の夕方、病院から「発症しているので自宅療養では難しい。きちんとした入院施設に入った方が良いです。」と連絡。
19日に病院の特別室に入院しました。
このあと肺炎になり、苦しくて大きく息が吸えない状態に。熱も下がりません。呼吸不全を伴ったので、24時間鼻から酸素を投与しました。肺の炎症を抑えるためにステロイド薬、抗ウイルス薬の投与。これで改善しない場合は、人工呼吸器を使うのですが、私の場合は人工呼吸器を使う前に、ステロイドが効いて改善しました。
11月2日朝に退院しています。

困ったことや大変だったことは?

「クラスター発生」とメディアで報じられ、私が感染源だったようにも言われました。ただ、私が感染した側かもしれないですし、結局のところよく分かりません。「自分はどこから感染した?」と、1ヶ月間の行動をさかのぼって”犯人捜し“をしたけど心当たりもありません。
同じ会食で感染した人が、勤務先のお客さんにうつしたかも?その先も・・・と。広がっていくウイルスに対しての罪悪感が辛かったです。
仕事も2週間休み、スタッフにその期間は任せていました。

後遺症は?

退院から4ヶ月たちましたが(取材時2021年3月)、後遺症はたくさんあります。
まず、だるい・しんどい・やる気ない。集中力がなくなり、昼間もやたら眠いです。
寝付きはよいのですが、咳で目を覚ましてしまい眠りが浅い感じ。朝ご飯を食べてすぐ眠くなり、午後も眠い。日中の眠気は感染前には一切なかった症状です。
そして、記憶障害で、「目の前の孫の名前が思い出せない・・・」なども。年のせいもあり、前から記憶力は落ちていましたが、さらにひどくなりました。話したいのにすぐに言葉・単語が出てこない。記憶の引き出しから即座に引っ張り出せなくて、後になってからその言葉を思い出すこともあります。
また、聴覚障害もありました。低い音が聞こえにくい、高い音がキンキン響くように。
視覚障害もあり、右目がぼやける、真ん中に白いガラスのようなものが見えることも。こちらの視覚・聴覚障害については日を追うごとに症状はおさまってきました。
退院して1ヶ月後の後遺症を10とすると今は5くらいの感覚にはなっていますが、確実にまだ残っているように感じます。

周りの人に伝えたいことは?

私は持病があり、あと一歩で重症になりそうでした。ただ、気持ちが落ち込みそうな時も、「笑顔と笑声」で免疫力を高めていたことが良かったと思っています。
コロナは本当に身近だということ。無症状者がたくさんいるので、毎日報じられている数以上に感染者がいることを心にとめて欲しいです。
その上で、みんなが感染対策をし、免疫力をつけて重症化させないことが大事だと思います。

家庭内感染で新型コロナに

お話を聞いた人:20代女性(派遣社員)
同居人:夫
症状:軽症

家庭内感染で新型コロナに

感染した経緯は?

夫が先に感染し、私は家庭内で感染しました。
「ビールの味が薄い、ご飯の味がしない」と夫が訴えたため、保健所に電話。他の症状は一切ありませんでしたが、もしものことを考え念のために・・・と、PCR検査を受けました。
指定の病院ならすぐに検査が出来ると聞き、電話をした当日の7月31日に検査を実施。夫婦とも勤め先の会社に連絡し、事情を説明して在宅勤務に切り替えました。
夫には味覚障害以外の症状が一切なかったので、検査結果を待っている間も「陰性だから連絡が遅いんじゃない?」と話すほど。まさか感染しているとは思っていませんでした。
検査2日後の22時半、保健所から「陽性」の電話があり、「濃厚接触者をリストアップしてください」と言われました。
夫が濃厚接触者として保健所に報告した中には、私の名前も。
翌日8月3日、保健所から私宛に電話があり「濃厚接触者なので検査を受けてください」と言われました。
4日にPCR検査を受け、 6日昼に電話で「陽性」の連絡がありました。お盆の週だったのでそのまま休み、会社の規定に沿って8月いっぱいまで在宅勤務となりました。

どんな症状でしたか?

PCR検査で「陽性」の結果が出てから2日後に症状があらわれました。
味覚異常と嗅覚異常があり、コーヒーの味がしない、果物のニオイが全くしない。まるでラップでもかけてあるみたいに全くニオイを感じませんでした。
また、喉が乾燥したり、鼻の奥が痛かったり、風邪をひく前みたいな症状も。熱は36度3~5分でずっと平熱。もともとアレルギーもあるため、アレルギーが少しひどくなっているかなあと思う程度の症状です。きっと一人暮らしだったら、病院には行かなかったと。
この症状も3、4日で治まりました。保健所の方から定期的に体調を確認する電話を受けて、症状がおさまって3日くらいしたら外出もOKと言っていただけました。

待機中はどのように過ごしましたか?

家が狭くて空間を分けられないため、食事などは今まで通り夫と一緒に食べていました。
保健所の方からは「不要不急の外出はNGだけど、マスク等の感染対策をしていたらスーパーに買い物はオッケー」と。そのため、生活のための必要最低限の外出はして、出前なども活用しました。それ以外は、仕事をするかゲームをするか・・・ずっと家の中にいました。

後遺症は?

実は、後遺症の方がキツかったです。もともと持っていたアレルギー症状がひどくなり、アトピーも悪化。鼻腔が痛くて、地味に体調不良が続きました。
看護師さんには「コロナで1度、細胞が壊されてしまうから、持病が悪化することもある」と言われました。発症から約4ヶ月たった今は、体調も戻っていつも通りの生活になっています。

困ったことや大変だったことは?

体調以上に、精神衛生上の問題の方が大きかったです。オフィスの入るビル内で、私が感染者第1号だったため、派遣先へ連絡、会社へ連絡などの対応が大変でした。最初は「派遣切りされたらどうしよう。」という心配も頭を巡っていました。
幸いなことに私は症状も軽く、在宅勤務で仕事もできる状況。周囲の理解もあり、皆が心配してくれていました。逆に気を遣われ過ぎてしまい、オンライン会議に召集されないことも。結果、復職したときに仕事の内容が分からなくなっていたのは困りました。

周りの人に伝えたいことは?

私自身も「まさか自分がかかるなんて」と思っていました。新型コロナは身近な存在。家庭内感染など、防ぎようがない場合もありますが、できる範囲で一人ひとりがしっかり感染対策をしていくべきだと思います。

新型コロナの後遺症とは?

新型コロナの後遺症とは

感染者増加が取り沙汰される中で、回復後の「後遺症」についても注目が集まっています。

厚生労働省のホームページによると(※)イタリアにおける143人の患者調査では、回復後(発症から平均2ヶ月後)に87%が何らかの症状を訴えているそう。国内でもさまざまな調査が進められています。

和歌山県内の新型コロナウィルス感染者で、退院後2週間以上経過した方を対象にして後遺症などについてアンケート調査を実施。回答者163人中、何らかの症状がある人は、75人(46%)という結果でした。
重症・軽症の差や、年齢による差などもありますが、嗅覚障害や倦怠感、人によっては脱毛や記憶障害などの症状も出ています。

短隠語に残存した症状別件数

新型コロナウィルス感染症の後遺症等のアンケート調査の結果について
出典:和歌山県ホームページ

アンケートでは、退院後の生活やその他の困ったことについても調査。健康面の不安・ストレスなどのほか、一部で誹謗中傷を受けたという声もあがっています。

  • 近隣でうわさが流れていた
  • あることないこと言いふらされた
  • 身に覚えのない情報等がSNSに書き込まれた
  • 仕事関係者から特別な目で見られた
  • 家族が職場でいやがらせを受けた

など。

もし感染しても一定期間経てば元の生活に戻れる、と考えていた方が多いのではないでしょうか。
退院後も、さまざまな後遺症が出ている方、無症状・軽症でも別の後遺症に悩まされる方がいることが分かってきました。首都圏では、後遺症外来や後遺症に悩む方のフォローアップをおこなうクリニックも出てきています。

まだまだ分からないことが多い新型コロナウイルス。一番は罹患しないよう予防を心がけること。
そして、心身ともにストレスを抱える感染者に対しては、継続したサポートをおこなっていくことが必要になります。

最後に

誰が感染してもおかしくない、新型コロナウィルスは身近な存在です。症状や状況は人それぞれですが、溢れる情報に流されず、偏見を持つことなく、考えていきたいのは「今」「自分が」できること。引き続き、感染対策をおこないながら、食事・運動・睡眠、そして笑顔を心がけて強い心と体を作っていってくださいね。

出典:厚生労働省ホームページ「新型コロナウイルス感染症 診療の手引き」

文:三輪田理恵

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