きずなネットでは、進路や職業選びの参考にしてもらえるよう、さまざまな仕事に携わる人の声を紹介しています。
今回は、読者アンケートでリクエストのあったカウンセラーです。心の不調が原因で仕事を休んでいる人への支援を行うカウンセラーの方に話を聞きました。
27歳/2年目
あいち保健管理センター
公認心理師、臨床心理師
この仕事を選んだ理由は?
中学3年生の時、友人が心の調子を崩した経験から、人の心に興味を持つようになりました。目には見えないけど、人にとって大切な心のことをもっと知りたいと思い、心理学を学べる大学と大学院に進学。国家資格である公認心理師の資格を取得しました。
今の職場では、主に働く人へのサポートをしています。人生において仕事が占める割合は高いため「働くストレスが軽減出来れば、人生の充実度が高まる」と考え、働く人たちをサポートできるカウンセラーの仕事を選びました。
仕事内容は?
心理スタッフとして、うつ病や適応反応症(適応障害)などで仕事を休んだり、離れたりしている人の社会復帰をサポートする施設で働いています。主な業務は、利用者さんの個別カウンセリングと、座学形式でおこなう心理プログラムの講義です。
ある日のスケジュール
8時30分 出社
9時 社内ミーティング
10時 個別カウンセリング
11時 心理プログラムの講義
12時 昼休憩
13時 事務作業
14時 個別カウンセリング
15時 心理プログラムの講義
16時 個別カウンセリング
17時 会議・打合せ
18時 終業
10時から18時は、50分を1コマとして、個別カウンセリングまたは集団プログラムの講義を行っており、空いた時間に事務作業を進めています。
復職をした利用者さんの面談も実施しているので、週1、2回程度、18時以降にカウンセリングが入ることもあります。
仕事に就くために努力したこと
公認心理師の資格を取得するためには、大学院を修了し、国家試験に合格しなければいけません。在学中、カウンセリングの実践、大学院での研究、試験勉強を並行して行っていた時は大変でした。ただ、尊敬できる先生のもとで学べたこともあり、心理師として働く自分をイメージしながらやりきることが出来ました。
仕事の楽しいところ・やりがい
どのように支援するかの正解はないので、1つ1つ組み立てていくこと。それによって、目の前の利用者さんが良くなっていく姿を見ることがやりがいです。「布団から出られない状況から、外に出られるようになった」「出来なかったことが、出来るようになった」という利用者さんからの報告や、それを話してくれる表情から元気になっていることが感じられると、とてもうれしいです。
利用者さんは、この施設を離れた後も自分の力で生きていかなければいけません。これから先もずっと「私がいなければならない状態」ではなく、本人が自分の力で変わり、進んでいけるように、私の役割は何かを教える立場ではなく、利用者さんの本来の力を引き出すサポート役だと考えています。
仕事の大変なところ
より良い支援を提供していくために、常に学ぶ必要があることです。また、どのように支援するかに正解はないというのは、大変な部分でもあり、やりがいでもあります。
今後の目標
いろいろな症状に対応できる心理師になることです。この仕事に就いて2年目ですが、さらに学び、経験を積み、出来ることを増やしていきたいです。
この仕事を目指す人へメッセージ
指導いただいた先生から言われた「人の話を聞くためには、自分が元気でいることが大事」という言葉を今も大切にしています。
時々、自身のつらい経験から「自分のような人を助けたい」と、この仕事を志す人がいます。でも、自分が元気でないと、相手の話を聞きながら、自分の気持ちと重ね合わせて落ち込んでしまうかもしれません。良い状態で人の話を聞けるように、自分が元気でいられるストレス対処法をいくつか用意しておくことをおすすめします。
文・聞き手:きずなネットよみものWeb編集部
この記事の感想や「こんな人の話を聞きたい!」「こんな仕事に興味がある!」自薦・他薦問わず「この人にインタビューしてほしい!」など。みなさんの声をお待ちしています。
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