【お仕事インタビュー】グランドハンドリング（空港地上支援業務）

きずなネットでは、進路や職業選びの参考にしてもらえるよう、さまざまな仕事に携わる人の声を紹介しています。

空港で働くグランドハンドリングは、通称「グラハン」とも呼ばれ、飛行機の誘導や荷物の積み降ろしなど、飛行機が時間通りに運航するためのさまざまなサポートをしています。今回はANAのグループ企業、ANA中部空港株式会社でグランドハンドリングとして働く方に、仕事の魅力を聞きました。

仕事内容は？

愛知県の中部国際空港（セントレア）のランプエリア（飛行機が駐機するスポット）で、飛行機の到着から出発までのサポートを行っています。

仕事内容は幅広く、ランプエリアにおける飛行機の誘導や機体のプッシュバック（飛行機が出発する際、機体を自走できる場所まで押し出す作業）、荷物や貨物の積み降ろし、空港ターミナルと飛行機をつなぐ「パッセンジャーボーディングブリッジ」の装着・離脱など、飛行機が到着する度に数人のスタッフで手分けして作業します。

それぞれの作業に資格が必要で、例えば飛行機のドアを開けるのにも、ドアのタイプごとに資格が分かれていて、200を超える資格があります。私自身も日々の業務と並行し、1つひとつの資格を取得している最中です。

ある日のスケジュール

※早番の場合
6時30分
空港到着、着替え

6時40分
ブリーフィング（スタッフ間で1日の流れや注意点、天候などを共有・確認）

6時50分
ランプエリアに到着

7時15分
始発便の出発に向けた準備（荷物や貨物の積み込み、プッシュバックなど）

8時25分
飛行機（那覇行き）が出発

8時55分
飛行機が到着、駐機場への誘導、荷物の取り降ろし
その後、出発に向けた準備（荷物や貨物の積み込み、プッシュバックなど）

9時30分
飛行機（宮崎行き）が出発

9時50分
食事休憩

10時50分
ランプエリアに到着
※以降、退勤までの間に2、3便を担当

15時10分
退勤

仕事の楽しいところ・やりがい

もともと飛行機や空港が大好きなので、飛行機のすぐそばで働けていること自体が楽しいですね。

また、飛行機が離陸する時、私たちグランドハンドリングが飛行機に向かって手を振ることがあります。その際、機内からお客さまが笑顔で手を振り返してくださると、空の旅を楽しんでいる様子が伝わり、こちらまでうれしくなりますね。

この仕事についたきっかけは？

大学まで水泳をやっていたので、子どもの頃は「水泳選手になりたい」とぼんやり考えていました。中高生くらいになると、水泳の大会のために飛行機に乗る機会が増え、空港で働いている人たちがとてもかっこよく見えたんです。そんな経験もあって、就職活動では空港や飛行機関連の企業をいくつか受け、今の会社に入社を決めました。

仕事につくために努力したこと

学生時代、「これを頑張った」と胸を張れるようなことは特になく、むしろ「これをやっておけば良かった」という後悔の方が多いかもしれません。その1つが英語ですね。業務の一環で、海外の航空会社のスタッフと英語でコミュニケーションをとる機会があるんですが、「もっと英語を勉強しておけば……」と感じることが少なくありません。逆に、英語が得意な人は、活躍の場が広がると思いますよ。

今後の目標は？

業務の幅を広げていくことです。例えば、まだ持っていない資格が多くあるので、目下の目標は、飛行機にコンテナを積み降ろしするための大型免許を取得することです。そうやって1つひとつ出来ることが増えていくのは、やりがいでもあります。

さらに、当社にはグランドハンドリング以外にも、空港でカウンター業務などを行う旅客サービス部、飛行機が安全に運航できるように地上から支援するオペレーションマネジメント部など、さまざまな部署があります。そういった仕事も経験し、さまざまな角度から「空の安全」をサポートしたいと思っています。

この仕事を目指す人へ

パイロットや客室乗務員など、飛行機や空港関連の仕事に憧れる人は多いと思います。中でも、グランドハンドリングは、飛行機のすぐそばが仕事現場です。飛行機や空港が好きな人なら、きっと楽しんで働くことができると思いますよ。

そして、私もそうですが、飛行機に乗る時って、何だかわくわくしますよね。グランドハンドリングは、そんな楽しい空の旅をサポートするのが仕事です。興味のある人は、ぜひ一緒に空港で働きましょう。

文・聞き手：きずなネットよみものWeb編集部