きずなネットでは、進路や職業選びの参考にしてもらえるよう、さまざまな仕事に携わる人の声を紹介しています。
Webサイトの構成やデザインを制作するWEBデザイナーは、企業に所属して働くのはもちろんのこと、フリーランスで活躍されている方も多数います。今回は、企業で働いたのちに独立、新サービスを立ち上げたWEBデザイナーの方にお話をお伺いしました。

子どもの頃の夢は?
エンジニアになりたいと思っていました。
小さい頃から工作が大好きで、工作番組や工作の図鑑などを見ては牛乳パックで歩くロボットを作ったり、段ボールの迷路や輪ゴム鉄砲を作ったり。家にあるパソコンやラジカセなどを分解して、どんな構造や仕様になっているのかを見るのも好きで、たまに親に怒られることもありました。
仕事についたきっかけは?
デザインの道へ進む最初のきっかけは、iPhoneでした。エンジニアへの夢も持ちながら、高校生のときにiPhoneを手にして「デザインは便利さを超えるかもしれない」と思い、美大のデザイン科へ進学。デザイナーになろうと、大手自動車部品メーカーに就職しました。
しかし、デザインを通して「人に喜んでもらいたい」と思っていた中で、完全分業による間接的な仕事は、誰かを喜ばせている実感が得られませんでした。自分の想いに正直な仕事をしたいと考え、会社を退職して個人事業主として独立。しかし、独立した年である2020年4月に緊急事態宣言が発令され、世の中が180度変わりました。いつ、どんなときも、簡単に世界が変わってしまいます。
そこから、WEBデザインで多くの表現ができることに気づき、WEBデザイン・ディレクターの仕事をスタート。2021年に会社を立ち上げました。
仕事内容は?
WEBデザイナー、WEBディレクターとして、企業から請け負ったサイトなどのデザイン制作などをおこなっています。また、2023年4月には全国から珍しい食べ物が届く定期便そのとちぎふとのサービスを立ち上げ、企画・運営をおこなっています。
1日の流れの例
10時
業務開始、メールチェック
10時30分
デザイン作業
13時
昼ごはん
14時
メンバーとの打ち合わせ
15時
「そのとちぎふと」企画打ち合わせ
17時
SNSチェックなど
18時
クライアントとデザインの打ち合わせ
20時
晩ごはん
21時
デザイン作業
22時
業務終了
日によって一日の流れは大きく異なります。
『そのとちぎふと』の業務とクライアントから請け負う業務の比率は、現状6~7:4~3となっています。
仕事につくために努力したこと
自分の強みをみつけるために、徹底的に振り返りをおこなったことです。学生時代、絵のうまい人が周りにたくさんいて、自分には向いていないのでは?と思ったことがありました。
しかし、さまざまなことに取り組み、自分自身が評価を得られているものは何かと考えたときに、幅広い視点を持ちながら物事に取り組むことが得意だと気づいたのです。WEBデザイナーやWEBディレクターなど、デザインをまとめて形にしていくことは自分の強みを活かせる仕事だと考え、その道に進むことを決意しました。
中学生の頃は、エンジニアになるために勉強して進学校へ進学。高校生の頃は、デザインを学ぶために画塾と受験勉強を両立しながら美大へ進学。大学時代は、デザインを通して「人に喜んでもらいたい」 と、商品開発などのプロジェクトに参加し、外部との関わりを大切にしてきました。
自分の決めた道で、今やれることに取り組んできたように思います。
仕事の楽しいところ・やりがい
お客さん(クライアント)に喜んでもらえることです。デザインの請負の仕事に関しては、「前のデザインよりも使いやすくなった」「分かりやすくなった」など、言っていただけるととてもうれしいです。
新しく立ち上げた『そのとちぎふと』というサービスは、「全国の珍しい食べ物+ストーリーブック」が届く定期便です。ただ食べ物を届けるだけでなく、生産者の思いや地域の文化について「ストーリーブック」で伝えることで、新たな出会いや感動体験を届けたいと考えています。前回はサーモンをお届けしましたが「サーモンが今まで嫌いだったけど、これはめちゃくちゃおいしかった」といった声もありました。
このように、お客さんの喜んでいる声をダイレクトに聞けるのがとても楽しく、大きなやりがいになっています。
仕事の大変なところ
デザインの請負の仕事に関しては、デザインの価値を伝えることや、業務の幅に明確なラインがないことは難しいと感じます。デザインに対して明確な値段が決まっていないので、その価値を相手にどう伝えて報酬をいただくのか。
また、どこまで提案してどこまで作るかなど、相手の期待するものと自分が実施する内容のバランスを考えるのは、大変だと感じることがあります。
将来の目標や夢は?
デザインを通して、人に喜んでもらいたい、人の役に立ちたいという思いが原点です。
2021年に立ち上げた会社は、「愛のあるデザインで、未来を創る」というビジョンを掲げています。今年立ち上げたサービスでは、日本の食文化を広げていくきっかけづくりをしたいと考えています。素晴らしいものがあったとしても、知るきっかけがなければ自分の手元には届きません。
たとえばフレンチを食べに行ったときに、シェフがその料理のこだわりを語ってくれるとよりその食事がおいしく感じられるように。ただおいしいものを届けるだけでなく、デザインを通してその魅力を「感動体験」として伝えられると考えています。
自分がその地域を、そして日本を誇らしく思えるような感動体験を届けていきたいです。
将来この仕事につきたい人へ
1つは、夢を持つことです。デザイナーになる、エンジニアになる、というのは何かを成し遂げるための手段だと思っています。「1ヶ月でWEB デザイナーになれる!」「WEBデザインで月商100万円!」などのキャッチコピーを見かけることがありますが、最終的に、デザインを通してどんな世界を実現したいのか。その先の夢をもつことが大切だと思います。
もう1つは、自分自身が「続けられること」を仕事にすることです。「好きなこと」ではなく「続けられること」です。たとえば、私の場合はゲームは好きだけどそんなに続けることはできません。
「楽しい」と思えること。もしくは、楽しいまではいかなくても、続けていて「苦」ではないこと、ずっと「続けられること」を見つけることが、強みを活かして働けるコツだと思います。「継続は力」です。
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