ある日、長男が、そして長女も…ラジオDJ・堀江美穂さんが教育を学ぶわけ【後編】

ある日、長男が、そして長女も…ラジオDJ・堀江美穂さんが教育を学ぶわけ【後編】

現在、FM AICHIと愛知北エフエム放送の番組に出演するラジオDJの堀江美穂さん。高1の長女、中1の次女、小4の長男と、3人の子どもを育てるママでもあります。インタビュー後編では、長男の不登校を経験し、子育てについて感じたことや考えたこと、そして、保育士の資格取得を目指す理由について聞きました。

堀江 美穂 (ほりえ みほ)さん

ラジオDJ 堀江美穂(ほりえ・みほ)
愛知県名古屋市出身。2003年からZIP-FMのミュージック・ナビゲーターに。現在は「Bagel&M」(愛知北エフエム放送)、「太郎ちゃんの元氣がでるラジオ」(FM AICHI)に出演中。研修講師や司会業などの活動や子育てサークル「link &M(リンクミー)」の代表も務めている。
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子育て・家族に関する資格を所有

長男が小2の時、突然、学校に行けなくなった時期がありました。長女、次女と2人の子どもを育ててきて、「子育てって大変だけど、こんな感じね」と思っていたら、

長男にはそれまで通用してきた子育て術が全く当てはまらず……。

「この子が生きやすくなるためには、どうしたらいいんだろう?」と考えるようになり、いろんな情報を集めました。その流れで、子どもの潜在能力を引き出す「チャイルドコーチング」というのがあると知り、JADP認定チャイルドコーチングアドバイザー®の資格を取得しました。

teachではなくcoachなので、どちらかと言うと「教える」よりも、1人1人の個性を尊重して、「伴走する」といったイメージなんですよね。子どもの声を聞き、認めて、共感する手法を専門的に学んだことで、息子が何かに悩んだり、立ち止まったりした時、どんな風に声を掛けて、サポートすればいいのかが分かるようになりました。

そうした経験の中で、自分以外にも家族のことで悩む人たちがたくさんいることに気づいたんです。そして、家族が抱える心の問題を解決に導く「家族療法カウンセラー」にも興味がわき、JADP認定家族療法カウンセラーの資格を取得しました。

息子さんに変化は?

息子というより、さまざまな情報や知識を習得したことで、私自身の不安な気持ちが少しやわらぎ、物ごとを冷静に見られるようになったことが大きいですね。息子に関しては、私の気持ちが大きく変化したことや、いい先生やお友達と関われたこと、また彼自身の成長もあり、少しずつ学校へ行けるようになりました。

息子の場合、サッカーをしている時は特につまずくことがなく、本当に伸び伸びしているんです。

また、息子が小2の時、毎日のように授業を見学させてもらっていたのですが、クラスの中には「この子、もう少し注意深く見守ってあげられるといいな」「この子、自分からは何も言わないけど、いつも何かに困っているな」などと感じる子どもがたくさんいました。そんな経験から、学校教育や学校のあり方についても考えるようになりましたね。

保育士の資格取得を目指す

ある日、長男が、そして長女も…ラジオDJ・堀江美穂さんが教育を学ぶわけ【後編】

息子のこともそうですし、チャイルドコーチングアドバイザーと家族療法カウンセラーの勉強をするうち、子育てや教育について、もっと深く学びたいと思うようになったんです。それで保育士の資格取得を目指すことにしました。今もさまざまなメディアやイベントなどで子育てについてお話しする機会がありますが、もっとたくさんの知識を身に付けることで、より具体的なお話が出来ればと思っています。

今後の目標

息子のことで悩んでいた時、今まで経験したことのないような孤独や息苦しさを感じました。まるでこの世界に私と息子だけが取り残され、誰も気にかけてくれる人はいないような絶望を感じ、この思いを誰に、どうやって伝えたら良いのかが分かりませんでした。

今も、子育てに悩むお母さんが子どもに手をかけてしまう悲しい事件が後を絶ちませんが、ほんの少し状況が違っていたら、あの時の私もそうなっていたのではないかと思っています。

長女と次女には、そんな自分の姿を見せないようにしていたつもりだったのですが、気付かれていましたね。そんな私の様子を見て、長女の心が不安定になっていたことを後になって知り、本当に申し訳ないことをしてしまいました。

そして、改めて「この子たちを守っていかなければ」と思い、そこから必死で情報や方法を探り始めました。自治体が設置している相談窓口のようなものはあるものの、その時の私には今一つ助けにはなりませんでした。自力で調べ、勉強しながら、ようやくここまでたどり着いたという感じです。

これらの経験の中で今まで気づくことのなかった 悩みを抱える親たちの声をたくさん聞き、こんなにも多くの方が苦しんでいるんだと驚いた反面、今、この瞬間、誰にも相談できず、私のように悩み苦しんでいる方がいるかもしれない。そう思った時、本当に心が苦しくなりました。

そこで、日々の困りごとや悩み、疑問を共有し合える場所をつくりたいと始めたのが、「link &M(リンクミー)」という活動です。

1人では解決できなくても、みんなで話し合うことで解決の糸口が見つかるかもしれない。そして、何より誰かに話して、共感してもらうことで気持ちがすっと楽になります。これまでに名古屋市内で2回、「おしゃべり会」を開催しました。link &Mの公式Instagramで開催情報を掲載しているので、ぜひご覧ください。

子育てを頑張るパパ・ママへ

世の中のパパ、ママたちは頑張りすぎているように感じます。私自身もそうでしたが、「人に頼ること=悪いこと」と思っているんじゃないかな。例えば、小さな子どもを連れたママが1人で重い荷物を持っている時など、なかなか周りの人に「手伝ってもらえませんか?」と声を掛けられないのは、そうした先入観からだと思います。

しかし、海外では当たり前のように周りにお願いするし、何も言わなくても周りの人が手を貸してくれます。そして、1人で頑張りすぎるのではなく、出来ないことはちゃんと「出来ない」と主張します。

日本でも周りを頼り、そして頼られるのが当たり前になったら、子育てをする人だけでなく、みんなが生きやすい社会になるのではないでしょうか。「迷惑をかけないようにする」ではなく、「みんなで助け合い、許し合う社会」をつくっていけたらいいですよね。

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