お年玉は学びのチャンス! マネー教育に活用し、社会・経済への関心を育もう【FP解説】

お年玉は学びのチャンス! マネー教育に活用し、社会・経済への関心を育もう【FP解説】

お正月といえば、お年玉。子どもは臨時収入に大喜びですが、大人は、誰に、どんな形であげれば良いのか、そして、子どもがもらったお金をどう管理するのか、悩みは尽きません。

せっかくあげるなら、意義のあるお年玉にしたいですよね。実はお年玉をうまく使えば、子どもが自分の将来に目を向け、社会や経済にも視野を広げるきっかけをつくることができます。子どものマネー教育にも注力するファイナンシャルプランナーに、お年玉を教育に活用するアイデアを聞きました。

FP事務所RAC代表 近藤賢一(こんどう・けんいち)さん

FP事務所RAC代表 近藤賢一(こんどう・けんいち)さん

南山大学経済学部卒業後、求人広告営業や人材あっせん事業のコンサルタントなどを経て、FPとして独立。年間100世帯以上の家計相談や資産形成に関するアドバイスを行っている。小学校PTA会長でもあり、Youtubeチャンネル「教えて!こんけん先生」では、子どもへの金融教育に関する動画を配信中。

お年玉の起源

日本では昔から、お正月に家々に来るとされる神様を「年神様(歳神様)」と呼んでいました。作物の豊穣や、家族の健康をつかさどる年神様に鏡餅をお供えし、これを後で分けてお下がりとして食べました。この鏡餅のお下がりを「御歳魂(おとしだま)」と呼んだのがお年玉の始まりとされています。

鏡餅を家族や子どもへ分け与える習慣は、やがて飴玉やおもちゃ、金銭へと変化していきました。戦後の高度経済成長の中で、餅をつく家庭が減少するとともに、家庭内でおこづかいとして現金を渡す文化が定着。お年玉も、子どもが金銭をもらう現在の形になったようです。

お年玉のあげ方

では、どうやってお年玉をあげたら良いのでしょうか。いくつかポイントを紹介します。

まずお年玉をあげる期間については、「子どもが学生の間」とするのが良いでしょう。家計を圧迫しない程度の金額、子どもの年齢別で言うと、このような金額をあげるのが一般的です。

小学低学年…1000〜3000円
小学校高学年…3000円前後
中学生…3000〜5000円

また、お正月が来る前に、お年玉は「これからの1年間、頑張ってね」と、あなたを応援するためのお金であること、そして、それを受け取るということは、「これから1年間、頑張る」という決意を示すことであると、説明してあげると良いですね。さらに、親子で1年間の目標などを話し合うと、子ども自身が何かに目的を持って取り組むきっかけにもなり、効果的です。

「貯金」「使用」「運用」を学ぶ

今年1年の目標を決めたら、お年玉をどう活用するかについても会話してみましょう。そこで意識して欲しいのが「貯金」「使用」「運用」の3つに分けて考えることです。

まず約1/3の金額を将来のための貯金とします。学費や夢をかなえるために必要なお金であることを話し合って、子どもの口座に預金しましょう。

次に、欲しいものや使いたい事柄を確認します。子どもにとって大きな臨時収入なので、できるだけ望みをかなえてあげられると良いですね。

そして、その先に残った金額を投資・運用に回します。「必要経費を確保した上で、残ったお金を元手に投資を考える」という金融リテラシーを身につける良い機会にもなります。

マネー教育のきっかけに

もし親御さんがNISAをやっているなら、子どもと一緒に銘柄を選んでみることをおすすめします。現在のNISAは100円という少額から、米国株式は1株から取引が可能です。子どもが自分で投資先を決めるという経験が、経済はもちろん社会全体への関心を高めてくれます。

マネー教育のきっかけに

例えば我が家では、小学生の息子が日経平均株価の値動きをウォッチするようになったり、私も知らないような米国の新興企業について教えてくれたりするようになりました。自分も「出資」=「参加」しているという感覚から、世界経済へも興味を持つようになったのでしょう。金融教育や、広く社会全体に興味を持つきっかけとして、お年玉からの投資チャレンジは試してみる価値があると思います。

子どものマネー教育の入口としては、「学校では教えてくれない大切なこと33 お金が動かす世界」(旺文社)という本も読みやすく、参考になりますよ。

最後に

子どもにとっては楽しみ、大人にとっては悩ましいことも多い、お年玉。年に1度のせっかくの機会ですから、1年の計画を立てたり、将来の夢について語ったり、社会への関心を高めたりするきっかけにできると良いですね。

文・聞き手:きずなネットよみものWeb編集部

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